東京モーターショー2017
【東京モーターショー2017】ポルシェ、3代目新型「カイエン」と「パナメーラ スポーツツーリスモ」をアンベール
アジア・プレミアとなる新型「カイエン」とジャパン・プレミアとなる「パナメーラ スポーツツーリスモ」
2017年10月25日 22:52
- 2017年10月25日 開幕
- 2017年10月27日 プレビューデー
- 2017年10月28日~11月5日 一般公開日
10月25日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第45回東京モーターショー2017」が開幕した。10月27日はプレビューデー、10月28日~11月5日は一般公開日となる。ポルシェブースは東4ホール。
プレスカンファレンスに登壇したポルシェジャパン 代表取締役 七五三木敏幸社長が、アジア・プレミアとなる新型「カイエン」とジャパン・プレミアとなる「パナメーラ スポーツツーリスモ」をアンベール。それぞれを解説した。
新型「カイエン」
七五三木社長は、「カイエン」が2002年にポルシェ初のSUVモデルとして発売され、15年で50万台以上を販売する大ヒットモデルになったこと、特に第2世代はボディの大幅な軽量化を行ない効率化を向上させる一方、ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドをマーケットに投入し、現在では「ポルシェ E-パフォーマンス」の中核モデルとなっていることを紹介。今回、完全な新設計になり、その第3世代となる。また、ポルシェ911のデザインモチーフを随所に取り入れながら、より伸びやかなデザインとなりハイパフォーマンスと快適性の両立などさまざまな改善を施していること、ドライビングアシストの「アダプティブ・クルーズ・コントロール」に関して日本仕様では世界で唯一標準装備とすることを紹介した。
開発コンセプトはサーキット走行をなんなくこなすパフォーマンスと一般道での快適性という相反する要素を両立させることにあり、「リア アクスル ステアリング」、アンチロールシステムの「ポルシェ ダイナミックシャシー コントロールシステム(PDCC)」、前後タイヤサイズが異なるミックスタイヤ採用といった、911に使われているこれら技術を積極的に取り入れている。応答性に優れ、耐摩耗性を30%高めた「ポルシェ サーフェス コーテッド ブレーキ(PSCB)」は新型カイエンで初めて採用されている。
新型カイエンのグレードは、250kW(340PS)/450Nmを発生するV型6気筒 3.0リッターシングルターボの「カイエン」、324kW(440PS)/550Nmを発生するV型6気筒 2.9リッターツインターボの「カイエン S」、404kW(550PS)/770Nmを発生するV型8気筒 4.0リッターツインターボの「カイエン ターボ」の3バリエーション。いずれのターボユニットも新世代になっている。最高出力、動力性能を向上させながら、燃費も着実に改善されているので注目してほしいとのことで、軽量化がもっとも重要な開発項目の1つだったという。骨格を含むボディパーツへのアルミ部材の大幅な採用などにより、ベースモデルでは重量2t以下と、モデルによっては200kg以上の軽量化を実現していると解説した。
受注は本年中に開始する予定。価格は「カイエン」が976万円、「カイエン S」が1288万円、「カイエン ターボ」が1855万円。
「パナメーラ スポーツツーリスモ」
「パナメーラ スポーツツーリスモ」は、大きめの荷室を持つポルシェがまったく新しいコンセプトを世に問う新シリーズ。
V型6気筒 3.0リッターシングルターボを搭載する「パナメーラ4 スポーツツーリスモ(1297万3000円)」、V型6気筒 3.0リッターツインターボの「パナメーラ4S スポーツツーリスモ(1704万3000円)」、V型6気筒 3.0リッターツインターボでハイブリッドの「パナメーラ4E-Hybrid スポーツツーリスモ(1521万3000円)」、V型8気筒 4.0リッターツインターボの「パナメーラ ターボ スポーツツーリスモ(2453万3000円)」の4種。トランスミッションはすべて8速PDKでフルタイム4WDを採用する。
リアシートはセンターアームレスト部分に座席を用意する2+1になり、計4+1のシートによる5名乗車を実現。ラゲッジスペースはサルーンに比べ50L増加している。ラグジュアリーセグメントで初めてと言っていいコンセプトを持ちつつ、ポルシェスポーツカーの特性を受け継いでいると七五三木社長は説明した。
そして、このクルマを特徴づけるのがスタイリング。続けてこの「パナメーラ スポーツツーリスモ」のエクステリアデザインを担当したエクステリアデザイナーの山下周一氏が登壇し、デザインについて解説。「スタイリングチームにとって一番のチャレンジは、ラゲッジルームを増やしながらいかにスポーツカーとして見せるかということでした。ポルシェにとってすべてのクルマはスポーツカーでなくてはなりません。社内ではワゴンとは呼びません」。
「サイドビューにおいて特に慎重にデザインされたフライラインと呼ばれる、ルーフラインとリアグラスの関係、角度、スポイラーの位置、大きさなど長い時間をかけて吟味しました。後方に行くに従って傾斜したルーフライン、911にインスパイアされたサイドウィンドウのグラフィックス、力強くダイナミックなCピラー、理想的な前後タイヤの位置など、このクルマのキャラクターを明確にエレガントに表現しています。フロントにおいては、ポルシェのブランドアイデンティティでもあるボンネットより高い位置にあるうねりのあるフロントフェンダー、V字に刻まれたシャープなフェンダーライン。水平基調でダイナミックなフロントプランビュー、加えて下部に位置するエアインテーク、新しいブランドアイデンティティでもある4ポイントヘッドランプも的確に表現しています」
「後部デザインについても、後に行くほど絞られたキャビン、力強く幅広なリアフェンダーとスポーツカーとしての要素はこのクルマに表現されています。さらにスタイリングを犠牲にすることなく、要求されたダウンフォースを得るために開発されたアクティブ リア スポイラーは、ポルシェにおける典型的な解決策だと言えます。ワイド感を強調し横一文字に広がる彫刻的なリアランプの造形、一体化されたロゴ等、ブランドアイデンティティは明確に表現されています。このリアランプは一目でポルシェと分かる個性的なライトデザインとなっています」と詳細に解説した。
「パナメーラ ターボS E-ハイブリッド」
パナメーラ ターボS E-ハイブリッドは、最高出力404kW(550PS)のV型8気筒 4.0リッターエンジンと最高出力100kW(136PS)の電気モーターを組み合わせた、2代目パナメーラで2車種目のハイブリッドモデル。
「718 ケイマンS」
ミッドシップクーペの「718 ケイマンS」は、257kW(350PS)/420Nmを発生する2.5リッターエンジンを搭載。市販のガソリンエンジン車で「911 ターボ」だけが採用していた「バリアブルタービンジオメトリー(VTG)」付ターボチャージャーを採用した。
「911 GT3」
「911 GT3」は、サーキット走行専用のレーシングカー「911 GT3カップ」に採用されるエンジンをほとんど仕様変更せずに搭載するなど、ポルシェのモータースポーツテクノロジーを組み込んだ公道仕様のスポーツカー。「911 GT3 Cup」は、ワンメイクレース「ポルシェカレラカップ」用のレーシングカー。