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「ツインリンクもてぎ2&4レース」全日本ロードレース J-GP2は生形秀之選手がポール・トゥ・ウイン

前戦まで連勝の浦本修充選手は“タイヤ半分”及ばず表彰台を逃す

2016年8月21日 開催

全日本ロードレース選手権 シリーズ第6戦 J-GP2クラスのスタートシーン

 ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で8月21日、「ツインリンクもてぎ2&4レース」のなかで「MFJ全日本ロードレース選手権 シリーズ第6戦 J-GP2クラス」の決勝(22周)が開催され、生形秀之選手(エスパルスドリームレーシング)がポール・トゥ・ウインで自身3年ぶりの勝利を飾った。2位は水野涼選手(MuSASHi RT ハルク・プロ)、3位は関口太郎選手(MISTRESA with HARC-PRO.)が入った。前戦まで4レース連続優勝の浦本修充選手(Team KAGAYAMA)は惜しくも表彰台を逃した。

デットヒートの末、頭1つ抜き出たのは生形選手

見事ポール・トゥ・ウインで勝利を飾った生形選手

 前日の予選、1分54秒281のタイムでポールポジションを獲得していた生形選手は、スタートでやや遅れを取る。予選2番手の浦本選手がホールショットを、予選3番手の関口選手がオープニングラップを制したものの、先頭を走る関口選手に生形選手が食らいつき、2ラップ目には3番手以降の水野選手、浦本選手を引き離しにかかる。

2位に入った若手ライダーの水野選手

 ところが、水野選手がこの時点のファーステストラップとなる1分54秒835を叩き出すなどの走りを見せ、4ラップ目で一気にトップに躍り出る。その後、水野選手、関口選手、生形選手の3人が先頭集団を形成し、激しいつばぜり合いを繰り広げるなか、一時は離され気味だった浦本選手が虎視眈々と上位を伺い、着実にペースを上げて11ラップ目までに先頭集団から0.5~0.6秒差まで追い上げる。

 レースの折り返しとなる11ラップ経過時点の上位は生形選手、関口選手、水野選手、浦本選手、作本輝介選手(Team 髙武 RSC)。先頭集団の攻防はそのままレース後半まで続き、浦本選手はそこから離されまいと必死に追いすがるものの、周回遅れをパスするなかでクライマックスの21ラップ目に再び差を広げられてしまう。

関口選手は最終ラップの最終コーナーで転倒しかけながら、逃げ切った

 ファイナルラップも生形、関口、水野の3選手による接近戦が続き、最終コーナーの立ち上がりで関口選手がハイサイド気味になってあわや転倒というシーンがありながらも、そのままの順位でゴール。生形選手は2013年 第4戦以来の優勝で、ゴール後は感激のあまり涙を流した。最後の最後で転倒しかけた関口選手は浦本選手と同タイムでチェッカーを受けたが、写真判定によりタイヤ半分という僅差で関口選手が3位と確定。表彰台を獲得した。

連勝が4でストップした浦本選手
粘り強い走りで5位に入った作本選手

 なお、表彰台の3選手は全員がブリヂストンタイヤを装着しており、ブリヂストンにとっては2013年の同カテゴリー最終戦以来の表彰台独占。ブリヂストンの山田宏氏は、ダンロップに対して耐久性に勝ると踏んでいたことから、気温と路面温度が上がった今回のレースは有利に運べたのではないかとコメントした。

上位集団の激しいつばぜりあい
順位ゼッケン・ライダー(チーム名)
12 生形秀之選手(エスパルスドリームレーシング)
2634 水野涼選手(MuSASHi RT ハルク・プロ)
344 関口太郎選手(MISTRESA with HARC-PRO.)
494 浦本修充選手(Team KAGAYAMA)
515 作本輝介選手(Team 髙武 RSC)
617 石塚健選手(WILL-PRAISEracingRS-ITOH)
7392 長尾健吾選手(ミクニ テリー&カリー)
855 國峰琢磨選手(H43 Team-NOBBY)
9090 渥美心選手(au&テルル・Kohara RT)
1074 三原壮紫選手(H43 Team-NOBBY)

表彰台3選手のコメント

表彰台を獲得した3選手
生形秀之選手(エスパルスドリームレーシング)

生形選手:「22周は長く、この(暑い夏の)時期というのもあるので、バイクにも大変厳しい、そしてライダーにも厳しいレースだなと改めて思いました。序盤、同じ(ブリヂストン)タイヤをはいているライダーは強いなと感じましたし、この(表彰台の)3人は同じタイヤなので、終盤は余力を残しつつ、途中で1回前に出て引っ張ってみた。僕としては勝ちにこだわっていたので、あとはプッシュし続けようと思って最後まで攻め続けました」。

「もてぎの前からSUGOで残念なミスがあって落としてしまったので、チームとしても残りの3戦全部勝とうという気持ちで必死にやっています。(今回)1つ勝てたので、残り2つ、しっかり勝とうと思います」。

「(レース後は)泣くとは思わなかったが、不覚にも泣いてしまった。去年、一昨年と、いろんなライバルに(優勝を)阻まれ、今年も勝てていなかった。前戦のSUGOで『ここまでやって勝てないのか』というのが自分としてはショックで、メンタルを強く保つのは僕のレース人生のなかでもけっこう難しかったですね。でも踏ん張りましたし、いろんな方が支えてくれて、本当に勝ててよかったです」。

娘から(幼稚園で)もらったというメダルにご満悦
水野涼選手(MuSASHi RT ハルク・プロ)

水野選手:「今年から(J-GP2に)ステップアップして、このもてぎ戦までけっこう転倒することが多くて、なかなかレース(内容を結果)に結びつけることができずに苦戦していたんですけど、今回表彰台に上がれたことは素直にうれしいです。今回、最後まで完走して2位になってデータもしっかり取れたので、次回の岡山は“次こそは”という気持ちで優勝を目指します」。

関口太郎選手(MISTRESA with HARC-PRO.)

関口選手:「スタートはうまくいって、でも、おがちゃん(生形選手)とごちゃごちゃしていた。その後トップを引っ張ったんですけど、どれくらいのペースで走れば速いのかが分からなくて、とりあえず様子見していて涼(水野選手)に抜かれて、これだったら前に出て引っ張った方がいいのかなぁと思ったりしていた」。

「おがちゃんも言っていたように3人とも同じタイヤなので、たぶんタレも一緒だし、まぁタレないんですけど(会場笑)、ラップタイムを見てもらえれば分かるとおり、ブリヂストンのタイヤは最後までいいタイムで走れていました。まぁ、今回はおがちゃんが強かったと」。

「最後は涼に抜かれて、最終ラップでコケたかな(と思う)くらいのハイサイドをしたんですけど、転ばずに済んだ。コンスタントに表彰台をキープできているので、まあまあいいんじゃないかなと思います。(次戦以降の)岡山、鈴鹿とマシン的に見直せるところは見直して、しっかりトレーニングしていきたいと思います」。