東京モーターショー2015

プジョー、「308 GTi by PEUGEOT SPORT」を日本初公開。レースモデルの308 Racing Cupの開発も言及

日本初導入のディーゼルモデル「508 GT」やデザインとパワートレーンを刷新した「208 Allure」も展示

2015年10月30日~11月8日一般公開

日本初公開の「308 GTi by PEUGEOT SPORT」を紹介するプジョーブランド マーケティング&コミュニケーション・ディレクター ギヨーム・コーズィー氏
プジョーブース全景。日本初公開の「308 GTi by PEUGEOT SPORT」をメインに、「508 GT」など全5車種が並ぶ

 プジョー・シトロエン・ジャポンは10月28日、「第44回東京モーターショー2015」の会場で「308 GTi by PEUGEOT SPORT(プジョー・スポール)」を日本初公開。また、2.0リッター BlueHDiディーゼルエンジンを搭載する「508 GT」をはじめとした5台を西1ホールのプジョーブースで展示している。

プジョーブース。手前側から「208 Allure」「2008 LEATHER EDITION」「308 SW GT Line」が並んでいる
プジョーはブランドスローガンとして「MOTION&EMOTION」を掲げている。常に最先端技術にこだわり動き続け、感動を与えるドライビングを目指す。女性の後方にある車両は日本初公開の「508 GT」
プジョーブランド マーケティング&コミュニケーション・ディレクター ギヨーム・コーズィー氏

 プレスブリーフィングでは、プジョーブランド マーケティング&コミュニケーション・ディレクターのギヨーム・コーズィー氏がベールをかけられた308 GTi by PEUGEOT SPORTの前に立ち、「今回展示の車両はプジョーの特徴をすべて反映しています。それは、妥協しないクオリティ、先進的なデザイン、直感的なドライビングです。新しい208は、3年前に販売を開始した208より高級感を高め、生まれ変わりました。アクティブシティブレーキ、パークアシストといった装備を加えています。新たに搭載した1.2リッターPureTechエンジンは、CO2排出量を最大25%カットし、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2015に輝いています。508 GTのBlueHDiディーゼルエンジンでは、NOxを最大90%削減し、粒子状物質を最大99.9%除去。先代モデルと比べてCO2排出量を最大13%削減します。新しいEAT6はフリクションを50%低減し、シフトレスポンスを40%短縮しています」と解説。

「これらにより、プジョーは欧州有数のCO2低排出量のメーカーという評価を頂いていて、プジョーのトレードマークであるエキサイティングなドライビングを実現するために、高い効率性を継続的に追求していきます。308 GTi by PEUGEOT SPORTでプジョー・スポールがチューニングを手がけるということは、究極のホットハッチとして高い要求を満たすスペックを実現するということです。パワーウエイトレシオはカテゴリーで最高レベルです。エキサイティングなドライビングを約束します。優れた環境効率を受け継ぎ、139gというカテゴリ最高レベルのCO2削減を実現しています。また、308 GTiをベースとして、レーシングカーである308 Racing Cupも開発しています。RCZ Racing Cupの後継車として、2016年後半に発売を予定しています」と出展車を紹介。続けて、308 GTi by PEUGEOT SPORTをアンベールし、その姿をお披露目した。

ベールがかけられた308 GTi by PEUGEOT SPORTの前で展示内容を解説するコーズィー氏
308 GTi by PEUGEOT SPORTのベールが外された

308 GTi by PEUGEOT SPORT(市販予定車)

 308 GTi by PEUGEOT SPORTは、9月に行われたフランクフルトモーターショーで発表されているが、日本国内では初の公開となる。プジョーのモータースポーツ部門となるプジョー・スポールが細部にわたってチューニングを施し、プジョーの量販車で最もパワフルなホットハッチモデルとなっている。最高出力199kW(270PS)/6000rpm、最大トルク330Nm/1900-5000rpm(スペックは欧州仕様値)を発生する直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジンを搭載。トランスミッションは6速MTで左ハンドル仕様。専用サスペンションと19インチホイール、トルセン・ディファレンシャル(LSD)、フルバケットシートを採用している。ボディーペイントは大胆な2トーンで「クープ・フランシュ」と呼ばれるもの。アルティメイト・レッドとベルラ・ネラ・ブラックでボディーの前後を塗り分けている。市販予定車だが、価格は未定。

