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パイオニア、車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」など2020年冬モデルのオンライン発表会レポート

DCT-WR100Dの登場で「クルマで移動するより多くの人に最高のカーライフをお届けできる」

車載用Wi-Fiルーターを発表するパイオニア株式会社 モビリティプロダクトカンパニー CEO 髙島直人氏

 パイオニアは10月8日、カロッツェリアブランドでリリースする2020年冬モデルのオンライン発表会を実施した。この冬の新商品は「サイバーナビ」「サイバーナビχ」「楽ナビ」、ドライブレコーダー、スピーカーなど多岐にわたっており、同社の意気込みが伺えるものとなった。

 冒頭、パイオニア モビリティプロダクトカンパニー CEO 髙島直人氏は「昨年10月に“クルマを真のオンライン化へ”という新しい価値を提案させていただきました」と2019年に発売したサイバーナビを紹介するとともに、「docomo in Car Connect(ドコモ イン カー コネクト)」に対応することで「車内での新しい楽しみ方、過ごし方を提案した本製品は多くのお客さまにご満足いただき、この1年で多くの賞をいただくことができました」と振り返った。

 2020年は新型コロナウイルスの影響により市販市場は厳しい状況にあるとしつつも、「個人の空間を守れるという観点から、改めて移動手段としてのクルマに注目が高まり、“車内ワーク”という新しいシーンも生まれてきました」と時代の変化に言及。

 このピンチをチャンスに変えるべく“クルマを真のオンライン化へ”という価値をさらに加速させる新商品として、車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」を発表した。その特徴として、コンソールの形状にかかわらず幅広いクルマで活用でき、車内を通信環境の整った快適な空間にすることが可能だと説明。「スマートフォンやゲーム機といったさまざまなデバイスを好きなだけ車内で楽しむことができますし、弊社の製品と組み合わせてご使用いただくと、さらに快適に楽しむことが可能となります」と、そのメリットを紹介した。

 最後に「われわれは“クルマを真のオンライン化へ”という新しい価値を今後も広く伝えていきます」とコメントし、クルマの中での過ごし方を変えることでモビリティの価値をさらに高めていくと締めくくった。

車載用Wi-Fiルーターでクルマのオンライン化を実現

パイオニア株式会社 モビリティプロダクトカンパニー 市販事業統括グループ 商品企画部 マーケティング課 田中宏尚氏

 続いてパイオニア モビリティプロダクトカンパニー 市販事業統括グループ 商品企画部 マーケティング課 田中宏尚氏が新商品を紹介した。

 田中氏はまず豊かなカーライフを届けるために同社が実現してきた機能として、2001年に「ミュージックサーバー」、2008年に「ビデオサーバー」、2019年には通信環境を構築することで動画のストリーミング再生やレコーダー映像のリモート再生に対応と、その歴史を振り返った。

 そして、次のテーマとして選んだのが「クルマのオンライン化」であり、それが実現することで「不便が便利に、退屈が楽しく、そして不可能が可能に」変わり、クルマの中は無限のエンターテインメントに生まれ変わると確信。2018年冬に“スマートフォンをクルマのメインユニットへ”というコンセプトで開発した「NVH-7500SC」、2019年冬に「ドコモインカーコネクト」に対応したサイバーナビ、2020年夏にはオンラインの価値を最大限に活用したディスプレイオーディオ、タブレットAVシステムを発売するなど、オンライン化を想定した商品をリリースすることで「今までの枠に縛られない新発想で魅力的なカーライフを幅広いお客さまにお届けしてきた」とコメント。

カーライフのエンタメ化を進めてきた歴史
クルマで移動している全ての人に最高のカーライフを
クルマのオンライン化を推進

 その一方で、カーナビやカーオーディオなどは車種によって装着できないという制約が必ず存在することから、今回の新商品となる車載専用Wi-Fiルーター DCT-WR100Dによりその問題を解決。「クルマで移動するより多くの人に最高のカーライフをお届けできると信じている」と述べた。

 商品を利用するためには本体の購入とドコモ イン カー コネクトの契約が必要となるものの、「煩わしい書類の準備」や「一般的な通信端末の契約にありがちな事務手数料や解約違約金」は一切発生しないと説明。さらにデータ通信は制限なく、そして全国エリアで快適に利用でき、同時接続台数が最大5台となっているため「ストリーミング動画や音楽、オンラインゲームといったさまざまなコンテンツをドライバーに限らず同乗者の皆さまがお楽しみいただけます」とメリットを紹介した。

 料金は2万5000円の本体と、1日プランの500円、30日プランの1500円、365日プランの1万2000円の3つの料金プランが準備されており、ニーズに合わせて契約が可能と説明。「365日プランを2年契約した場合のお支払いイメージとして、本体と2年契約で合計4万9000円、ひと月の実質負担額は2042円」と、クルマに限定することで一般的なWi-Fiルーターよりリーズナブルに利用できるとした。

