東京モーターショー2015

初出展の新ブランド「DS Automobiles」ブースで新型「DS 4」「DS 4 CROSSBACK」ジャパンプレミア

「パリからのプレミアムブランド」DSを日本でもアピール。新型「DS 4」のディーゼル仕様の導入も検討中

2015年10月30日~11月8日一般公開

 プジョー・シトロエン・ジャポンは、東京モーターショーでプレミアムブランド「DS Automobiles」のブースを初出展した。

 今回は、この新しいDS Automobiles バイスプレジデントのエリック・アポド氏からコメントをもらったのでそこから紹介しよう。まずはDSというブランドについて。このDSという名前は、1955年に発表されたシトロエン「DS」の流れを引き継ぐ伝統と歴史のあるブランドで、新しい体制になったのは2010年。「DS 3」のデビューで再スタートさせた。そして、DSのブランド独立はそれ以来準備を進めてきたものであるという。

 次に、DSにおける日本マーケットの認識についてだが、DSも含まれる仏PSA プジョー・シトロエンにとって日本は非常に重要な市場だと考えている。理由としては、この日本においては世界中の多くのプレミアムブランドが参入していて、それぞれがとてもよい仕事をしていることが挙げられる。ただ、そこにフランスのプレミアムブランドがなかったので、今回、「パリからのプレミアムブランド」としてDSが日本市場に参入することになったという。ちなみに、2010年に発売したDS 3は現在世界中で50万台を販売していて、そのDS 3を含むすべてのDSシリーズの売上トップ10に日本は含まれているという。そういった面からも、初出展となる今回の東京モーターショーには非常に力を入れていて、シトロエンとは別にDS単独でのブース展開を行うことになったのだ。

DS Automobiles バイスプレジデントであるエリック・アポド氏。日本が好きでよく来日しているという。食べ物では刺身がお好みとのこと
DS Automobilesのロゴマーク

 さて、そのDSだが、今回は新しいモデルを5車種持ち込んでいて、とくに注目されているのが日本初公開になる新型「DS 4 CROSSBACK」である。この車種についてはプレスカンファレンスのなかでも仏PSA プジョー・シトロエンのDSブランド CEOであるイヴ・ボネフォン氏から紹介され、アンベールが行われる演出で公開された。

 DS 4 CROSSBACKは新型「DS 4」の派生モデルで、スタイルを見ても分かるようにSUV的なデザインが特徴。前出のアポド氏によると「日本のユーザーの嗜好を理解して、気に入って頂けるように仕上げている」とのこと。たしかに現在は本格的なSUVと普通車の中間に位置するようなクロスオーバーの人気が高いので、そこをうまくあわせて来たという印象だ。また、フランス本国でもこうしたクロスオーバーの人気は高いという。

 ただ、DS 4 CROSSBACKは現在発売されている、アクティブ面を表に打ち出したほかのクロスオーバーとは一線を画していて、DSというプレミアムブランドが発売する「プレミアムでシックなクロスオーバー」ということが強調されていた。

 ちなみに駆動方式は2WD(FF)のみだが、インテリジェントトラクションコントロールの制御により「マッド」「ウエット」「スノー」など、路面状況がよくないときでも十分な安全走行を行えるようになっているとのことだった。この機能は走行条件に応じて自動的に制御されるので、ドライバー側でのモード操作などは必要ない。

 今回、日本に導入されるのは1.6リッターのターボ付き直列4気筒DOHCガソリンエンジンであるが、このエンジンはCO2の排出量が少ない仕様になっている。また、本国にはディーゼルエンジン仕様もあるが、これの日本導入についても検討していきたいということだった。

プレスカンファレンス前のDSブース。この日が日本初公開となる新型DS 4 CROSSBACKにはベールが被せられていた。右側に置かれているのはすでに公開されている新型DS 4
DSのプレスカンファレンスはPSAプジョー・シトロエンのDSブランド CEOであるイヴ・ボネフォン氏が行い、新型DS 4 CROSSBACKがアンベールされた
新型DS 4 CROSSBACKのスタイリング。都会派であり、シック&プレミアムなクロスオーバーという位置づけ
高級感があるフロントのデザイン。ボディーカラー、グリルのメッキ処理、バンパー部の塗り分けなどによって存在感を出している
ルーフにはアクティブなイメージとなるルーフレールを装備。ルーフ後端にはアンテナが装着される。Bピラー上部にもDSのロゴが入っている
独創的なテールランプデザイン。ここは新型のDS 4とDS 4 CROSSBACKで共通となる
ホイールは新型DS 4用とカラーが異なる。形状やサイズは同じ設定だ。展示車は225/45 R18サイズのミシュラン パイロットスポーツ3を履いていた
DS 4 CROSSBACKのインテリア
非常に凝ったデザインの本革パワーシートなどを装備する豪華な車内。ステアリングには各スイッチ類がきれいに配置され、形状はDシェイプ。エアコンは左右独立で温度設定が可能
メーターの全点灯場面は撮れなかったが、ほかにはない数値の配列を施すスピードメーターはきれいで見やすそうだ
リアドアの開閉ノブはウインドー後端にビルトインされているので、ドアの側面がスッキリして、3ドア車のようにも見えたりする。ラゲッジスペースは一般的な用途なら奥行きや深さは十分。必要ならリアシートの背もたれを前方に倒すことも可能だ。側面にはアクセサリーソケットも見える
こちらは新型DS 4。多くの部分をDS 4 CROSSBACKと共有する
車内も基本的にDS 4 CROSSBACKと同じで、展示車はシート表皮の色が異なっている

 ほかの展示車についても紹介していこう。まずはDSの誕生60周年を記念する特別限定車「DS 5 EDITION 1955」だ。このクルマには新しいDSグリル「DS LED VISION」に加え、60周年記念ロゴがフロントドアとリアに装着されている。また、シリアルナンバーが入ったプレートやゴールドのセンターホイールキャップなども装備。ボディーカラーに関しても1955年当時のDSを再現した「ブルーアンクル」(ブルーインク)となっている。販売台数は30台限定で価格は460万円となっている。

DS誕生60周年記念の特別限定車「DS 5 EDITION 1955」。1955年当時のDSを再現したブルーアンクル(ブルーインク)のボディーとなっている。販売台数は30台限定
DS 5 EDITION 1955のインテリア。シートのデザインもフランス車らしくお洒落で凝ったもの。メーターまわりのデザインも特徴的

 次に、世界中で50万台が販売されているDS 3ベースにした限定モデル「DS 3 So Parisienne」と「DS 3 CABRIO So Parisienne」だ。このモデルは限定デザインとして「So Parisienne(ソーパリジェンヌ)」ステッカーがBピラーとリアに貼られることに加え、新しいパワートレーンが採用されている。エンジンは従来どおり1.2リッターターボ付き3気筒ガソリンエンジンのPureTechエンジンだが、組み合わせるトランスミッションを日本のアイシンと共同開発した6速ATに変更。これらの組み合わせにより、欧州の排出ガス基準であるEuro6を達成していているクルマだ。

こちらは限定モデルのDS 3 CABRIO So Parisienne(ソーパリジェンヌ)
ルーフはブラック生地のキャンバストップになっていて、オープンにすると非常に開放感がある
車内は標準車と変わりはないが、メーターに使われている数字の書体や指針のデザインはさすがDSと言えるおしゃれなものになっている
こちらは3ドアハッチバックボディーのDS 3 So Parisienne。どちらも1.2リッターターボ付き3気筒ガソリンエンジンのPureTechエンジンと日本のアイシンと共同開発した6速ATを搭載する

深田昌之