トピック

「FREED Modulo X Concept」「ステップワゴン Modulo X」が展示された「モースポフェス in 九州」

ホンダとトヨタが協力して熊本の「HSR九州」で開催

「モースポフェス in 九州」の入場ゲート直後にある展示ゾーン。手前のNSXは「Honda Racing THANKS DAY 2016」でフェルナンド・アロンソ選手がドライブしたクルマ

 11月19日、「HSR九州」(熊本県菊池郡)において、「モースポフェス in 九州」が開催された。9時の開場を前に入口ゲート前には多くの観客が列をなし、時折、日が陰るものの秋らしい青空となった会場では、1万人あまりのファンがイベントを楽しんだ。

 モースポフェスは「モータースポーツの力で地域に活力を」の想いを込め、企業や団体の垣根を越えてモータースポーツの魅力を伝えるとともに、クルマを運転する楽しさや憧れ・夢を育むことを目的として開催されたもので、今回の熊本が初開催となる。

 同イベントがこれまでのクルマ系のそれと大きく異なるのは、本田技研工業とトヨタ自動車、つまりレースシーンではライバル同士となるメーカーが協力していること。Honda RacingおよびTOYOTA GAZOO Racingのレース参戦マシンの共演はもちろん、ドライバーもインディ500を制した佐藤琢磨選手をはじめ、ホンダ勢からはSUPER GT GT500クラスに参戦する「Epson Modulo NSX-GT」のベルトラン・バゲット選手ら、トヨタ勢からは2017年のSUPER GT GT500クラスを制した「KeePer TOM'S LC500」の平川亮選手およびニック・キャシディ選手ら、2輪からはHRCワークステストライダーも務める秋吉耕佑選手らが参加するなど、メーカー、カテゴリーを超えたそうそうたるメンバーが一堂に会した。

 用意されたコンテンツはモータースポーツ系のほかにもホンダアクセスが手がけたコンプリートカーや日産も加えた3社の市販車両の展示、参加ドライバーによる同乗走行、タイヤメーカーのブースなどが数多く用意されていた。

「FREED Modulo X Concept」「ステップワゴン Modulo X」などのカスタマイズカーも人気

 入場ゲートを入ってすぐのエリアは各社の市販車11台が並ぶ展示ゾーンで、ホンダアクセスは「FREED Modulo X Concept」と「ステップワゴン Modulo X」の2台を展示。どちらもクルマに乗り込むことができるようになっていたこともあり、多くの来場者の注目を集めていた。

 多くのファミリーユーザーが使い勝手などをチェックしていたのがステップワゴン Modulo Xだ。こちらはModulo Xシリーズの第3弾ですでに発売中のモデルだが、シート表皮などに小変更が加えられた2018年モデル。専用のフロントグリルやエアロバンパー、リアディフューザーを装着し、専用アルミホイールや15mmローダウンするサスペンションでチューニングされたエクステリアは、“タダモノじゃない”感満点。装着されているエアロパーツは単なる見た目だけではなく、車体下部の空気の流れを最適化することによりリフトバランスを調整、直進安定性を高めるなどの効果を発揮する機能的な面を併せ持ったもの。そうしたスポーティな側面を持つ半面、ステップワゴンならではの「わくわくゲート」など使い勝手のよさはそのままという点でウケていた様子。スタイリングを眺めつつ「もう標準車を買っちゃったんだよな~」なんて残念そうなオーナーの姿も見受けられた。

「ステップワゴン Modulo X」の専用フロントエアロバンパーには常時点灯するフロントビームライト、LEDフォグランプをビルトイン
リアバンパー下部には専用リアロアディフューザーを装着。車体下面の空気を効果的に後方へ導くことで直進安定性を高めている
「剣」をモチーフにしたという専用17インチアルミホールを装着。15mmローダウンとなるサスペンションも専用となる
9インチの大画面を持つナビゲーションや専用本革巻セレクトレバーなどを装備
ステアリング周辺にはピアノブラック調の専用加飾を装備。高い質感を持つ仕上がりとなっている
フロントシートはModulo Xのロゴ入り。2018年モデルではシート表皮がより滑りにくい素材に変更されている