 本体購入後は専門知識を必要とせず、「シガーソケットに同梱のシガー電源ケーブルを挿し、本体を固定設置するのみ」「クルマのエンジンと連動するためシームレスにWi-Fi接続が完了」と手軽さをアピール。また、本体はクルマ特有の車室内温度変化にも対応できるよう優れた耐熱性を実現しており、メーカー1年保証が付与されている点も安心感に繋がるとした。

車載専用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」
カーライフの新しいパートナー
カロッツェリアだからこそ実現できた車載専用Wi-Fiルーター
ネットワークとセンサー技術の融合で車載状態を検知
LTEデータ通信が使い放題
ニーズに合わせて選べる料金体系
2年契約の場合、機器を含めても月額約2000円
取り付け、起動もカンタン
車載用ならではの堅牢な本体設計
データ量が多い動画も気にせず楽しめる
ドライバーならストリーミングで高音質な音楽再生を
ちょっとした待ち時間も退屈知らずに
キーワードは「クルマWi-Fi」

サイバーナビ、楽ナビも2020年モデルに刷新

 そしてサイバーナビに関しては、2019年モデルから搭載された「ストリーミングビデオ」「レコーダーアクセス」「車内Wi-Fiスポット機能」「自動地図更新」「オンラインを活用した充実のエンターテインメント」を継承。さらに2020年モデルではレコーダーアクセス機能の対応機器に「ひかりTV対応チューナー」「ドコモテレビターミナル」を追加しており、「より多くのお客さまにご利用いただきたい」と述べた。

 ラインアップは「911シリーズ」として8モデルを発売し、9インチ、8インチ、7インチの各モデルを用意。オンラインを実現するネットワークスティック同梱モデルにはドコモ イン カー コネクト1年無料使用権を付与している。そのほか車種専用大画面6モデル、ハイエンドオーディオカーナビ「χシリーズ」を2モデル、ともに最新の地図を搭載してモデルチェンジを行なっている。

オンライン化が充実のエンターテインメントを実現
レコーダーアクセス機能を強化
2020年新型サイバーナビラインアップ
車種専用とχシリーズも刷新

 楽ナビは「お客さまから高い評価をいただいている」というHDMI入出力を搭載したモデルを拡充。スマートフォンやストリーミングメディアプレーヤーを接続してストリーミング動画を楽しんでいるユーザーが近年増加していることから、こちらも車載用Wi-Fiルーターを利用することで、「オンラインを活用したエンターテインメントを実現できる」と合わせて紹介。

 2020年モデルのラインアップは14モデルで、9インチモデルのデザインを一新したほか、HDMIやBluetoothなどメディア特化モデルを追加。機能面では「高精細と使いやすさに加え、安全・安心機能をさらに充実した」といい、新たに「速度超過防止警告」「逆走警告」に対応しているとした。

車載用Wi-Fiルーターとの組み合わせが楽しめるHDMI入出力対応モデルをラインアップ
2020年新型楽ナビラインアップ
安全・安心機能が充実

車内エンタメ化を実現するアイテムを多数発表

 近年需要が高まっているドライブレコーダーは、カーナビ連動2カメラタイプの「VREC-DS800DC」を用意。カーナビ本体での操作や録画した映像の確認が可能なことに加え、カメラにはソニー製CMOSセンサー「STARVIS」を採用することにより「夜間でもハッキリと録画可能」「カメラと本体にGセンサーをそれぞれ内蔵し走行中や駐車中といったシーンに応じた最適な録画が可能」とその特徴を述べた。

 オーディオ面では新たにパワードサブウーファー「TS-WX010A」を提案。これは従来のサブウーファーの重低音再生とは異なり低音の補強を行なう新発想のユニットで、「助手席足下に設置することで足下のコーナー音響効果で車室内の空気を振動させやすくサイズを超えた量感のある低音を実現する」という。フロントスピーカーとの音のつながりもよく、本体は業界最小サイズのコンパクト設計で取り付けはDIYで楽しみながら行なえるため、「昨今の純正スピーカーが交換できないクルマでもプラスして提案できる」と手軽さを紹介するとともに、「(同社のWebサイトで)体験できるのでぜひ聞いてみてください」とコメントした。

 そのほか、録画エラー対策として高耐久、高速化を実現したドライブレコーダー推奨microSDカード、スタンドアローンタイプのETC車載器「ND-ETC40」、10年振りに登場したハイエンドの「PRSスピーカー」を紹介し、「パイオニア カロッツェリアはクルマで移動する全ての人が最高のカーライフを送っていただくため、今後もさらなる楽しさに向かって突き進みます。ぜひご期待ください」と締めくくった。

カーナビ連動2カメラドライブレコーダー「VREC-DS800DC」
パワードサブウーハー「TS-WX010A」
ドライブレコーダーにピッタリのマイクロSDカードとETC2.0車載器
9月に発表済みの「PRSスピーカー」はハイエンド帯のモデル