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憧れのドライカーボンヘルメットもこれなら買える!? イタリア産の注目ブランド「Stilo(スティーロ)」を知る
WRCドライバーのシェア9割! 4輪モータースポーツ専用ヘルメットに注目した
- 提供:
- Stilo Japan
2021年3月16日 00:00
WRCで9割のシェアを持つヘルメットメーカーがあった
トヨタのWRC参戦やRally JAPANの開催、そしてWRCでの日本人ドライバーであるTOYOTA GAZOO Racing所属の勝田貴元選手の活躍などなど、近年WRCの注目度が高まっている。
とくに2020年、コロナ禍の影響で開催ができなかったRally Japanに関しては「絶対に観たい」と思っている方も多いのではないだろうか。この件は本当にいい方向になって欲しいところである。
さて、そのWRCの上位クラスで、なんと9割のドライバー、コ・ドライバー(以下クルー)に使用されているアイテムがあることをご存じだろうか。それがイタリア製の「スティーロ」というヘルメットである。
プロモータースポーツの世界では、金銭的な契約によって使うアイテムが決まる傾向が強いものではある。でも、ヘルメットは大切な頭部を守るだけでなく、重量や被り心地はクルーのパフォーマンスに大きく影響するので、性能や使い心地が優先される傾向だという。そうした中で9割のシェアを持つということは、やはり「モノ」のよさが評価されていると考えてもいいだろう。
なお、WRC以外でもF1ではメルセデスのバルテリ・ボッタス選手など数名が使用しているし、欧州で開催されているフォーミュラカー、ツーリングカー、レーシングカートの各カテゴリーでも有力ドライバーが使用しているというように、欧州ではとてもメジャーなヘルメットメーカーだ。
4輪に特化したメーカー。日本法人があるのでアフターフォローも安心
スティーロは1990年に操業を開始した新しい企業であり、ヘルメットメーカーとしては珍しい「4輪用のモータースポーツに特化した」ラインアップでバリエーションは30種類以上という幅広さを持っているのが特徴。
日本ではWRCでの利用率の高さから主にラリー用が以前、輸入されていたようだが輸入元が在庫を持たないケースがほとんど。そうなると注文の都度、イタリアに発注するのだが、スティーロのヘルメットはすべて受注生産なので手に入るのは発注後、数か月後になる。
そのため、モータースポーツで使う場合はかなり早い時期にオーダーしないとシーズンに間に合わないなど、知名度があっても日本では広まりにくい販売環境だった。
これに対して現在は正規代理店である「スティーロ・ジャパン」がある。こちらはスティーロ製品を輸入するだけでなく、日本のモータースポーツシーンでの使用にマッチする製品をセレクトして全国で即納が可能な量の在庫を持つ。さらに修理パーツやオプション品も同様に豊富に在庫しているのだ。それゆえに以前のような不便さは一切なくなった。
では、スティーロが日本へ本格的にアプローチを始めた理由についても紹介しよう。実はスティーロ・ジャパンの設立は日本の企業から申し出たことではなく、スティーロ自体が日本のモータースポーツ環境に興味を持ったからだった。
スティーロの代名詞はラリー用のヘルメットだが、日本ではラリーよりサーキットを舞台とするモータースポーツ活動が活発で、スポーツカーユーザーによるサーキットスポーツ走行からアマチュアレース。そしてジェントルマンドライバーの参戦もあるメジャレースのスーパー耐久シリーズ、SUPER GTなどはいずれも盛り上がりを見せている。
こういったことは遠くイタリアのスティーロでも知ることとなっていて、そうした状況から自社の製品が日本のユーザーに合うことを確信し、日本への本格的な進出をすることになったという。
スティーロを日本で扱うスティーロ・ジャパンでアカウントマネージャーを務める上田昭博氏は、会社の設立前にイタリアに見学に行ったそうだ。スティーロの本社はイタリアの中でもレースに関わるメーカーが多い北イタリアにある。地域的な特徴としては、もの作りに対してのこだわりを強く持つところだ。
そうした環境下にあるスティーロは工房という表現が似合う建物で、製造現場も白を主体に使う清潔感のある作り。床は小さいパーツが1つ落ちてもすぐ分かるよう真っ白。そこに10名ほどの職人がブースごとに分かれて黙々と作業をしていたという。
また、スティーロはラインアップにドライカーボンヘルメットを多く持つところだが、製品に使用するカーボン帽体はすべて自社にあるオートクレーブ(高温で焼くことや真空圧縮できる専用釜)を使用しているだけでなく、このオートクレーブから自社で作っているとのこと。
スティーロのヘルメットはどれを選べばいいのか?
