BMW、「M4 クーペ」をパワーアップ＆軽量化した特別限定車「M4 GTS」

　ビー・エム・ダブリューは4月15日、ハイパフォーマンスモデル「M4（エムフォー）クーペ」の特別限定車「M4 GTS（ジー・ティー・エス）」を発売した。価格は1950万円で、納車は7月からを予定する。販売台数は全世界700台限定のうち、30台を日本に導入する。ステアリング位置は左右から選択可能

　M4 GTSは2015年の東京モーターショーでワールドプレミアされた、M3の生誕30周年を記念して導入される公道走行も可能な特別限定車。

　エンジンは、M3 セダンやM4 クーペに搭載する直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワー・ターボをベースに「ウォーター・インジェクション・システム」を採用。これは霧状の水をインテークマニフォールド内のサージタンクに直接噴射し、蒸発による冷却効果によって燃焼室の温度を下げ、ノッキングを抑制するというもの。同システムの採用で高いブーストと理想的な燃料噴射タイミングを実現し、エンジン出力とトルクをさらに高めることが可能になるという。

　これにより、ベースエンジンから51kW（69PS）/50Nm（5.1kgm）アップの最高出力368kW（500PS）/6250rpm、最大トルク600Nm（61.2kgm）/4000-5500rpmを発生しており、0-100km/h加速は同社の量産モデルで最速となる3.8秒（ヨーロッパ仕様車値）をマーク。ニュルブルクリンク北コースのベストタイムは7分28秒とアナウンスされている。

直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワー・ターボエンジン最高出力368kW（500PS）/6250rpm、最大トルク600Nm（61.2kgm）/4000-5500rpmを発生

　エクステリアではルーフ、アルミニウム合金製ベースに取り付けられた可動式リアウイング、リアバンパー下のディフューザー、フロント・スプリッターにカーボンファイバー強化樹脂（CFRP）を使用し、軽量化と低重心化を図った。

　サスペンションは車高と減衰速度を調整できるダンパーとスプリングが一体で設計された「Mコイルオーバー・サスペンション」を採用し、車高は最大でフロント20mm、リア17mmまで低くセッティングすることが可能になっている。タイヤはM4 GTS専用にセットアップされたミシュラン「パイロット・スポーツ・カップ2」（フロント：265/35 R19、リア：285/30 R20）を装着。また、エグゾーストシステムにはチタン製マフラーを採用し、従来モデルから20％の重量削減を実現している。

ルーフや可動式リアウイングなどにカーボンファイバー強化樹脂（CFRP）を使用

　そのほか、量産車として世界で初めてテールランプに有機LEDの「オーガニックLED（OLED）」を採用。これは光源の形状が「点」である従来のLEDと異なり、「平面」で均一に発光させることができ、光の演出の自由度が高く、より先鋭的で官能的なリアビューを形成することが可能という。

　スパルタンな室内では各所にアルカンターラを用い、重量の最適化を行なったというセンターコンソールやハンドブレーキレバーを採用。運転席と助手席のCFRP製Mバケットシートは、ベースとなるM4 クーペのスポーツシートに比べて約50％の軽量化を実現しているという。ステアリングはコントラストステッチが施されたアルカンターラ仕上げの「Mスポーツ・ステアリング・ホイール」で、「12時」の位置を示すオレンジのマーキングが、M4 GTSのモータースポーツに特化したキャラクターを強調している。

　なお、日本仕様では専用ロールバーや6点式シートベルトを含む「クラブ・スポーツ・パッケージ」を標準装備。フロントシート後部には、アシッド・オレンジ塗装のロールバーに加えサーキット走行に適した6点式シートベルトも備え、サーキット走行時でもドライバーをしっかりとホールドして高い安定性とマシンとの一体感を確保している。

CFRP製Mバケットシート

インテリア各所にアルカンターラを採用。インパネにはオレンジ色で「GTS」のロゴが入る

M4 GTSの特別装備内容