カーグッズ・ミニレビュー
4層構造で温度上昇を抑えつつ、熱を外方向に放出するエーモンの「ラディテック サンシェード」
2024年8月8日 11:00
クルマに合わせた4サイズ展開
数あるお手軽カーグッズの中でも夏の定番と言えるのがサンシェードだ。とくにここ数年は気温が上昇傾向ということもあって、もはや必須アイテムと言っていい。赤外線や紫外線をカットする機能を持ったウィンドウを採用するクルマが増えつつあるものの、物理的に日光を遮るのがもっとも効果的なのは言うまでもない。というわけで例年、さまざまなメーカーからさまざまな形状の商品がリリースされている。そんなホットな市場に2024年デビューしたのがエーモンの「RADITECH SUN SHADE(ラディテック サンシェード)」だ。
サンシェードと言えば板状に折りたたむタイプが一般的だけれども、このラディテック サンシェードはポップアップ式。カメラが好きな人なら「丸レフ」を思い浮かべてもらえば分かりやすい。そして、その最大の特徴は素材にある。一般的な遮光生地が「反射層」と「遮光層」の2層構造となっているのに対し、ラディテック サンシェードは「表面保護層」「熱放射・熱反射層」「可視光反射・熱伝導層」「遮光・熱吸収層」の4層構造を採用。サンシェードの基本性能である遮光率は99.99%と高い数値を確保しつつ、加えてそれ自体の温度上昇を抑えるとともに、車内の熱を放射する機能まで備えている。同社の社内試験では一般的なサンシェードと比較すると、ダッシュボード上の温度が5℃低くなったという。
サイズはウィンドウサイズに合わせて4タイプ用意されており、Sサイズが約1300×580mm(幅×高さ、以下同)、Mサイズが約1360×720mm、Lサイズが約1450×800mm、LLサイズが約1480×970mm。価格は順に4480円、4780円、4980円、5280円と、サンシェードとしてはちょっとお高い感じ。同社のサイトに車種別適合表が用意されているので、まずはそこをチェックだ。
で、適合表を見つつ今回チョイスしたのはLサイズ。立派なパッケージを開けると、コンパクトに折りたたまれたサンシェードが出てくる。レザー調の立派な収納バッグも付属しており、お手軽とはいえちょっとお高いグッズを購入した満足感を得ることができる。
ラディテック サンシェードのデビュー戦となったのは、7月下旬に行なわれたスーパーフォーミュラの富士戦取材。これまでは一般的な板状の折りたたみ式サンシェードを使っていたのだが、ここで新型の登場となったわけだ。
朝、駐車場にクルマを停めてラディテック サンシェードをサクッと装着。装着は展開してから白い面を車外側に向け、下側をフロントウィンドウの下部に押し込み、上側をサンバイザーで押さえる。最後にバックミラー部を面ファスナーで固定するだけ。吸盤で固定するタイプだと外れたり、ガラスに跡が残ったりと面倒な部分があるけれど、こちらはホントにカンタンで手間いらずなのがうれしい。ものの20秒もあれば済むので急いでいるときでも楽勝だ。ちなみにこの駐車場は東西方向に枠が向いており、東側つまり朝方にフロントに日があたる方にフロントを向けて駐車している。
数時間後、無事に取材を終えクルマに戻ってドアを開けると、やはり車内にはかなりの熱気がこもっている感じ。まぁ、フロントウィンドウ以外は何もしていないので仕方がない。とはいえ、キッチリ遮光されていたおかげでステアリングはまったく熱くなっていない(これは普通のサンシェードも同様だが)。それより少し驚いたのが窓を開けエアコンを作動させると、意外なほど早く車内の温度が下がったこと。いつもなら窓を全開にして車内の熱気を逃がしつつサーキット場内を走り、一般道に出るころに窓を閉めてようやく涼しくなってくるなんてイメージ。それが場内の駐車場を出るころには「もう窓を閉めてもいいかな」って感じだった。条件をそろえることが難しいため比較ではなくあくまで「印象」というレベルではあるけれど。無事に役目を終えたサンシェードの収納にはちょっとコツがいるけれど、慣れてしまえばホンの数秒。折りたたむと縦横30cmにも満たない(Lサイズの場合)までにコンパクトになるので邪魔にならないのがうれしい。
その後、1週間ほど継続して使ってみた。いろいろポイントはあるけれど一番のメリットだと思えたのは装着、収納がラクなこと。ホントに手間いらずだし収納後は車内でかさばらないのもうれしい。夏場以外でも紫外線によるダッシュボードの劣化を抑えることができたり、駐車中の目隠しとしても使えたりと利用範囲は広い。さっと出してさっとしまえるラディテック サンシェードは、クルマに積んでおけば間違いなく役に立つアイテムだ。