東京オートサロン 2016

フォルクスワーゲン、“史上最強のGTI”となる「ゴルフ GTI Clubsports」国内導入を発表

GTIの歴史になぞらえフォルクスワーゲンが持つスポーツ性を強調

2016年1月15日~17日開催

金網のフェンスで仕切られたフォルクスワーゲン グループ ジャパンのブース

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンによるオートサロン出展は今回が初めて。カスタムカーの祭典らしく「GTI」や「R」など、通常モデルよりも高出力、高性能化したスポーツモデルを展示した。開催初日にブース内で行なわれたプレスカンファレンスでは、「ゴルフ GTI」をさらに高出力化した「ゴルフ GTI Clubsports」の国内導入が発表された。

瞬間最大295PSを手に入れる“史上最強のGTI”

「ゴルフ GTI Clubsports」は、2015年のフランクフルトモーターショーで発表されたGTIシリーズの40周年記念モデル。通常のGTIよりもエンジンを高出力化して195kW/265PSを発生。さらにアクセルペダルのキックダウンをきっかけに、最高出力が10秒間だけ約10%アップの295PS以上まで高まる「ブースト機能」を持っている。

 エンジンは通常のゴルフ GTIでも採用する2.0リッターターボエンジン。改良を加えることで195kW/265PSのパワーを得て、トルクも380Nmまで高めている。0-100km/h加速は6速MT車で6.0秒、デュアルクラッチトランスミッションである6速DSG車で5.9秒。最高速はMT車が250km/h、DSG車が249km/h。

ゴルフ GTI Clubsports(欧州仕様車)
ゴルフ GTI Clubsports(欧州仕様車)

 エクステリアではオリックスホワイトの外装カラーにルーフはブラックを設定。フロントバンパー、サイドシル、リアディフューザー、ルーフスポイラー、19インチ鍛造アルミホイールは専用デザインとなる。

 フロントバンパーはエンジンへの空気流入量を増やしつつ、ダウンフォースを増加させるデザイン。フロントとリアのホイールアーチを結ぶ太いブラックのトリムストライプは、初代ゴルフ GTIの特徴を反映させたもの。そのストライプには「Clubsports」の文字が記される。

 なお、国内導入における詳細なスペックは未定。今回発表されたエンジンスペックも欧州仕様車のものとしている。また、海外で公開されているゴルフ GTI Clubsportsのボディスタイルは3ドアハッチバックだが、国内導入が同じ3ドアとなるか、ほかのゴルフシリーズと同様の5ドアになるかは未定。トランスミッションについてもMTかDSGかも現在のところ未定だという。

究極のGTIにふさわしい「ゴルフ GTI Clubsports」

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 マーケティング本部長の正本嘉宏氏

 プレスカンファレンスではフォルクスワーゲン グループ ジャパンの正本嘉宏マーケティング本部長が、GTI、GTE、Rといったスポーツモデルを展示した今回のブースについてと、新たに発表された「ゴルフ GTI Clubsports」の説明を行なった。

 正本氏は、「初代GTIの誕生は1976年。エンジニアが自分たちが乗りたいクルマとして密かに開発したのが初代GTIのプロトタイプ。これに当時の役員が共感し、異例ながら市販化された」とGTI誕生の経緯を紹介。「GTIはスポーツドライビングを民主化した。多くの人がスポーツドライビングの楽しさを知った」とその功績を語った。

 また、オートサロンらしく「多くのチューナーの方々が、GTIをベースにいろいろなエキサイティングなクルマを作ってくれた」とベース車両としての実績も強調。

 その上で新登場することになる「ゴルフ GTI Clubsports」は“史上最強のGTI”であると語り、「最大の特徴はパフォーマンス」と解説して、DSGモデルで0-100km/h加速が5.9秒という性能が「ポルシェ ケイマンのマニュアルトランスミッション車の5.7秒に匹敵する加速」と高性能ぶりを強調した。

