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D-SPORTがコペン用サスペンションキットを新たに開発! 街乗りから高速道路までその完成度を確認してみた

2026年4月中旬 発売
24万2000円
D-SPORTの新作「AF-STREET サスペンションキット」が間もなく発売される

コペンの進化は、止まらない!

 ダイハツ車向けカスタマイズパーツブランドであるD-SPORTが、コペン(LA400K/A)用の新たな車高調整式サスペンションシステム「AF-STREET サスペンションキット」を4月中旬にリリースする。価格は24万2000円。

 D-SPORTのコペン用サスペンションキットといえば、筆者もインプレッションした「S-SPECサスペンションキット」がある。AF-STREET サスペンションキットは、その後継となるモデルであり、装い新たにスペックも乗り味も磨き上げられているという。

D-SPORTの新作「AF-STREET サスペンションキット」。新たに「スタビライザーリンク」も付属しており、車高を下げても最適なロール抑制効果を発揮してくれる

 その核となるダンパーは、これまで同様にモノチューブ(単筒式)構造を採用しながらも、減衰力調整機構が24段から36段式へとさらに細かく調整できるようになった。減衰力の可変をダンパートップで行なえることからも分かるとおり、マウントの方式は正立式。機構的には伸縮同時調整の1WAYタイプだ。

 フロントストラットのケース構造には、引き続き全長調整式が採用され、車高とスプリングのプリロードが別々に調整できる仕組みとなっている。

 また別体式となるリアスプリングには、車高調整用のアダプターが用意されている。

全長調整式なので狙った乗り味のまま車高を調整可能
減衰力調整は前後とも36段あり、自分好みの乗り味にセットできる
フロント装着状態
リア装着状態

 その名前にもあるように、AF-STREET サスペンションキットのターゲットは一般道。コペンらしい走りの楽しさを追求しながらも、常用域での快適性との両立を目指してその開発が行なわれた。

 これを象徴するパーツとしては、強化ラバーマウントの採用が挙げられる。従来のキットはピロアッパーを採用していたが、これによってストリートでの快適性と耐久性が高められた。また純正マウントよりもコンプライアンスを高めることで、スポーティなハンドリングバランスが得られているという。

 ロール量と乗り心地を左右するスプリングレートは、フロント34.3N/mm(3.5kgf/mm)、リア29.4N/mm(3.0kgf/mm)の組み合わせ。従来品である「S-SPECサスペンションキット」のスプリングレートが、現行コペン(LA400K/A)用でフロント58.8N/mm(6.0kgf/mm)、リア34.3N/mm(3.5kgf/mm)だから、特にフロントがソフトになっている形だ。

ノーマルサスペンションのコペンGR SPORT
D-SPORTの新作「AF-STREET サスペンションキット」を装着したコペンGR SPORT

 車高のダウン量は、フロントが15mm、リアは10mmと知的な下げ幅。コペンは元々の最低地上高が110mmとかなり低いため、ロードクリアランスや法規的な最低地上高を確保しながらスタイリングを引き締める値としては、とてもよく考えられた下げ幅だといえるだろう。

 そしてこの下げ幅に対しては、専用スタビリンク(固定式)を用意することで純正スタビライザーの取り付け位置を補正。スタビライザーが持つロール抑制効果を損なわない配慮がなされている。

新製品の特徴を解説してくださったSPK株式会社 CUSPA営業本部 営業推進部 商品企画課の鳥飼誠氏

ということで、さっそく試乗!

 試乗車は現行「GR SPORT」のCVTで、ここにD-SPORTのパーツを中心としたファインチューンがなされていた。特にボンネットを中心に展開するエアロパーツは、低く構えたそのスタイリングを引き立ててマッチングしていた。

試乗車のコペンGR SPORTは、新作サスペンションキットのほかにもD-SPORTの「エアロボンネット」「フロントロアスカート」「サイドスカート」「ノーズガーニッシュ(フルカーボン)」「RGスポイラー(カーボン+FRP)」「エアロワイパーブレード」「レインドリップモール」「トランクスポイラー(CFRP)」などを装着
「貫通六角ナット」「D-SPORT×FUJITSUBOマフラー(ポリッシュテール)」「キャリパーキット」も装着している
エンジンルーム内は新製品の「タワーバー」のほか、「スーパークーリングラジエター」「レーシングインタークーラー」「ブレーキマスターシリンダーストッパー」「インテークホースキット」「ラジエターキャップ(1.3kgf)」「スーパーラジエターホース」「バッテリークランプ」を装着

