東京オートサロン2013
フィアットクライスラージャパン、新型「アバルト595シリーズ」やクライスラー「SRT」ブランドの新型発表
「アバルト595コンペティツィオーネ」「アバルト 695 エディツィオーネ マセラティ」
(2013/1/11 19:02)
フィアット クライスラー ジャパンはオートサロンにおいて、「アバルト」と「SRT」の2ブースを展開した。それぞれフィアットとクライスラーのパフォーマンスカーブランドとなるもので、各々がプレスカンファレンスで新型車を発表した。
アバルトは新型「500」「595シリーズ」「アバルト 695 エディツィオーネ マセラティ」を発表
アバルトでは「アバルト500」のラインアップを刷新、「アバルト500」の新型と、「アバルト595ツーリズモ」「アバルト595Cツーリズモ」「アバルト595コンペティツィオーネ」、さらに限定車として「アバルト695エディツィオーネ マセラティ」の5車種を発表した。
そのうち「アバルト595コンペティツィオーネ」と「アバルト 695 エディツィオーネ マセラティ」の2台が、ブースでアンベールされた。
「アバルト500」の新型は、従来のアバルト500の走りに関わる仕様や装備を継承しながら、ファブリックシートやマニュアルエアコンの採用といった装備見直しで価格を引き下げたもの。価格は前モデルから30万円減の269万円。
アバルト595シリーズの3車種は、アバルト500にATを導入し、よりアバルトのユーザーを拡大するために投入されたもの。5速セミオートマチックトランスミッションを搭載し、エンジンはアバルト500にエッセエッセキットを装着した従来モデルと同様の160PSにパワーアップしている。
その中でもレザーシートを標準装備し、快適で上質感あふれるインテリアとアバルトならではのスポーツ性能を融合した「アバルト595ツーリズモ」(319万円)と、そのカブリオレタイプ「アバルト595Cツーリズモ」(349万円)、サベルト製のレザーアルカンタラのフルバケットシート、アバルトの可変エクゾーストシステム「レコードモンツァ」を装備し、アバルトのレーシングスピリットを具現化した「アバルト595コンペティツィオーネ」(339万円)の3タイプを用意した。
また、限定車となる「アバルト 695 エディツィオーネ マセラティ」は、アバルト500Cをベースにチューニングを施したもの。マセラティとのコラボレーションにより、エレガントさとスポーティさを凝縮したと言う。世界限定499台のうち、100台が日本に割り当てられる。
エクステリアが最大の特徴で、マセラティのポンテベッキオ ボルドーと名付けられた深いワインのようなカラーを採用。インテリアはサンドベージュのレザーシート、JBL製のオーディオ、さらにホイールはマセラティのエンブレムのトライデントをモチーフとした専用の17インチアルミホイールを装着する。
「アバルト 695 エディツィオーネ マセラティ」は、以前登場した「アバルト 695 トリブート フェラーリ」に次ぐモデルとなり、エンジンは同様の直列4気筒1.4リッターターボを搭載し、180PSの最高出力と25.5kgmの最大トルクを得て、トランスミッションはATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション「アバルト コンペティツィオーネ」を採用する。価格は「アバルト 695 トリブート フェラーリ」よりも安い499万円となる。
フィアット クライスラー ジャパンの海谷博樹プロダクトマネージャーによれば、「国内市場においては、MT専用仕様では大きな制約があったのは事実。多くのお客様からアバルト500Cと同様のセミオートマ仕様が待望されていた」と、595シリーズの投入理由を説明。「より幅広い層のお客様にアプローチし、ニッチブランドからの脱却とビジネスの拡大を目指す」と目標が語られた。
また、アバルトブランドについては、フィアット クライスラー ジャパンのポンタス ヘグストロム社長が「日本では2009年にアバルトブランドを紹介、これまでがファーストステージなら今日からはセカンドステージ、販売ネットワークを強化し、2013年内に9店舗を開店して合計13店舗の体制にする。まずは明日、名古屋市天白区、東京都世田谷区に2店舗がオープンする」と、積極的に展開することを明らかにした。
ヘグストロム社長はさらに、「2012年のアルファロメオの成長を考えると、2013年はアバルトもそれに続くと考えている」とし、アバルトブランドの成長に自信を見せた。
スーパー耐久シリーズにアバルトで参戦
プレスカンファレンスでは、アバルトのレース専用車「アバルト695アセットコルセ」を用い、スーパー耐久シリーズに参戦することも発表された。
これは参戦予定のチーム「museo cinquecento racing term」をサポートするもので、ドライバーとしてアバルトドライビング ファン スクールの講師でもある福山英朗氏と桧井保孝氏、さらに大文字賢浩氏の3名が参戦する。
監督を兼任する福山氏は「アバルトのクルマの軽快な動き、スパルタンな情熱、高い車体剛性を感じてきた。それを使って日本のレースに挑戦し、アバルトの優秀性をアピールし、皆さんに走りを楽しんでいただく活動につなげたい」と語り、初年度の目標として「成績よりも初年度は、ファンの皆さまと一緒に楽しんで走る、喜びをともにするレース活動にしたい」と抱負を語った。
クライスラーのパフォーマンスブランド「SRT」の新型を発表
アバルトに隣接する「SRT」のブースでも新型車が発表された。
「SRT」はクライスラーの最高のパフォーマンスカーを開発・販売するブランドで、「Street and Racing Technology」の頭文字をとったもの。2002年に初めてSRTの名称が登場し、最高グレードを示すものとして使われていたが、2011年にクライスラーグループの中で独自のブランドとして昇格した。
特徴としては(1)驚愕のパワートレーン、(2)卓越したライド、ハンドリングおよび機能性、(3)ベンチマークとなっているブレーキ性能、(4)アグレッシブさと機能性を兼ね備えたエクステリア、(5)レースからインスピレーションを得たハイパフォーマンス・インテリアの5つのパフォーマンス指標から開発されている。
ヘグストロム社長はSRTについてさらに説明を加え、「イタリアの豪華なスポーツカーとは異なり、比較的買いやすい価格であること、これこそがSRTを真の民主的なスポーツカーブランドとしている」と述べ、その要素はアバルトと同じだとした。
今回発表されたのは、「ジープ・グランドチェロキー SRT8」(688万円)、「ジープ・グランドチェロキー SRT8 アルパイン」(698万円)、「ジープ・グランドチェロキー SRT8 ベイパー」(698万円)、「クライスラー・300 SRT8」(638万円)の4車種。
「ジープ・グランドチェロキー SRT8」はすでに1月から発売しているが、そのほかのモデルは3月2日から販売開始する。
「ジープ・グランドチェロキー SRT8」は、排気量を従来よりも拡大したV型8気筒6.4リッターエンジンを搭載、半球型の燃焼室や気筒あたり2本のプラグを備えたデュアルイグニッション、可変バルブタイミングを装備している。最高出力は344kW(468PS)/6250rpm、最大トルクは624Nm(63.6kgm)/4100rpmを発生する。
また、「ジープ・グランドチェロキー SRT8 アルパイン」は、「ジープ・グランドチェロキー SRT8」にホワイトのボディーカラーを与えた限定車、「ジープ・グランドチェロキー SRT8 ベイパー」はブラックの限定車となる。
「クライスラー・300 SRT8」は、「クライスラー・300」がベースでV型8気筒6.4リッターエンジンを搭載、最高出力は347kW(472PS)/6100rpm、最大トルクは631Nm/4150rpmを発生。ポルトローナ・フラウのレザーインテリアや、Harman Kardonの19スピーカーオーディオなどを装備したラグジュアリースポーツカーとなっている。