308 GTi by PEUGEOT SPORT。大胆な2トーン「クープ・フランシュ」で屋根までボディーが塗り分けられている
ヘッドライトユニットの上側にLEDがアクセントとして設定されている
バンパーのアンダーグリルにバー型のLEDドライビングライトを設定
ドアミラーにLEDウインカーを内蔵する
リアバンパーの下側はディフューザー形状。マフラーは2本出し
マフラーエンドのアップ
リアコンビネーションランプは流れるようなデザイン
スポーツモデルの証しとなる「GTi」エンブレム
鋭角なデザインのホイール。タイヤサイズは235/35 R19
PEUGEOT SPORTのロゴが入る赤いブレーキキャリパー
タイヤはミシュラン Pilot Super Sport
運転席は左ハンドル仕様。レッドステッチが目立つ
6速マニュアルトランスミッションのシフトレバー
シートはフルバケットタイプ。PEUGEOT SPORTのロゴが入る
ステアリングにも「GTi」ロゴを装着
最高出力199kW(270PS)/6000rpm、最大トルク330Nm/1900-5000rpm(スペックは欧州仕様値)を発生する直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジンを搭載
ラゲッジスペースの容量も十分にある

508 GT(市販予定車)

 508 GTは、プジョーとして日本初導入となるディーゼルモデル。直列4気筒DOHC 2.0リッターターボで最高出力180PS/3750rpm、最大トルク400Nm/2000rpm(スペックは欧州仕様値)のパワフルなBlueHDiディーゼルエンジンを搭載し、スポーティなルックスながらラグジュアリーな快適さを重視したプジョーのフラグシップモデル。フルLEDライトや7インチタッチスクリーンを備え、上級グレードのGriffeでは最高級のナッパレザーを採用する。市販予定車だが、こちらも価格は未定。

508 GT。ボディーカラーはパール・ホワイト
ヘッドライトはフルLEDタイプ。複雑な形状となっている
フロントバンパーに設定されたドライビングランプ
リアコンビネーションランプは上品なデザイン
リアバンパーのアンダーガーニッシュ。スクエアな2本出しマフラーが埋め込まれる
フロントフェンダー後方の「GT」エンブレム
有機的なデザインのホイール。タイヤサイズは235/40 R19
タイヤはコンチネンタル Conti Sport Contact 3
508 GTのインパネ
メーターパネルはオーソドックスな位置にある
トランスミッションは6速ATを採用
7インチタッチスクリーンは下側に設置されたボタンでも操作できる
メーターパネル
パーキングブレーキは電気式を採用する
ドアトリムのアームレスト周辺
シートにはレッドステッチが入る
電動パワーシートを採用している
フロントドアウインドーに三角窓を用意する
後部座席中央のユーティリティ。シガーソケットも備えている
トランクは広い
直列4気筒DOHC 2.0リッターターボのBlueHDiディーゼルエンジンは最高出力180PS/3750rpm、最大トルク400Nm/2000rpmを発生

308 SW GT Line(市販車)

 308 SW GT Lineは、専用のフロントグリルやサイドスカート、18インチアロイホイールなどを装備してスポーティなイメージを引き立てるエクステリアと、レッドステッチをあしらった上質なインテリアが特徴のステーションワゴン。

 新世代の直列3気筒1.2リッターターボ「PureTech」エンジンを搭載し、6速AT「EAT6」を組み合わせる。エンジンは最高出力96kW(130PS)/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpmを発生。価格はスタンダードモデルの「308 SW Premium」から33万8000円高の338万8000円とアナウンスされているが、展示車はパノラミックガラスルーフが装着されていて349万8000円となる。

308 SW GT Line
LEDとコンビネーションのヘッドライト
ドライビングライト。ライン状のLEDはウインカー
リアコンビネーションランプ
リアアンダーガーニッシュ。スクエアな2本出しマフラーが埋め込まれる
フロントフェンダー後方の「GT Line」エンブレム
18インチアロイホイールを採用
225/40 R18サイズのミシュラン Polot Sports 3を装着
インパネまわり
ハンドルやシフトカバーにレッドステッチが入る
シフトまわり
アルカンターラスポーツシートにはレッドステッチが入る
シートの調整用ボタン
ドア内側アームレスト周辺
天井の操作パネル
ステーションワゴンなのでラゲッジスペースは広大
レールには可動式のフック付く
ラゲッジスペースのフロア下に収納スペースがある

