愛車を簡単な作業で輝かせるコーティングスプレー
プレクサス
メーカー:スマートビジョン(総輸入発売元)
価格:オープンプライス(購入価格:3900円[Lサイズ])

 

 車をなるべく美しいまま保ちたい、車を持っている誰もがそう思うだろう。その願いは、ボディーコーティングを施すことである程度実現できる。キレイに洗車した状態(または新車)で薄くコーティング材を塗って、汚れやキズを付きにくくするのだ。細かなキズがあってもコーティング剤によりなだらかに見えるようになるので光沢が強くなる。ただコーティングは施工が難しく、専門ショップに施工してもらうのが主流だ。こういったコーティングは1、2年ほど効果が持続するものの、料金もそれなりに高価だ。

 専門店でのコーティングほどの効果や、長持ちは期待できないものの、自分で施工できる製品も各種販売されている。価格の面で見れば、こちらのほうがお手軽だ。とはいえ、施工時にキッチリ隅々までキレイに洗車して、その後ホコリなどを着けないようにするという作業が意外と面倒なのだ。

プレクサスのLサイズ缶。容量は368g

 我が愛車は、新車登録からすでに10年超え。少しでも見栄えをよくしたい。自力施工で価格がお手頃、事前に洗車をしなくてよい、そんな都合のよい製品なんてあるのか? それが探せばある。今回使ってみた「プレクサス」だ。

 プレクサスは、洗浄、コーティング、つや出しをスプレー1本で済ませられるアメリカ発の製品だ。見た目的には単なるスプレー缶。容量により、L(368g)/M(198g)/S(25g)の3種類ある。車のボディーに使うなら、容量と価格のバランスを考えると、一番大きなLサイズにお得感がある。今回はこのサイズを選んだ。

 このプレクサスは、戦闘機の透明なキャノピー(操縦席を覆う強化プラスチック)の清掃用に開発されたというのがウリで、基本的にはプラスチック素材用に作られているのだが、塗装された金属ボディーやアルミホイールなどにも問題なく使える。プラスチック系の素材とは特に相性がよく、ポリカーボネート、ウレタン、ABS樹脂、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、塩化ビニール、FRP、マイラーといった素材、ライトカバー、メーターパネル、バイクのカウリングといった部分に最適だ。

 ホコリ、油分、ブレーキダスト、虫、排気ガス、グリスといった汚れを素早く包んで落とし、その後塗装の細かな凹凸にプレクサスがくっつき、自然と表面がなだらかになることでコーティング(薄い膜が形成)される。このコーティング効果は約1カ月ほど持続するとされている。

 使い方はいたって簡単。まずスプレー缶をよくシェイクする。そして汚れたままの状態で構わないので、少し離れた(およそ30~40cmくらい)状態でスプレーする。汚れを浮かすために数分置き、その後綿100%のウエスやタオルで拭き取る。単にこれだけだ。拭き取り作業で塗装にキズを付けそうなほどひどく汚れている場合には、あらかじめ軽く水洗いで落としておく。水分は付いたままスプレーして構わない。タオルのほうにプレクサスをスプレーし、それで拭くという方法も使える。こちらだと使用量が少なくて済むので経済的になる。

汚れたままで構わないのでスプレーし、拭き取るだけタオルにいったん吹き付けて、濡れたボディーを拭き上げるという方法でもOK
ホイールの汚れを磨いてみる。こういった汚れが……スプレーを吹き付け、拭き取るだけで汚れが落ちる

 実際に使って見ると、砂ホコリや泥はもちろん、ブレーキダスト、樹液といった汚れもキチンと落ちる。落ちが悪い部分は、少し時間を置いたりティッシュなどに含ませて付着させ、汚れに浸透させたりするとより効果がある。

 その後、拭き取ると見事に表面がツルツルになる。拭き取りしているうちにツルツルになり、タオルとボディーの抵抗がほとんどなくなっていくのが感触で分かる。ワックスのようにべたつかず、サラっとした感触だ。拭き取り直後は、やや拭きムラが感じられるが、時間がたつと浸透して平坦になるようで、ほとんど差を感じなくなっていく。

 綿のタオルで拭きあげた後、マイクロファイバークロスを使って磨くと、さらに輝きが増すそうだが、今回はそこまでの仕上がりは求めなかった。拭くだけで十分テカテカになったからだ。継続的に数回使うことで、より深い輝きが得られるらしい。

 窓ガラスに付いても問題はないが、コーティング効果は薄いので積極的に使う意味はない。そのため実際には、窓を含め軽く水で流した後にボディーのみにプレクサスをスプレーするという手順が手早く効率的だろう。もしくは、軽めの洗車コースとして、比較的目立つ灯火類やサイドミラー、ホイールなどを部分的に磨くというのも効果的な使い方だと思う。

 注意したいのは、独特の甘いにおいが意外とキツイことだ。このにおいは好き好きだと思うので、中には気にならない人もいるかもしれないが、筆者はちょっと苦手だった。友人の感想を聞いてみると、好きだという人もいたので、好みの分かれる部分であることを記しておく。車外で使う場合は、施工時以外まず気にならないが、室内で使う場合には、かなりにおいが残ることをアタマに入れておいてから使ってほしい。

 また、ホイール周辺に吹く際に、ブレーキディスクに付かないように気を配る必要がある。滑るようになってしまうからだ。新聞などをかけてマスキングしておくとよいだろう。チタンやカーボンも含めたマフラー、エンジンなどにも使用可能だが、冷えた状態で使うようにしよう。

施工前のボディーの様子。それほど汚れていないが、点々と汚れがあるプレクサスを使い拭き取った後。写真だと分かりにくいがかなりの光沢感があるABS樹脂でできている未塗装バンパーのツヤ出しにも使ってみた。左半分が施工後

 このプレクサスは、洗車になるべく手間をかけたくない場合にも使えるが、洗車後のワックス作業を簡単に終わらせるために使うこともできる。洗車嫌いにとって、救世主のような製品と言えるだろう。車以外にも、ツヤを出したいプラスチック製品全般に活用でき、まさに一家に1本というところか。筆者はiPadや携帯電話、ノートパソコン、バイク用のヘルメットを磨く目的にも使っている。独特のにおいがする点には注意ではあるが、万能ツヤ出し剤としてお勧めだ


(村上俊一)
2010年 9月 10日

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