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2022年2月24日発売のPS5版『アセットコルサ コンペティツィオーネ』のリアルすぎる部分を紹介
- 提供:
- 株式会社オーイズミ・アミュージオ
2021年12月22日 00:00
- 2022年2月24日 発売
2022年2月に発売されるPlayStation5版リアルレースシミュレーションゲーム『アセットコルサ コンペティツィオーネ』
家庭用コンピュータゲームのなかでもリアルさを追求しているレースゲームの人気は高いが、今回紹介する『アセットコルサ コンペティツィオーネ』はその最新作だ。
アセットコルサ コンペティツィオーネはイタリアのゲームメーカーの作品で、製作にあたっては欧州で人気のGT3マシンによるレース「GTワールドチャレンジ」の全面協力を受けているもの。
そのためGT3マシンやコースのみならず、セットアップのリアルな内容やレースを左右する天候の変化まで設定できるよう作り込まれているのが特徴で、そのゲームを日本のゲームパブリッシャー「オーイズミ・アミュージオ」が日本向けに仕立てて販売するものだ。
アセットコルサ コンペティツィオーネはPlayStation5/PlayStation4に対応、すでに発売されているPS4版に加えていよいよPS5版がオーイズミ・アミュージオより2022年2月24日に発売される。ジャンルはリアルレースシミュレーション、プレイ人数はオフライン時は1名で、オンラインでは2名~30名でのレースが可能。価格はパッケージ版が7128円(税込)、ダウンロード版が6480円(税込)となっている。
PS5版『アセットコルサ コンペティツィオーネ』をクルマ媒体目線でマニアックに紹介
今回はオーイズミ・アミュージオの協力により、発売前のゲーム(製品版に近いもの)をプレイさせてもらう機会を得たので、実際の画面を含めてアセットコルサ コンペティツィオーネの特徴を紹介していく。ただ、Car Watchはクルマ媒体だけにゲーム専門媒体とは違った目線で紹介したい。クルマに興味持つ人、クルマやレーシングカーに興味がある人が「面白そう」と思ってくれるところを中心に取り上げていこうと思う。
前記したようにアセットコルサ コンペティツィオーネはGT3レースシミュレーションゲームで、欧州で開催される「GTワールドチャレンジ」の公式ゲームとなっている。
そのためゲームに登場するチーム、クルマ、ドライバーはすべて実在のものであり、それを最新の技術でゲーム映像化しているので「リアル」という表現以外当てはまらないクオリティになっている。ちなみにゲームで使用するGT3マシンのサウンドについても実車から録音した音源をベースに作っているとのこと。
リアルレースゲームでの実車そっくりの映像は見るたびに「すごい」とは思うけど、見た目がそっくりであるのならクルマの特性も実車にあわせたリアルなものになってほしいと筆者はいつも思っていた。それがないときれいな映像を見ていても、もの足りなさを感じるのだが、その点についてアセットコルサ コンペティツィオーネはほかとは違うこだわりを見せる。
ゲーム内に登場するクルマは再現できる範囲で「そのクルマらしい特性」を持たせているのだ。そのためゲーム内でのクルマの選択は「乗ってみた」的な体験となるということ。これは興味深いところだろう。
メカ好きの人は見逃せないエンジニアゲーム的側面
アセットコルサ コンペティツィオーネで使用するGT3マシンはレース専用車であるから、速く走らせるためにはマシンのセットアップが必要だ。そこでこのゲームにも当然、その機能は組み込まれているのだけど内容はレースゲームという枠を超えた「超こだわり」のものとなっていた。
そこでここからはアセットコルサ コンペティツィオーネ最大の特徴とも言える「リアルすぎるクルマいじり」を紹介していこう。ただ、その前にひとつ断っておくと、アセットコルサ コンペティツィオーネはセットアップの機能が充実しているが、このゲームは設定を変更せずとも十分に楽しめるものである。だから「難しいゲーム」とは思わないでほしい。後述するがドライビングについてはむしろ「簡単」なのだ。ただ、やり込んでいくとこのゲームでしか体験できない面白さがあるので、ゲームを購入してしばらく遊んだあとは、ぜひセットアップを変えてみてほしい。
「タイヤ」の項目について
セットアップが変更できる項目は「タイヤ」「エレクトロニクス」「燃料&戦略」「メカニカルグリップ」「ダンパー」「空力」とあるがまずは「タイヤ」から内容を見ていこう。
この項目で大事なのはタイヤの空気圧だ。レース用タイヤの空気圧はグリップレベルやハンドリング、摩耗度合いに大きく関わるので設定はしっかり考えたいところ。
また、この項目ではタイヤの接地のさせ方を調整する「キャンバー」や「トー」「キャスター」と言ったアライメントも変えられる。こうした点は実在のGT3でもきめ細かく調整している部分で、ここの仕上がりはラップタイムに大きく影響する。ただし、キャンバーやトーはタイヤの接地面を車体の向きに対してかしげていくものなので、一部分のトレッド面に集中して荷重が掛かり、部分的な摩耗がおきやすい状態になる。