2008 LEATHER EDITION(市販予定車)

 208をベースにしたコンパクトSUVの「2008」。スタイリッシュなブラックレザーシートとシートヒーターを装備した特別仕様車「2008 LEATHER EDITION」を300台限定販売。価格は265万円。

 2008は都会的な外観デザインと開放的な室内空間、広いラゲッジスペースなどの使い勝手のよさが大きな特長。搭載エンジンは最高出力60kW(82PS)/5750rpm、最大トルク118Nm/2750rpmを発生する直列3気筒1.2リッターで、オートマチックモード付き5速ETGを組み合わせる。

2008 LEATHER EDITION
LEDとコンビネーションのヘッドライト
ドライビングライト
リアコンビネーションランプは大きめのデザイン
しっかりとしたルーフレールが付く
ルーフレールもボディー同色に塗装されている
タイヤサイズは205/55 R16
インパネまわり
運転席まわり
センターコンソールとシフトノブ周辺
メーターは周囲がブルーに光っている
シートはブラックレザー
ドア内側アームレストは広め
ラゲッジスペースも広い

208(市販予定車)

 2012年11月に日本に導入された「208」のデザインとパワートレーンを刷新。フロントとリアのデザインを変更するとともに、従来から馬力を3割以上高めたという直列3気筒1.2リッターターボ「PureTech」エンジンと6速AT「EAT6」を搭載。最高出力は81kW(110PS)/5500rpm、最大トルクは205Nm/1500rpmを発生する。このPureTechエンジンは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2015を受賞している。

 会場では、主力モデルの「Allure(アリュール)」が、ボディカラーにカラフルなオレンジ・パワーをまとい日本初公開された。展示車は「Cielo Package」により、フロントソナー、パークアシスト、パノラミックガラスルーフ、アンビエンスライト、16インチアロイホイール「TITANE Classic」が専用装備されている。価格はAllureが237万円、Allure Cielo Packageは256万円。

 安全装備も充実させていて、フロントウィンドウ上部のレーザーセンサーが前方の車両や障害物を検知、回避操作を行わない場合に自動ブレーキを作動させる「アクティブシティブレーキ」をAllureとStyle 6ATに標準装備。また、縦列駐車時に駐車可能なスペースを検知し、操作を自動で行う「パークアシスト」を、Allureに「Cielo Package」としてオプション装備させることができる。

208 Allure。Cielo Packageを装着
新デザインのヘッドライト。LEDがアクセントとなり、2トーン処理されたデザイン
ドライビングライト
リアコンビネーションランプも新デザイン。ライオンの爪跡がモチーフ
Cielo Packageで装備されるホイール「TITANE Classic」
タイヤはミシュラン ENERGY SAVER。サイズは195/55 R16
インパネ周辺
運転席まわりは質感が高い
メーターパネルはステアリング上から見るタイプ
シフトノブ周辺。シガーソケットとは別にUSBポートも備える
エアコンは左右独立。モニタはダッシュボードから立ち上がっている
ステアリング右のボタン類。パークアシスト用ボタンなど
シート表皮はファブリック
Cielo Packageで装備されるパノラミックガラスルーフは開放感がある
後席足下スペースにも余裕がある
エンジンルーム。3気筒1.2リッターターボ「PureTech」エンジン
ラゲッジスペース。分割可倒式になっている
アクティブシティブレーキ用のセンサーがフロントウインドー上部に備わる
バンパーにはパークアシストで使われるソナーがある

BlueHDiディーゼルエンジンの展示

 会場の508 GTの後方には、直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ BlueHDiディーゼルエンジンが展示されていた。要所がカットされ、動きがわかるように電動で動作している。ユーロ6.1の排ガス規制に適応する。

BlueHDiディーゼルエンジンの展示
背面には酸化触媒が見える
ピストンとクランク部分はカットされていて動きが見える
電装部品は一部スケルトンになっている

村上俊一