スティーロのヘルメットはカーボンが主体だが、エントリーモデルとしてファイバーグラスとケブラーを使った帽体の「ST5F Nコンポジット8859」と「ST5Fコンポジット8859」があり、価格は9万1500円(税別)と11万7000円(税別)。カーボンヘルメットと比べると約10万円ほど安価。
ちなみに製品名を後ろに付く4桁の数字はFIAのグレード表記で、「8859」は日本ではSUPER GTにも対応するモデルのこと。そしてこの上に「8860」というグレードがあり、こちらはF1やWECなどの世界選手権レースで使用できるものとなっている。
価格的に手を出しやすいコンポジットモデルを選ぶのももちろんいいが、Gに耐えながら走る4輪スポーツ走行において、ヘルメット重量が軽いことは首を中心とした疲れの軽減に繋がるもの。
とくにアマチュアドライバーに人気の耐久レースだと、1人が受け持つ時間が長い傾向なので後半になると疲れが溜まる傾向。それに気温が高い時期のレースでは体力を激しく消耗することもあるだろう。そうした状態ではドライブに集中できずラップタイムが落ちるだけでなく、危険回避の反応に遅れることがあるかもしれない。そこで首への負担が軽減される重量が軽いカーボンヘルメットの着用が有効なのである。
スティーロ・ジャパンは6種類のカーボンヘルメットを用意しているが、そのうちFIA公認で「世界選手権以外」のすべてのカテゴリーで使用できる「8859」というクラスの「ST5F N」と「ST5F」に注目したい。安全基準としてはスポーツ走行やアマチュアレースはもちろん、SUPER GTでも使用できるものであり、その重量はST5F N、ST5Fともに1.35kg(スモールシェル)という数値だ。
これはコンポジットと比べて約2kg軽く、カーボンヘルメットのシリーズ内でも中級モデルより若干軽いというものである。コンポジットと比べて約10万円の価格差はあるが、軽くて疲れにくいヘルメットは「速く安全に走るためのドライバー用チューニングパーツ」でもあるだけに、多少余裕がある場合はカーボンヘルメットを選ぶのがいいのではないだろうか。
ドライバーと無線でやり取りがしたいならST5Fが最適
今回メインで紹介しているコンポジット、カーボンとも「ST5F N」と「ST5F」という2タイプが用意されている。これらの違いはヘルメットにインカム用のマイクシステムが装備されているかどうかで、マイクシステムを装備するのが「ST5F」。ちなみにもう片方の「ST5F N」のNとは、インカム用のマイクシステム未装着を示すネイキッドのNとのことだ。
インカム用マイクシステムを装備しているST5Fは、ヘルメット内部の口もとにマイクが埋めこまれているので、後付けマイクのように位置決めや脱落に気を使う必要がないのが利点となっている。ヘルメット内にきちんと会話ができるマイクを仕込むことは非常に難しいので、やったことがある人なら「これはいい」と思うだろう。
そして音声を聞くための装備として、スピーカー内蔵でソフトな耳当てカバー風になっている「イヤーマフ」がオプションで設定されているので、これをヘルメット内のインナーと付け替えればイヤホンより自然な装着感で音声を聞くことができる。同時にイヤーマフは耳への密着性に優れているため、車内の騒音をカットする効果も高い。とりわけノイズが大きいレーシングカーの車内でも相手の声が非常に聞きやすくなるのだ。
ST5Fと無線機の接続はヘルメット左、頬の下あたりに付けられた「インテグレーテッドプラグシステム」で行なう。ここに無線機からのコードを差し込めばいいのだ。
ちなみに、ヘルメットにこうしたプラグがない場合はマイクやスピーカーと無線機をつなぐ配線をDIYで作ることになるが、その際に配線が複雑になったりノイズを拾いやすかったり、はたまた現場で断線したりと苦労することもあるようだ。なお、ヘルメットは後からの穴開け加工は製品の特性上、一切禁止なので、ジャックが付いていないタイプのヘルメットにジャックを後付けするのは不可能だ。
こうした装備は他のメーカー製品ではスペシャルとなるが、スティーロではスタンダードな装備。それゆえにインテグレーテッドプラグシステムやドリンク類のホースが引き込めるポートが追加されても、それら装備がないネイキッドモデルより2万円ちょっとの価格アップで済む。これはヘルメットメーカーの特別なサポートが受けられないアマチュアレーサーにとって非常に魅力的なことだろう。
全国に12店舗あるスティーロストア
さて、そんなスティーロのヘルメットはモータースポーツ活動を行なうショップやモータースポーツ用ギヤを扱うショップを中心にした「スティーロストア」と呼ばれる取り扱い店で購入できる。
スティーロストアは現在、拡充している最中なので全国に12店舗あって順次増えていく予定。スティーロストア各店舗の情報はスティーロ・ジャパンのWebサイト内にあるスティーロストアページで確認できるので、気になった方はチェックしてほしい。
スティーロストアになるショップはヘルメットを含めてモータースポーツギヤに詳しいことが条件だけに、サイズ選びやオプション品購入の際にも的確なアドバイスが得られる。いまはネットでの買い物が普通にはなっているが、拡張性もあるスティーロのヘルメットを買おうというときは、ぜひ実店舗で詳しい説明を聞いて選んでいただきたい。
なお、スティーロ・ジャパンではスティーロストアになってくれるショップを募集しているとのことなので、今回この記事を読んで興味を持ったショップの方がいれば、スティーロ・ジャパンへその旨を連絡していただきたい。
※価格は2021年3月時点となります。