そこで、この画面ではタイヤのトレッド面を「インサイド」「センター」「アウトサイド」に分けて表面温度と摩耗状況を表示して、履いているタイヤとセットアップのバランスがあっているか確認できるようにもなっている。
「エレクトロニクス」の項目について
つぎにエレクトロニクスの項目。GT3マシンにはABSやトラクションコントロールが装備されていて、予選やレースでは走行状況に合わせて効きを調整している。
ここはアセットコルサ コンペティツィオーネでも変更が可能だ。ABSやトラクションコントロールなど電子制御の設定値を変更することでセットアップの方向性を広く探れるが、この手の電子制御の介入度合いを下げるとタイヤの負担が増えて摩耗が進む傾向なのだけど、それすらも再現するゲームなのでエレクトロニクスの設定変更も簡単ではない。
また、エンジンパフォーマンスに関わるECU内マップの数値も単に速い遅いだけでなく出力特性や燃費などを考慮した変更ができるようなので、燃費とパフォーマンスのバランスが特に重要な耐久レースでは勝敗のカギを握る部分になるだろう。
「燃料&戦略」の項目について
「燃料&戦略」という項目は給油やタイヤ交換が必要になるレースで効果を発揮するところ。スタート時の燃料搭載量や履くタイヤの特性(いわゆるコンパウンドの種類)を決めるだけでなく、レース中のピット作業で使用する交換用タイヤの特性や空気圧なども設定できる。
ここで戦略が当たればピットストップ後に大きく巻き返しするドラマチックな展開になるかもしれないし、反対に順位を落としてしまうこともあるだろう。実際のレースでも状況が大きく動くのはピット作業時とピットアウト後のラップなのでここの設定をするときはしっかりとアタマを使い、勝てる戦略を練っていきたい。それにしてもピットインできるレースゲームはほかにもあるが、これだけの内容を持つのはアセットコルサ コンペティツィオーネだけだろう。
「メカニカルグリップ」の項目について
続いて「メカニカルグリップ」の項目だが、ここはいわゆるサスペンションセットアップを行なうところになっている。
でも、ここまで読んでいれば分かるように、このゲームのセットアップ変更の内容はマニアック。それだけにサスペンションセットアップも同様に凝ったものになっていた。
ふつうのレースゲームではダンパーの特性はハードかソフトを選ぶもので、そこで選んだ設定はダンパーの動きすべてに影響するものだ。
しかし、GT3マシンに使うダンパーはバンプ(縮み側)リバウンド(伸び側)の減衰力がそれぞれ別で設定できるものとなっている。そこでGT3マシンを再現するアセットコルサ コンペティツィオーネではダンパーのセットもバンプ、リバウンド別で調整する仕様である。
また「ファストバンプ」「ファストリバウンド」という項目もあるが、これは例えばステアリングを急に切ったり、ギャップを越えたりした際、ダンパー内のピストンが早く動いたときの減衰力特性を変えられるものなので、コースによってはここのセットが重要になることもあるし、ドライバーの乗り方(ステアリングの操作法など)にあわせるような使い方もできる。
さらに減衰力だけでなくホイールレート(スプリングレートのこと)やアンチロールバー(スタビライザー)のレート変更、キャンバーやトー変更もできるものだ。
ただ、これだけ細かい設定は実車でサーキット走行をしている人やワンメイクレースに出ている人であっても使いこなすのは難しいと思う。とはいえこれだけの機能を実車で試すことはまず無理なので、時間を掛けてでも詰めていきたいところだ。
「空力」の項目について
項目には空力に関わるものもある。ここではウイングの角度だけでなく車高も変えられる。GT3マシンのような空力を詰めた作りでは、車高を変えることでフロア下を流れる風が生む負圧で「吸い付ける効果」の度合いを変えられるが、アセットコルサ コンペティツィオーネはそれすらも設定できるようだ。これは設定画面にある「前部の抑え角の変更」という文言から読み取れる。
セットアップできる内容はザッとこんなところ。一般的にレースゲームの紹介記事では「レースのプレイ画面」から入るものだが、アセットコルサ コンペティツィオーネはとにかくセットアップの内容がすごいのでコチラを優先したが、リアルなレースを味わいたいなら「セットアップに徹底的に凝ることができる」のは大きなポイントだと思う。
筆者は数年前にSUPER GTに参戦しているGT300の34号車(当時はModulo KENWOOD NSX GT3)に1年間密着させてもらっていた。レース期間は主にピットにいさせてもらったが、そこで印象に残っているのがエンジニアやメカニックの姿。
プラクティスや予選後、エンジニアが遅い時間まで机やPCに向かっていろいろな計算をしていた。
それをまとめてメカニックに指示をすると、メカニックはそれぞれ担当部位で黙々と作業をする。見た目になにかが変わるわけではないが、作業を終えたマシンはどこかすごみを増したように見えた。そしてドライバーが走らせてタイムアップというシーンを何度も見てきた。
