2016ジュネーブショー

独BMW、600PSのV型12気筒を積むフラグシップモデル「M760Li xDrive」ワールドプレミア

Mシリーズ最小モデルのM2 クーペは欧州プレミア

2016年3月1日~13日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

ワールドプレミアされた「M760Li xDrive」

 独BMWは、ジュネーブショーで新型7シリーズのフラグシップとなる高性能モデル「M760Li xDrive」をワールドプレミアした。

 パワートレーンはMパフォーマンスモデルとして仕立てられていて、BMW全車の中でももっとも強力にチューニングされた6.0リッターV型12気筒のツインパワーターボエンジンを搭載。最高出力600PS/5500rpm、最大トルク800Nm/1500rpmを発生させる。0-100km/hまでわずか3.9秒で到達し、通常は250km/hで電子リミッターが作動する。オプションのMドライバーズ・パッケージを選択した場合、最高速は305km/hまで出すことができるという。ちなみに燃費は7.9km/Lとなる。トランスミッションは8速AT(Steptronic Sport)でパドルシフトも装備し、4輪駆動のxDriveシステムを採用。ホイールは20インチサイズが奢られる。

新型7シリーズのフラグシップとなるM760Li xDrive。タイヤはフロント245/40 R20、リア275/35 R20となっている

 新型7シリーズ同様に、タッチディスプレイやBMWジェスチャーコントロールも搭載している。これにより、手の動きでオーディオの音量調整や電話の着信操作などを直感的な操作で行なうことが可能となる。さらに最新のドライバー支援システムも搭載しており、ステアリング&レーンコントロールアシストなどを含む「ドライビング・アシスト・プラス」を装備。また、渋滞アシストやストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールも備わっている。

 7シリーズのトップモデルとなるM760Li xDrievの発売時期は、2017年初頭の予定だ。

ベースの7シリーズと同様にジェスチャーコントロールを装備したタッチディスプレイがセットされている
エンジンカバーの下に隠された6.0リッター V型12気筒ツインパワーターボエンジンは、Mパフォーマンスによってチューニングされ、最高出力610PS/5500rpmを誇る

 Mシリーズの中でもっともコンパクトなモデルがM2 クーペだ。すでに発売されているモデルだが、ジュネーブショーで欧州プレミアされた。

 パワートレーンには新開発の直列6気筒 3.0リッターMツインパワーターボエンジンを採用。ツインスクロール方式のターボチャージャーを装着し、高精度ダイレクト・インジェクション・システムとダブルVANOS、バルブトロニックを組み合わせている。最高出力は370PS/6500rpm、最大トルク47.4kgm/1400-5560rpmを発生させる。さらにオーバーブースト機能により、一時的に最大トルクを51.0kgmまで引き上げることも可能。アクセルを踏み込んだ直後から高回転に至るまで、力強い加速と鋭いレスポンスを発揮してくれる。トランスミッションは7速M DCT Drivelogic(ダブル・クラッチ・トランスミッション)を組み合わせ、0-100km/h加速はわずか4.3秒。

 サスペンションは、フロントにダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式、リアには5リンク式を採用。アーム類に軽量なアルミ素材を使用することで、スチール製と比べてフロントで約5kg、リアで約3kgの軽量化を実現している。

M2 クーペ
ホイールはフロント9J×19インチ、リア10J×19インチ、タイヤはフロント245/35 R19、リア265/35 R19
最高出力272kW(370PS)/6500rpm、最大トルク465Nm(47.4kgm)/1400-5560rpmを発生する直列6気筒DOHC 3.0リッターMツインパワー・ターボ・エンジンを搭載
Mシリーズを象徴するハイグロス仕上げのデュアル・ツイン・エキゾースト・テールパイプ。リアディフューザーは見た目だけでなく空力特性も最適化

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。