オート上海2017

【オート上海2017】新型「NX」をワールドプレミアしたレクサスのプレスカンファレンス

SUV市場が拡大し続ける中国でレクサスブランドが支持される理由とは

2017年4月19日(現地時間)発表

ワールドプレミアされた新型「NX」

 レクサス(トヨタ自動車)は4月19日(現地時間)、「The 17th Shanghai International Automobile Industry Exhibition」(オート上海2017。プレスデー:4月19日~20日、一般公開日:4月21日~28日)の開催初日にプレスカンファレンスを実施し、新型となるコンパクトクロスオーバーSUV「NX」のワールドプレミアと新型「LS」の中国プレミアを行なった。

プレスカンファレンスで初披露される新型NX
プレスカンファレンスでスピーチを行なったトヨタ自動車株式会社 Chief Branding Officerの福市得雄氏

 2016年はグローバルで過去最高となる67万7000台を販売したレクサス。急激な成長を続ける中国市場でも販売台数を伸ばしていて、前年度比25%アップの11万台を販売している。グローバルで見ても25%の成長率を示しているのは中国だけで、レクサスの販売を牽引する重要なマーケットとして位置付けている。

 そのなかでもSUVセグメントのシェアは非常に高い。2014年の北京モーターショーで世界初公開され、その後に中国国内に導入されたNXは、販売開始から3年が経過した現在でもレクサスの販売台数の中で30%のシェアを誇っているという。中国国内ではミドルサイズSUVである「RX」の販売も堅調で、NXと合わせて多くの支持を受けている。圧倒的な人気を集めているSUVモデルということもあり、新型NXもワールドプレミアの場が上海モーターショーとなったようだ。

レクサス中国でマーケティングコミュニケーションを担当するケビン・チェン氏。プレスカンファレンスでは新型NXと展示ブース、ブランドコミュニケーションなどの説明を行なった

 初公開された新型NXは、スピンドルグリルを現行モデルの「LX」やRXと共通性のあるレイヤー状のデザインとして、SUVラインアップで統一感を持たせた。また、フロントバンパーやダクト、フォグランプまわりにもよりシャープなデザインを取り入れた。リアは、L字を象徴する新デザインのコンビネーションランプを装備。従来モデルのコンセプトだった「Urban Sport Gear」らしさを踏襲しながらも、よりレクサステイストを色濃くしている。

 走りの性能についても進化させていて、サスペンションのチューニングによってロール特性や操舵に対する応答性を向上させた。加えて、新型のAVS(Adaptive Variable Suspension system)を採用することできめ細やかな減衰力の調整が可能となり、乗り心地や操縦安定性を引き上げることに成功している。

 また、世界各国のプレミアムブランドがひしめく中国でレクサスブランドが支持される要因としては、「高品質」「デザイン性」「クラフトマンシップ」「顧客へのおもてなし」などがあるという。これらの一貫したブランドスタイルが評価され、今では若年層を含む幅広い年齢のレクサスオーナーが誕生しているそうで、彼らにライフスタイルを提案できるクルマとブランドになっていくことを強調していた。

ワールドプレミアされた新型のレクサス NX。写真のモデルはNX300 F SPORTで、専用デザインのエクステリアやホイールが与えられている
ビッグマイナーを実施したNXは、エクステリア、インテリアともによりスタイリッシュさを色濃くした
先進安全装備の「Lexus Safety System+」を標準設定して安全性も向上。日本国内での発売は2017年の秋を予定している
フラグシップモデルとなる新型「LS」も中国プレミアされた。新設計の「GA-Lプラットフォーム」やパワートレーンを採用するLSは、中国のラグジュアリーオーナー層にも満足してもらえる性能を保持していると解説された

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。