 今回の試乗は、横浜港シンボルタワーをベースに、周辺道路を試乗。減衰力はおすすめの設定値であるフロント20段戻し&リア24段戻しからスタートした。

 まず体感できたのは、しなやかなダンパーの動きだ。オープントップのボディ、トーションビームのリアサス形状というコペンの構造に対して、足まわりを硬め過ぎないのは正解。路面の凹凸に対してタイヤがバネ下で素直に上下しているのが分かる。

 また、横浜港の周辺道路はトラックの往来も多く、路面も荒れたところが多い。そんな状況でもAF-STREET サスペンションは段差で素直に縮み、陥没でもスッと伸びる。車体自体の剛性や取り付け強度の関係から、完全にはこうした入力を減衰しきれてはいないけれど、ガツン! と底突きするようなことはない。

AF-STREET サスペンションキットは、しなやかなダンパーの動きが特徴的だ

 気になるハンドリングは、とても穏やかだった。試乗車はスポーティなルックスをしているけれど、コペン本来のゆったりとしたオープンエアモータリングを楽しめることも再認識できた。

 そしてここから減衰力を締め上げていくと、キビキビとしたハンドリングが得られる。

 減衰力はその変化幅を見るために、前後で10段ずつアップ。フロント10段戻し&リア12段戻しで走らせてみると、操舵応答性が増して、特に連続するカーブでの切り返しがリズミカルになった。それに伴って硬さも出るが、モノチューブダンパーから想像する、ガス圧による反発がないのは乗りやすかった。

 また、伸び側主体に固められているから突き上げも少ない。段差ではドスッと落ちるが、タイヤのエアボリュームがこれを上手に吸収していたのも印象的。これならミニサーキットを走らせても、適度なロールを保って楽しく走れそうだ。

ハンドリング特性はとても穏やかな印象

 個人的にはこの中間くらいに最適解がありそうだと感じたが、ともあれ柔らかめに走らせても応答性がほどよくあり、固めても乗り心地がひどくならないのは、ラバーの強化アッパーマウントやノーマルスタビの補正を含め、トータルバランスが取られているからだろう。

 加えて車高調のメリットを活かせば前後バランスを変更できるから、好みのハンドリングを探していける楽しさがある。車高調といえばハードな使い方ばかりをイメージしがちだが、低いスプリングレートで、こうした機能を使い込んでいけるのは、とても大人っぽい楽しみ方である。

減衰力と車高を調整できるから、自分好みの乗り味をトコトン追求するのもオモシロイだろう

高速巡航も試してみた

 低重心かつ適度に引き締められた足まわりと、ハードトップの組み合わせはなかなかに快適で、直進性も高く、これなら遠出もできそうだと感じた。試乗車はレーシングインタークーラーを装着し、FUJITSUBO製のオリジナルマフラーも装着した上で、ECUでファインチューンもされていたから、加速も伸びがいい。なおかつブレーキにはマスターシリンダーストッパーも備えるそつのなさだったから、とても気持ちよく高速道路を走れた。

試乗したデモカーはD-SPORTのチューニングパーツでノーマルよりもパワーがあり、高速巡行も快適

 それにしても、コペンは楽しい。次期型はFR化が話題を呼んでいるけれど、FFでもその魅力がまったく色褪せないのは、この類いまれな小ささと、車重870kg(CVT車)という軽さのおかげだろう。

 まるでそれは、クラシックミニを思い出させる軽快さだ。さらにコペンはオープンエアモータリングまで楽しめるのだから、ワクワクしないわけがない! そんなコペンのパーツを、今なお本気で開発し続けるD-SPORTのやる気には、ひとりのクルマ好きとしてとても嬉しくさせられた。

D-SPORTが本気で開発するパーツでさらにワクワクするコペンになる

 最後に、取材時で同席していたレーシングドライバーの冨林勇佑選手に感想を聞いてみたところ、「コペン GR SPORTは市販車としてとても素性のよいモデルですが、そのよさを損なわずに正常進化できている足まわりでした。ハンドリングはダイレクト感がより増していましたし、その上できちんと乗り心地が保たれている。よい意味で車高調の硬さはあるものの、ダンパーの衝撃吸収性が高く、乗っていて快適でした。コペンはその軽さやディメンジョンのよさから、FR車やミッドシップ車かと思うくらいフロントの回頭性がいいクルマなのですが、そのよさを引き出した足まわりになっていますね。コペンは軽自動車なので排気量は小さいけれど、試乗車はECUマッピングでターボの瞬発力や追従性を引き出しているのもよかったです」とコメントしてくださった。サスペンションキットはもちろんだが、デモカー全体の完成度を高く評価していた。

Photo:高橋 学