 FREED Modulo X Conceptは「東京オートサロン 2017」にも展示されていた車両で、ステップワゴンModulo Xと同様、走行性能を高めたフリードのコンセプト提案モデル。スポーティなエアロパーツをはじめ赤いアクセントカラー、ブラックのルーフなど精悍なスタイルが特長だ。子供が1人程度の若いファミリーはもちろん、使い勝手のよいコンパクトなサイズという点で熟年層にも注目されていた。赤の差し色も人気で、「このまま商品化されたらいいな」との声も聞かれた。

フロントグリル、エアロバンパー、アルミホイールなどが変更されているFREED Modulo X Concept
赤いアクセントカラーの効果は大きく、エアロパーツと相まって存在感のあるスタイリングを演出
インテリアはピアノブラックの加飾と赤い差し色のコンビネーション
シートは中央に赤いラインが入るほかステッチも赤色。シートベルトも同色でコーディネートされインパクト大
来場者にはスタッフからステッカーがプレゼントされた
フリードは子供にも人気だった
ステップワゴン Modulo Xのプロモーション用に製作された「よろしくメカドックSTEP WGN Modulo Xの巻」も配られていた。Webでも公開されているので読みたい方はそちらをチェック
子供が多いファミリーにはステップワゴンのわくわくゲートが人気
トヨタは新たに立ち上げた「GR」シリーズを展示
日産も展示車を用意

モータースポーツエキシビジョンゾーン

パドックの展示スペース

 終日多くの観客を集めていたのが、サーキットコースとパドックを中心としたこのエリア。サーキットコースではホンダ&トヨタのクルマに抽選により決定したドライバーが乗って対決する「ドリームマッチ」、助手席でサーキット走行を体験できる「スポーツカーエクスペリエンス」などを開催。パドック側ではレース車両の展示やタイヤメーカーのブース、ドライバーのトークショーを行なうステージなど、こちらも盛りだくさんの内容となっていた。

中央の看板にはドライバーのサインが
両陣営のドライバーがくじ引きで決まったクルマに乗って対決するドリームマッチ
ピットウォークでは登場するドライバーを間近で見ることができた
走るだけでなく観客を入れてスマホで写真を撮る、なんてミッションも
普段は運転することのないクルマに乗ることができるとあって、ドライバーも楽しそうだった
午前1回、午後2回の計3回が用意されていたものの、各回での抽選開始時には長蛇の列となったスポーツカーエクスペリエンス
ステージイベントとの絡みでドライバーは毎回変更されていたが、この回はEpson Modulo NSX-GTのドライバー、ベルトラン・バゲット選手がシビック TYPE Rを担当
スポーツカーエクスペリエンスにふさわしい迫力の走りを見せた
一方、Modulo仕様のS660はARTA NSX-GTの野尻智紀選手が担当
コースの半分を使って行なわれたカートドリームマッチ
2回目のレースでは佐藤琢磨選手がポールポジションから優勝
「夢を叶える」をテーマに行なわれたトークショー、ドリームティーチャー
佐藤琢磨選手はおなじみとなったあの言葉を。色紙は来場者にプレゼントされた
ステージではオリジナルグッズが当るじゃんけん大会なども実施
レーシングカーの展示コーナーには佐藤琢磨選手がインディ500で駆ったマシンも
2017年のスーパーフォーミュラでランキング2位を獲得したピエール・ガスリー選手の15号車
2013年のSUPER GTを走ったMOTUL AUTHCH GT-R
2017年のWRCに参戦したヤリスWRC(レプリカ)
McLaren-Honda MP4-31とTS050 HYBRIDはコクピットに乗ることができた
そのほかの展示車両
無限ブース
シミュレータやゲームが用意されていたブリヂストンブース。ゲーム参加者にはミニカーをプレゼント
ダンロップはバスケットボールを使ったビンゴゲーム
横浜タイヤはカート用タイヤを使ったタイヤ投げゲームを実施
スタッドレスタイヤなどを展示していたミシュランブース

