コンパクトでかわいい充電式ハンディクリーナー
ダストバスター オーブ(ORB48)
メーカー:ブラック&デッカー
価格:オープンプライス(購入価格:5980円)

 

 洗車のついでなど車内で掃除機を使いたい場面は意外と多い。シートの間に入ったり絨毯に付いたりしたチリなどは掃除機を使わないと取りにくい。AC100Vをクルマまで持ってこれれば家庭用掃除機を使うことができるが、なければシガーソケット接続か充電式の掃除機(以下クリーナー)を用意することになる。今回はどこでも使える充電式ハンディクリーナーという条件で、2011年7月にブラック&デッカーから発売された新製品「オーブ(ORB48)」を選んでみた。

「オーブ」のパッケージ。直方体の凝ったデザインでプレゼントにしても喜ばれそう充電用のベースとACアダプター、アタッチメントのブラシと先細兼用ノズルが付属

 オーブは、ちょっと見ただけではハンディクリーナーとは思えないデザイン。色は赤、白、黒から選択できる。ちょうど手のひらに乗る大きさの球形で、使用時にはハンドルを持ち上げ羽根のように広げて使う。

 片方が吸引するノズルでもう片方が持ち手となる。ちょっと機動戦士ガンダムに出てくるマスコットの“ハロ”を彷彿とさせる、この近未来的なデザインが気に入ったのが最大の購入動機。機能や吸引力に関しては深く追求しなかった。シガーソケットからの充電に対応していないが、自宅近辺で使用するため、この点にはこだわらないことにした。

 ブラック&デッカー(Black&Decker)はDIY電動工具メーカーとして有名だが、ダストバスターシリーズにて多数ハンディクリーナーをラインアップしている。オーブよりもう少し大きめの「ピボットII(PV1210)」や、ガッツリ掃除したい人向けでホース付きの「フレキシー(Z-PD12000)」などもある。オーブは、もっとも小型で手軽な掃除に向いたデザイン重視のモデルとなっている。用途や好みで選択してほしい。

 さて、早速使ってみよう。満充電には6時間(初回時のみ7時間)が必要になる。充電ベースに乗せて充電している間はブルーのランプが点灯する。これはずっと点灯しっぱなしで充電完了のサインはない。バッテリーはニッカド電池が内蔵されていて、自分で取り外して交換することは基本的にできない。バッテリー交換はメーカーに依頼する必要がある。

 サポートに確認したところ、バッテリーは税抜2300円(送料などは別)でパーツとして取り寄せが可能で、交換を依頼するとそれにプラス1000円と往復の送料や代引き手数料などがかかるそうだ。

 ハンドルを広げると上部にスイッチがあるので、押すと吸い込みが始まる。動作させておくにはずっと押し込んでいなければならず、パワー切り替えはない。シンプルなワンプッシュボタンだ。本体サイズは、130×140×130mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで重さは750gと1kgを切っている。持ち続けてもそれほど負担にならないだろう。

オーブ本体。近未来的な完全な球形デザイン羽根のようにハンドルとノズルを持ち上げて使用する。使用時のノズル位置は固定で可変ではない。中央上部のボタンを押して閉じる
ダストボックスを開けたところ。中央にフィルターをはめこむ。容量は最小限なので、こまめなゴミ捨てが必要だ充電ベースに乗せたところ。付属のブラシノズルもまとめておくことができる。シガーアダプターは付属しない

 吸引力はそれほど強力ではないが(吸い込み仕事率は未公開)、クルマの内装でよく使われているカーペット地に付いた細かなゴミを吸い取る程度のパワーはある。ちなみに500円玉を吸い込み口に吸い付かせることが可能だった。

 動作音は独特の甲高い音でうるさく、深夜に窓を開けた状態で使うにはちょっとためらうほど。吸い取ったゴミは紙パックではなく直接ダストケースに貯められる方式で、半透明のドアからゴミが見える(ゴミが見えるがサイクロン式ではない)。ケースの容量が小さいため、すぐに一杯になる。ゴミが一杯になると吸引力が弱まりノズルから逆流することがあるため、頻繁にゴミ捨てが必要だ。このあたりは本体サイズが小さいのでしょうがないところか。

 ダストケース中央にはフィルターを装着するようになっている。このフィルターは汚れると吸引力に影響するので、ゴミを捨てる際にブラシでキレイにする必要がある。水洗いは不可。フィルターは消耗品でメーカー推奨交換頻度は6~9カ月。予備フィルターやダストケース内掃除用のブラシは付属しているとありがたかった。

 フィルターの入手方法が取説に書かれていなかったのでサポートに問い合わせたが、価格は1000円(税抜、送料や支払い手数料などは別)でブラック&デッカー製品を取り扱っているショップであれば取り寄せが可能とのことだった。

 吸い込んだ空気の排出は、ハンドルを持った状態で右側横向きに排出される。この向きであれば自分に向かってかかることもないし、風でゴミを舞い上がらせてしまうこともない考えられた向きだ。この排出口にもフィルターのようなものが見えるが、これは自分で交換することはできない仕組みになっていた。

使用時はこのような形状になる。ダストケースの反対面から横側に向けて排気する付属のブラシノズルを装着したところ。このブラシ先端部は外すと先細ブラシにもなるデスクサイドなどに置いておき、充電時室内であえて見せてもいい可愛げなデザインだ

 実際に車内で使ってみた。キレイにしたかったのが、革シートの隙間に入った小さなゴミ。これは強く当てるとスッキリと取れた。また、カーペット地も取り残しがでることもあるが、何度か往復させるとキレイになる。強力とは言えないが車内を掃除するのに十分なパワーはあるようだ。残念だったのはノズルの長さが短く、本体横幅があるので、本体がつかえてしまい届かない部分があったこと。このあたりはノズルがホースタイプではないので自由度は小さい。

 時々電源のON/OFFをしながら掃除に使い、使用可能時間を調べてみると、ほぼスペックどおり(スペック表では7分)だった。およそ6分ほど使うとパワーが落ち排気音がトーンダウンしてくる。そして、8分前後には吸い込みが止まった。

 そもそもダストボックスの容量が小さいのと形状からそれほど広い部分を掃除するようには作られていないため、使用時間が短いのは気にならないと思われる。1回の掃除でバッテリー切れまで使い切り(ニッカドなので使い切り途中での充電はあまりよくない)、ゴミを捨てて終える。その後次の掃除に備えて充電。というような使い方なら案外使いやすい。

 小型車の車内のような細かなホコリ取りがメインの用途にはもっともあうのではないだろうか。ただし球形なので、車内に置きっぱなしにするにはまったくもって向かない。当然だが転がってしまい危険だ。普段は室内で充電してデスクまわりのお手軽掃除に使い、ときどきクルマ掃除と兼用させたいという用途にはピッタリの製品だと思う。

それほど吸引力は強くはないが、シートの継ぎ目に入り込んだチリをキッチリ吸い込むことはできたカーペット地の部分も、ノズルを強く押しつけて動かすとちゃんとゴミが取れるノズルが短めなので、本体が邪魔して細かな部分が届かないことがある

(村上俊一)
2011年 8月 12日

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