東京モーターショー2015

BMW、世界限定700台限定のスーパースポーツ「M4 GTS」をワールドプレミア

「自走でサーキットへ行きながら、最高のサーキットレコードを記録できる」とBMW M 代表取締役

2015年10月30日~11月8日一般公開

フォトセッションに臨んだBMWグループ・デザイン本部長のエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏(左)、BMW M 代表取締役 フランシスカス・ファン・ミール氏(中央)、BMW ジャパン 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏(右)の3名
プレスカンファレンスでM4 GTSの詳細を解説するBMW M GmbH 代表取締役 フランシスカス・ファン・ミール氏

 ビー・エム・ダブリューは、東京モーターショーのプレスカンファレンスで「BMW M4 GTS」のワールドプレミアを行った。

 M4 GTSは、BMW Mが1986年に生産を開始した「M3」の生誕30周年を記念する特別仕様車。全世界で限定700台となるこのスペシャルモデルは、ドライブトレーン、サスペンション、軽量構造などに画期的なMテクノロジーを採用し、BMW Mのエンジニアがイノベーションに取り組むパワーを象徴するモデルとなっている。

 BMW M 代表取締役 フランシスカス・ファン・ミール氏は「M4 GTSは、サーキットにおいて最高の運動性能と卓越したパフォーマンスを発揮するようにデザインされたスポーツカーです。公道を走れるよう認可されたスポーツカーで、どこまでのパフォーマンスを発揮できるか証明するクルマとなります。例えば、クラブスポーツなどのイベントでは、スパ・フランコルシャンやニュルブルクリンク、ラグナ・セカのサーキットまで自走していき、そこで最高のサーキットレコードを記録することができます」と、M4 GTSのパフォーマンスについて語っている。

プレスカンファレンスでステージに登場したM4 GTS

 エンジンは、M4やM3と同様の直列6気筒3.0リッターツインターボだが、ウォーターインジェクションテクノロジーを採用することで、従来の431PS/550Nmから500PS/600Nmへと性能が大幅に引き上げられている。0-100km/h加速は3.8秒、最高速は305km/hでリミッターが介入する。スポーツカーの指標となっているニュルブルクリンク北コースのラップタイムは7分28秒と、スーパースポーツモデルに匹敵する。これだけのパフォーマンスを発揮するパワートレーンを持ちながら、燃費性能は8.3L/100km(12.0km/L)と環境性能も考慮している。

 標準的なドライブトレーンは、7速Mダブル・クラッチ・ギアボックス(M DKG)で駆動力の伝達を途切れることなくリアホイールに伝える。出力の向上に合わせてドライブ・ロジック・シフト・プログラムとローンチ・コントロールは調整が行われている。

 出力の向上とともにBMW Mのエンジニアは軽量化にも注力。インテリジェント・ライトウエイト構造を採用することで車重を1510kgに抑え、パワーウエイトレシオを3.0kg/PSとしている。

オプションの「クラブスポーツ・パッケージ」を装備したM4 GTS。モータースポーツに特化したクラブスポーツパッケージでは、アシッド・オレンジ塗装が施されたロールバーや6点式のシートベルト、消化器が付属している
鍛造のホイールは前後異形となっていて、フロントが19インチ、リアが20インチになる。タイヤサイズはフロントが265/35 R19、リアが285/30 R20
GTウイングも装着
スポーツモデルの売りでもあるエキゾーストサウンドは「官能的な音色となっている」と語られた
クラブスポーツ・パッケージ仕様の室内はスパルタン。カーボン製のバケットシートにロールバーが装備されている
MモデルとMパフォーマンスオートモービルの2014年の売り上げは、対前年比44%増と飛躍的に伸びている
M4 GTSは全世界700台の限定発売となる
M4 GTSのパフォーマンス
室内や外観はレースカーに近い仕様
最高出力は500PS、最高速は305km/h
30年前に発売が開始されたM3の30周年記念としてリリースされるM4 GTS

 M4 GTSとともに、BMWブースにはジャパンプレミアとなる2台のモデルを用意。1台目はフラグシップモデルとなる7シリーズ。最上級モデルに相応しい革新的な最先端技術と駆け抜ける歓び、長距離ドライブの快適性を併せ持つのが特徴。

 ボディーはエフィシェント・ライトウエイトの導入によって先代よりも最大で130kg軽量化された。使用する素材は工業的に生産されたCFRPとスチール、アルミニウムの複合構造で、セグメントしては初の採用となる。

 そのほかにも、操作系ではiDriveシステムの拡張機能であるタッチ・ディスプレイとBMWジェスチャー・コントロールを導入。運転支援ではステアリング&レーンコントロール・アシスタント、クロス・トラフィック・ウォーニング、リモート・コントロール・パーキングなどが装備される。

ショーデビューとなる新型7シリーズ。LEDに比べて照射距離が2倍の600mになるレーザー・ライトを採用
7シリーズとともに国内デビューとなった新型X1。2代目となりFFシャシーを採用した。初代モデルに対して全長は伸びていないが、室内のスペースは大幅に向上しユーティリティがアップ。世界中で73万台を販売した初代モデルに続き、好評を得ることになるはずだ

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。