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マイカーでもレンタカーでも載せ替えOK。パイオニア カロッツェリアの車載専用Wi-Fi「DCT-WR100D」

LTEデータ通信料制限なしで使えるクルマ専用Wi-Fiは携帯必須アイテムだ

車載用Wi-Fiルーター DCT-WR100D

2万7500円

車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」を持ち出して、移動中の使い勝手をチェックしてみた

持ち運びも装着もラクだから移動が多い人には心強い

 コロナ禍の昨今、密を避けるために公共交通機関を避け、パーソナルスペースを確保しつつ安全に移動できるマイカーを活用している人も多いと思う。しかし移動中、急に仕事の対応を頼まれた場合など、インターネット喫茶やファミレスなど通信環境が整っている施設での作業が思い浮かぶが、必ずしも近くにあるとは限らないし、満席の可能性だってある。

 じゃあ、クルマの中で仕事をしよう! と考えると、大きな問題として立ち塞がるのが通信環境だ。スマホで済むような作業ならともかく、パソコンを使うとなるとちょっとした作業でもネット接続が必要になることが多いし、大きなデータをやりとりするにはキチンとした通信環境が欲しくなってくる。

 それを解決するにはモバイルルーターを持つのもひとつの方法。だが、どこでも使えるメリットがある半面、意外と通信コストが高いのがネック。また、スマホを持っているならテザリングもアリだけれども電池消耗や通信コストなど、大きなデータの送受信だったり長時間接続したりなんて使い方には向いていない。テザリングのON/OFF時にいちいち設定を変えなきゃならないのも面倒だ。

 そんな悩みの解消にピッタリのアイテムが、パイオニア カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」だ。これは、文字どおり“車載”に特化したルーターで、IEEE 802.11b/g/nに対応している。注目すべきポイントは車載限定となるぶん格安で利用できること。通信サービスはNTTドコモの4G LTE回線を利用する「docomo in Car Connect(ドコモ イン カー コネクト)」専用となっており、その利用料金は「365日プラン」の場合なら、1万3200円。つまり、ひと月あたりにならせば1100円と、文句ナシの格安で使えてしまうのだ。疑り深い人なら「通信制限が厳しいのでは?」なんて思うかもしれないけれど、なんと驚くなかれ無制限!

LTEのデータ通信が使い放題
例えば「365日プラン」を2年契約した場合、本体込みの1か月あたりの実質負担額は2246円

 2年以上利用する場合は「更新用UIMカード(5500円)」を使って利用期間を延長(2年ごと)する必要があるものの、契約手数料や解約違約金は不要ということを考えれば十分カバーできる範囲。そのほか、利用料金は「1日プラン」や「30日プラン」も用意されているけれど、それぞれ550円、1650円と割高になってしまう。特別な理由がない限り、どう考えても365日プラン一択だ。

 実際に使う上で嬉しいのは装着や使い方がカンタンなところ。車載用機器は設置や配線が面倒なアイテムが多いけれど、これはシガーソケットに電源プラグを差し込むだけ。設置角度に若干の制限があるものの、それほど厳密でなくとも大丈夫なように設計されている。もちろん、車載用だから動作温度も-10℃~60℃と広い範囲をカバーしているから安心だし、電源もシガープラグから直接取っているから電池切れの心配も不要だ。セキュリティ面も電波が届くのはクルマの周囲だけだし、シガーソケットの電源が切れれば通信もオフになるので安心。電源オン時もエンジンを掛ければ10秒~15秒程度で利用可能になるので手間いらず。

本体はとてもコンパクト
装着用の面ファスナーが付属している
こんな感じで貼り付けておけばOK
パソコンのACアダプターより小さいぐらいなので持ち運びも問題なし

 で、この装着が簡単なことにはもうひとつ大きなメリットがある。一般的に車載用のアイテムは装着したクルマだけにしか使えないモノが多いけれど、これは外して別のクルマに付け替えることが可能なのだ。つまり、出張や旅行でレンタカーを借りる際に持って行けば通信環境をそっくりそのまま使えるってこと。パソコンなど接続側の通信設定もそのままでOKだから、「パスワードなんだっけ?」なんてことを考えなくてもいい。あちこち移動する機会が多い人にとってはとっても心強いアイテムだ。

出張やレジャーでレンタカーを借りたなんて時にも便利
車内の適当な位置に装着。シフトまわりに装着できなかったのでカーペットにぺたり
後は電源をシガーソケットに差し込むだけ
電源ケーブルは1.5mあるので装着場所は自由に選べる
電源ケーブルをつなぐと10~15秒ほどでLEDが青になり利用可能に

 注意しておきたい点としては、あくまでも車載用の商品のため、通信可能な状況がハードウェア的に制限されていること。具体的には「エンジン始動後走行前30分」「走行中」「走行後アイドリング停車中60分」時に通信することが可能となっている。まぁ、実際に利用するシチュエーションを考えてみれば、出発前に目的地やルートを調べたり、走行中にストリーミングラジオを流したりなど、ほとんどのケースが利用範囲内になりそう。

 ちょっと特殊なケースになってしまうかもしれないけれど、こうしたスペックはカメラマンである自分のケースに当てはめると非常に使い勝手がイイ。というのも、自家用車での移動はもちろん、飛行機or鉄道といった公共交通機関とレンタカーを組み合わせての移動もあり、取材後は当日中に素材を編集部に送るなんてケースが多いのだ。その場合、必然的にクルマの中でセレクトや現像などの作業をしてから、データを編集部のサーバーにアップすることになる。これをテザリングでやろうとすると容量制限に引っかからないかとヒヤヒヤするし、その間はスマホを使うことができなくなってしまう。モバイルルーターを使えばよいという声があるかもしれないけれど、毎日使うわけではないし公共交通機関での移動時には必要ないから、ちょっとコスト的に見合わない感じ。しかし、このDCT-WR100Dならどちらも解決。

一部利用に制限があるもののドライバーなら出発前や停車後に利用すればOK
同乗者なら走行中でもフルに利用可能だ
停車後しばらくの間ならこんな使い方も
最大5台まで同時に接続できる

 実際、作業のために助手席に座って移動しながら使って見たところ、SNSやメールはもちろん動画のストリーミングのようなデータ量が多い使い方でもまったく問題ないし、写真や動画など大きなファイルの送受信もスムーズ。サブブランドのキャリアを使っている自分のスマホでテザリングするより速いぐらいだ。また、最大5台まで機器を接続できるから、パソコンだけでなくスマホやタブレット、ゲーム機など一度につなげられるのが嬉しい。ドライバーは走行中に直接使うことはできないものの、後席で同乗者がゲームをしたり、タブレットなどでストリーミングビデオを見たりなんてことが余裕で可能なのだ。

 と、クルマでの移動頻度が多くなりつつある昨今、車内の通信環境を低コストで劇的に改善してくれるDCT-WR100Dは嬉しい存在。ビジネスはもちろんパーソナルな用途にも大活躍してくれるはずだ。

自分のクルマにも装着してみた。こんなアバウトな感じでも大丈夫
編集部からの非情な催促もこれがあれば……解決!
レンタカーでもサッと接続できて使えるのが嬉しい