コンテンツ体験ゾーン

 サーキットコースを挟んでパドックの反対側に設けられていたのがこのゾーン。ホンダ車およびトヨタ車の試乗体験をはじめダンボールクラフト、子供向けのバイク体験などを実施。また、こちらにも「N-ONE Modulo X」をはじめとした市販車両も展示されていた。

 Modulo Xシリーズの第2弾として登場したN-ONE Modulo X。同車は前後の専用エアロバンパーをはじめとしたエクステリアパーツのほか、専用サスペンションやボディ剛性アップの専用高剛性バンパービーム、さらにCVTもSレンジが専用セッティングとなるなどルックスだけではなく走りの質も高めたモデル。さらに当日展示されていたモデルは、純正アクセサリーとして設定されているブラウンの合皮製シートカバーを装着しており、パッと見にもオシャレなムードとなっていた。こちらは若いカップルが乗り込んでいる姿がよく見られた。

N-ONE Modulo X
アウタードアハンドルやリアライセンスガーニッシュが専用のダーククロームメッキとなる
フロントは専用グリルと専用エアロバンパーを装着
15インチアルミホイールも専用アイテム
ドアミラーもルーフと同色
展示車はブリリアントスポーティブルー・メタリック&ホワイトの2トーンカラー。ルーフカラーにペイントされたテールゲートスポイラーがオシャレ
Modulo Xのロゴが入った専用デザインマフラー
ブラックのパネル加飾やエアコン吹き出し口のレッドメッキなどインテリアも特別感のある仕上がり
レッドステッチが施された専用本革巻ステアリングホイール
セレクトレバーもレッドステッチ入の専用タイプ
フロアカーペットマットとスポーツペダルは純正アクセサリー
専用カーボン調インテリアパネルを装着
専用のプライムスムース&トリコットコンビシートを隠してしまうのはもったいない気もするけれど、純正アクセサリーのシートカバーを装着することでムードを変えることも可能
ホンダホスピタリティブースの前には市販車を展示
ホスピタリティブースではフラッグを配布していた
本格的な装備で楽しめる「ちびっ子バイク体験」
子供向けにはカウルやタンクの脱着を体験できるコーナーも
小学生を対象としたダンボールクラフト
「ASIMOふあふあ」は子供に大人気だった
熊本らしくモンキーのくまモン バージョンが展示されていた
ステッカーも配布
フリードを使ったホンダセンシングの体験コーナー
TOYOTA GAZOO Racingの体験コーナー
こちらにもGRシリーズを展示
試乗コーナーも用意
こちらは「くま吉ふわふわ」
ヘルメットやレーシングスーツを体験できるキッズ向けコーナーを用意
熊本県警もイベントに参加。パトカー&白バイを展示
サーキットコースでは危険走行のバイクを捕まえるデモンストレーションを実施。多くのギャラリーを集めていた
イベントと言えばグルメ。唐揚げや肉巻きおにぎり、熊本名物の辛子レンコンなど多彩なメニューが並んだ。天気に恵まれたこともあり、イベント終了前に完売となったお店も多かったようだ

 メーカーの垣根を越えた試みとなったモースポフェス in 九州。プログラムの最後となるエンディングでは各ドライバーがピット前に整列。マイクを握った佐藤琢磨選手は「苦しい時にがんばっている皆さんを応援したい」と語るとともに、自身がインディ500ウィナーとなったことを例に挙げ「続けていくことで叶う夢があるということを1人でも多くの皆さんにお伝えしていきたいと思っています」と、地震などによる被害を受けた熊本にエールを送った。

イベントの締めはレース車両によるデモ走行
最後にドライバーが集合。佐藤琢磨選手、脇坂寿一監督による挨拶が行なわれた

提供:株式会社ホンダアクセス