このことからレーシングカーの「セットアップの仕上げ方」にとても興味を持ったし、魅力を感じていただけに、ピットの中で行なわれていた「知る人ぞ知る」的なセットアップ作業を体験できるアセットコルサ コンペティツィオーネには本気で感心。リアルなレースゲームを楽しみたいのならば「レーシングエンジニアゲーム」とも言えるアセットコルサ コンペティツィオーネがベターではないかと思うのだった。
ドライビングサポート機能によりビギナーでも走りが楽しめる
でも、いくらセットアップに凝れたとしても、かんじんのドライブがうまくできないことには効果を試しようがない。そんなことではゲームへの魅力も薄れ、興味もしぼんでいく。
これがレースゲームすべてに言える一種の「ハードル」だが、アセットコルサ コンペティツィオーネではドライビングビギナーでもドライブが楽しめるよう、さまざまなサポートが用意されているのでその点も紹介していこう。
トランスミッションがATになるのはもちろんのこと、特筆する機能としてカウンターステアを自動で当ててくれるサポートがある。
レースゲームにおいてのカウンターステアは当てる量の加減が難しいので、標準コントローラーではなくてハンドル型コントローラーが欲しいと思うところ。でも、その設備投資も置き場の確保もレースゲームのハードルだ。
ところがカウンターステアのアシストがある(設定で使わないようにもできる)ため、PlayStation5付属のコントローラーであってもカウンターステアで困ることはない。これはゲームを進めるうえでメリットが大きいだけでなく、ハンドル型を持っていないなどの理由から「レースゲームはねぇ」と思っていた人にとって、自らにあった制限を突破できる機能なのだ。
レースゲーム好き編集部スタッフによるアセットコルサ コンペティツィオーネ体験
Car Watch編集部にはレースゲームの海外大会に招待され、メディア部門で上位の成績を残したスタッフもいる。なお、大会ではF1ドライバーのルイス・ハミルトンとも走ったらしい。そんなガチなプレーヤーにアセットコルサ コンペティツィオーネをプレイしてもらい感想を聞いてみた。
試遊環境はシンプルにPlayStation5の標準コントローラーとPC用モニター。ごくふつうの会議室用テーブルとイスでのプレイとした。
まずはレースゲームにおいて最初に気になるレース中の画面だが、アセットコルサ コンペティツィオーネは現在のリアルレースゲームで標準となっている60FPSとしているので、十分に滑らかな描写となっている。加えて迫力のある4Kビジュアルの画質なので映像に関しては言うことがないくらいキレイ。
また、リアルレースゲームでは実車同様にドライブ中の目線を遠くに置くのだけど、編集部スタッフ椿山によると映像が繊細であればそういう見方が自然にできるし、アセットコルサ コンペティツィオーネもそうであるとのこと。レースゲームにおいて映像がきれいでなめらかというのは、単なる見え方ではなくて、ドライブしやすさに直結する性能と言えるのだ。
クルマの挙動に関しても再現性が高いとの評価だった。今回は何車種かドライブしたが、そのなかでも編集部スタッフ椿山がポルシェをドライブしたときに「ステアリングコントローラーじゃなくて、標準コントローラーで操作していても、クルマの挙動が感じられてポルシェって分かりますね」というコメントが出た。
前記したようにアセットコルサ コンペティツィオーネは登場するクルマの特性も登場車種のデータに組み込んでいる。それは、ゲームパッドで操作していても、それぞれのクルマの違いを体験できたと言うことだろう。
セットアップ変更も試してみた。初めてのプレイで細かい差を見極めるのは難しいという予想から、変化が分かりやすそうなリアウイングの設定を変えてみたところ明らかに挙動が変化。
タイヤのグリップがある範囲での加速力のよさやトップスピード向上はしたが、高速コーナーでのリアの安定度が低下し、コーナー立ち上がりではトラクションが掛かりにくいようでホイールスピンやスライドが出る。そして立ち上がり加速が鈍った。
それにホイールスピンが増えたせいか、タイヤ摩耗の度合いが進んでいたしタイヤ表面温度の上がりも不均一で内圧も上がっていたようだ。そのためこのまま走り続けると「タイヤが終わる」という展開が見えた。
こうしたことから見て、アセットコルサ コンペティツィオーネはAIや対戦でのレースを楽しむだけでなくて、フリープラクティスを使ってのセットアップの煮詰め、そして予選アタック(シングルプレイ)といったレースウイークで言うところの「金曜から土曜の走りを極める」という走らせ方を、とことん追ってみるのも面白そうだ。
以上が「アセットコルサ コンペティツィオーネならでは」と言える機能の紹介。読んでもらって分かるよう、リアルレースゲームであると同時にレースカーの速さを機械的な面から引き出していく「レーシングエンジニアゲーム」とも言えるもの。
それだけに「街を作っていくゲーム」や「キャラクター育成ゲーム」のような感覚でクルマを仕上げて行くというスタイルの遊びもできてしまうだろう。だからこそレースゲームをやったことがないとか、やったけど性にあわなかったという人にはアセットコルサ コンペティツィオーネをぜひプレイしてもらいたい。きっと気に入るはずだ。
Photo:中島仁菜
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