人とくるまのテクノロジー展 2019

採用予定の新しいハイビーム可変ヘッドライト技術を紹介する小糸製作所ブース

レクサスLCやセンチュリーなどのヘッドライトユニット単体の展示も実施

2019年5月22日~24日 開催

入場無料

「ブレードスキャン式ADB」を展示する小糸製作所。こちらは点灯状態で、中央部が遮光されている

 自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日までとなっており、入場は登録を行なうことで無料となっている。

 自動車向けヘッドライトシステムなどのサプライヤーとなる小糸製作所は、ズバリ「光」がテーマ。2025年以降のスマートモビリティ社会を見据えた展示のほか、近い将来の実用化が見込まれる技術などを展示している。

 ここ数年のヘッドライト関連のトピックとなるのが、LED化と共に主流となりつつあるハイビーム可変ヘッドライト(ADB)だ。従来タイプのADBは数多くのLEDを搭載し、前走車や対向車の部分だけ消す「LEDアレイ」式が一般的。今回展示されている「ブレードスキャン式ADB」は少ない光源を高速回転するミラーにより左右に配光、適切なタイミングでON/OFFすることで遮光制御を行なうもの。前述したとおり光源が少なくて済むほか、より狭い角度での遮光制御が可能になる。この夏以降のタイミングで実際にこのシステムを採用したクルマが登場するという。

ブレードスキャン式ADB本体
内部構造。中央の丸い円盤部分が高速回転することで光を左右に配光する
点灯状態。円盤が回転していないと照射範囲はこの程度。
説明

 ブース中央には、LiDARやミリ波レーダー、カメラなどを内蔵したランプを搭載したモックアップを展示。もともとランプ類は車両の四隅に設置されることから、車両の360度をカバーして死角をなくせるのがメリット。このモックアップにはコミュニケーション用路面描画モジュールも搭載されており、こちらは自動運転中の行動予告、乗員向けの案内照明として利用される。

センサー内蔵ランプなどを搭載したモックアップ
白いランプの下にセンサ類が埋め込まれている
カメラとLiDARの組み合わせによる認識イメージ。数字は対象物までの距離
路面描画例
説明
カメラ・センサ洗浄システム。液体での洗浄だけでなく空気噴射を併用することで、洗浄力の向上とともに洗浄液の消費低減を実現
現行モデルのヘッドライトユニットも展示されていた。こちらはLEDアレイ式ADBを搭載するレクサス「LS」用
レア感満載のトヨタ「センチュリー」用
マツダ「アテンザ」用

安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。