 導入時期については「本年半ばにデリバリー開始」としたが、「限定モデルとして導入する。日本仕様の詳細、価格、限定台数などの詳細は後日案内するので、楽しみにお待ちください」と話すに止まり、詳細までは発表されなかった。

 また、正本氏は今回の展示内容について「Rは究極のドライビング体験を可能にするブランドである。それがR。専門の開発部隊、生産組織を通じて開発される、GTIよりもさらに高出力のパワートレーンを搭載し、フルタイム4WDシステムの“4モーション”を介して、トラクションをあますところなく路面に伝えて究極のドライビングプレジャーを提供する」と説明した。

 プラグインハイブリッドの「GTE」については、「電気自動車、ハイブリッド、GTI譲りのスポーティーな走りという3つが簡単に楽しめる。フォルクスワーゲンが提唱する新世代のスポーツドライビングが楽しめるクルマ」と説明した。

フォルクワーゲンはフルラインのメーカーで、スポーツモデルもあると強調
スポーツモデルがGTI
初代ゴルフ GTI
ゴルフでは、これまで7代にわたってGTIモデルが登場した
現在、ゴルフ GTIに加えてポロ GTIもラインアップ
究極のスポーツモデルが「R」
Rモデルは4代目ゴルフから導入
現在はゴルフ ヴァリアントにもRを導入
国内にはもう1つのスポートドライビングへのアプローチとして、マニュアルトランスミッション車を2015年から導入
GTEは「電気自動車」「ハイブリッド」「GTI譲りのスポーティーな走り」の3つが簡単に楽しめる
限定導入されるゴルフ GTI Clubsports
スポイラーをはじめ各所にゴルフ GTI Clubsportsの特徴がある
アルカンターラのステアリングホイールに赤のマーカーが入る
エンジン出力は大幅アップ。ブースト機能で最大295PS以上を発生
GTI Clubsportsの加速や最高速

GTI、GTE、Rの5台を展示

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンのブースの展示車は5台。「ゴルフ GTI」「ポロ GTI」「ゴルフ GTE」「ゴルフ R」「ゴルフ ヴァリアント R」の5モデルとなり、導入が公表されたゴルフ GTI Clubsportsの車両展示はなく、発表だけに止まった。

 そのうち、ゴルフ GTIとポロ GTIはカスタマイズパーツを装着した状態で展示された。ホイールやカーボンルックのパーツのほか、ポロ GTIはGTI独自のチェックシート柄のシートとコーディネートした柄のジュニアシートを装着している。残るゴルフ GTE、ゴルフ R、ゴルフ ヴァリアント Rはノーマルの状態で展示された。

 また、ブースではグッズの販売スペースも設けられている。各種グッズが購入でき、フォルクスワーゲン車の登録ユーザーが持つ「フォルクスワーゲン オーナーズ パス(VOP)」を提示すると特別価格で購入できる。

ゴルフ GTE。プラグインハイブリッドモデルだが、「GTEモード」でエンジン+電気モーターの強烈なパワーで加速できるスポーツ車
ゴルフ GTI。たくさんのオプションパーツや純正アクセサリーを備えている。カーボンボンネットなどは代表的な装備
フロントにカーボンパネルを貼っている
リア側にもメッキパーツやナンバープレート周りのブラックカラー、フューエルリッドのパネルなどのオプション品を装着
オプション設定のホイール
ポロ GTI
ピラーにカーボン柄の加飾パネルを設置
フューエルリッドのパネルもカーボン柄となっている
ドアパネル下側にブラックのモール
ホイールもオプションのものだ
ドアミラーにはカーボンパネルを設定
GTI柄のジュニアシートも用意。シートとのマッチングは完ぺき。これは乳児などは対応しない体重15~36kgの3~12歳向けで、シートとはISOFIXで結合するため、ポロ GTIだけでなく対応車種は多い
ゴルフ Rはハイパワー4WDモデル。トランスミッションはDSGとMTが選べる
ゴルフ ヴァリアント R
純正アクセサリーのホイールが並べられた
即売コーナーを設置。アクサリー類がこの場で購入できる

正田拓也