【2014ジュネーブショー】

ランボルギーニ、ガヤルドの後継モデル「ウラカン LP610-4」を初公開

新型V型10気筒5.2リッターエンジンは610HPを発生

2014年3月6日~16日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

 ランボルギーニは、ジュネーブショーで「ガヤルド」の後継モデルとなる「ウラカン LP610-4」のワールドプレミアを行った。

 10年間で1万4022台を販売したという、ランボルギーニの歴史でもっとも成功を収めたのがガヤルドだった。そのガヤルドも、2013年11月に最後の1台が工場から出荷され、10年の歴史に終止符を打った。このガヤルドの後継モデルとなるのが今回発表されたウラカンだ。2014年1月からVIP顧客を対象にしたプライベート・プレビュー・ツアーを開催していて、すでの700台以上の受注を受けているという。

 ボディーサイズは4459×1924×1165mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2620mm。全高はガヤルドと同様だが、全長、全幅、ホイールベースともに若干だがサイズアップしている。流れるようなフォルムのエクステリアはシルエットを定義することから始めたといい、フロントバンパーの尖端からフェンダーとAピラーを通り、リアエンドまで1本のラインで繋がれているのが特徴になる。

 ボディーシェルには、ランボルギーニが長年に渡り素材として使ってきた超軽量炭素繊維強化ポリマー(CFRP)とアルミニウムを使い分けたハイブリッドシャシーを用いている。シートまわりのモノコックやエンジン上部でクロスされた補強パーツなどもCFRP製となっている。より多くの部分で軽量かつ高剛性なCFRPを使うことで、シャシーは200kg以下という重量で仕上げられている。

 エンジンは新開発のV型10気筒5.2リッターで、最高出力610HP、最大トルク560Nmを発生する。トルクカーブは6500rpmでピークを迎え、8000rpmを超えてもパワーが持続するとしている。0-100km/h加速は3.2秒、0-200km/hは9.9秒、トップスピードは325km/hをマークする。燃費性能も向上していて、12.5L/100kmという数値はガヤルド LP560-4比で11%向上している。

 新V10エンジンに採用された技術として挙げられるのが「イニエツィオーネ・ディレッタ・ストラティフィカータ」と呼ばれる二元燃料噴射になる。アイドリング時や高負荷、高回転域ではコモンレールから180barという高圧の燃料が燃焼室に直噴される。一方の低負荷時では、インテークマニホールドに燃料を噴射するというポート噴射を実施。こうした燃料噴射を行うことで、12.7という圧縮比を達成させることを可能にし、高効率化とハイパワーを両立している。トランスミッションは7速デュアルクラッチ。エンジン後端に設置されていて、全長は60cm以下と非常にコンパクトになっている。

 新たに発表された新型ウラカンは、ガヤルドに引き続きスーパースポーツカーセグメントに金字塔を打ち立てる存在になりうるスペックを備えている。

ワールドプレミアされた新型ウラカン。攻撃的なシルエットが特徴で、新設計されたV10エンジンを搭載。ライト類はフルLED化されている
20インチホイールにフロント245/30 ZR20、リア305/30 ZR20のピレリタイヤを装着
V10エンジンは別に設けたタンクからオイルを潤滑させるドライサンプ式を採用。そのため全高が小さく、なおかつ低い位置への搭載を可能にしている
ステアリングの後ろに12.3インチのTFTパネルを設置していて、多くの情報を集約して表示できる。ドライブモード、ナビモード、インフォテイメントモードの3種類に切り替えることが可能で、走行状況によって任意に選択する。インテリアカラーはツートーンを採用。9色から選ぶことができ、レザーオプションも用意する

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。