フランクフルトショー 2017

【フランクフルトショー 2017】独ポルシェ、550PS/770NmのV8ツインターボを搭載する新型「カイエン ターボ」世界初公開

SUV初採用の「アダプティブルーフスポイラー」に制動距離を縮める「エアブレーキポジション」

2017年9月12日(現地時間)発表

2017年フランクフルトモーターショーで世界初公開された新型「カイエン ターボ」
新型カイエン ターボは“第3世代カイエン”のトップモデルとなる1台

 独ポルシェAGは、2017年フランクフルトモーターショー(プレスデー:9月12日~13日、一般公開日:9月16日~24日)で8月に発表した「第3世代カイエン」のトップモデルとなる新型「カイエン ターボ」を世界初公開した。

新型カイエン ターボ
リアハッチに「Cayenne turbo」の文字

 新型カイエン ターボでは新しいV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。この新世代エンジンではターボチャージャーをV型エンジンの気筒間に配置する「センターターボレイアウト」を採用。燃焼室とターボチャージャーの排気経路が短縮されることでエンジンのレスポンス向上に効果を発揮し、出力の大幅向上も実現する。これにより、新しいカイエン ターボでは従来モデルと比較して22kW(30PS)/20Nmアップとなる最高出力404kW(550PS)、最大トルク770Nmを発生する。

 トランスミッションには8速ATの「8速ティプトロニックS」を組み合わせ、「ポルシェ トラクション マネージメントシステム(PTM)」を備えるフルタイム4WDシステムを介して路面に伝える。これにより、0-100km/h加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ装備車は3.9秒)となり、最高速は286km/hを記録する。

新型カイエン ターボの走行イメージムービー(7分7秒)

 第3世代カイエンから導入した新しい軽量シャシーをベースとする新型カイエン ターボは、“スポーツカーの設計に由来する”という前後で異なるタイヤサイズ(フロント285/40、リア315/35)によって前後方向と横方向の動力の伝達を向上させたほか、足まわりに「3チャンバーエアサスペンション」と「電子制御ダンパーシステム(PASM)」を組み合わせて使うことにより、オンロードからオフロードまで幅広い路面状況に対応可能。異なるバネ定数のマップ制御が可能となっており、6種類の車高が選択できるようになっている。

 また、オプション装備として「リアアクスルステアリング」「ポルシェ トルク ベクトリングプラス(PTV Plus)」のほか、48V電気システムに接続された電子制御式ロール抑制システム「ポルシェ ダイナミックシャシー コントロールシステム(PDCC)」などを用意。スポーツカーとしてのドライビングダイナミクスを獲得しつつ、日常的な使い勝手や快適性のレベルも向上させるという。

新型カイエン ターボの走行イメージ

 LEDヘッドライトの「ポルシェ ダイナミック ライトシステム(PDLS)」を採用するフロントマスクでは、フロントバンパーのエアインテークをブラックアウトして左右まで一体化。広い開口部のデザインでアグレッシブさをアピール。このほかにボディでは、SUVとして初めて「アダプティブルーフスポイラー」を採用。ポジションに応じて効率を最適化し、リアアクスルのダウンフォースを増化させる効果を発揮するほか、アダプティブルーフスポイラーでは高速走行時の制動距離を短縮する「エアブレーキポジション」も設定。250km/hからフルブレーキング時に、非装備の場合と比べて最大2m手前で停止する効果を発揮する。

新型カイエン ターボのインテリア。710WのBOSEサラウンドサウンドシステムを標準装備している

編集部:小林 隆