ニュース

BMW、直4 2.0リッターターボ&モーターの新世代PHV「740e iPerformance」発表会

610PS/800Nmの新開発V12 6.6リッターターボを搭載する「M760Li xDrive」も公開

2016年10月13日 開催

1169万円~1240万円(740e iPerformance)

2420万円(M760Li xDrive)

「740e iPerformance」とビー・エム・ダブリュー株式会社 BMWブランド・マネジメント ディビジョン プロダクト・マーケティング マネージャーの岡田裕治氏

 ビー・エム・ダブリューは10月13日、同日から受注を開始した新世代のプラグインハイブリッド(PHV)モデル「740e iPerformance」、7シリーズのトップエンドモデル「M760Li xDrive」の発表会を都内で開催した。価格は740e iPerformanceが1169万円~1240万円、M760Li xDriveが2420万円。両モデルについて、BMWブランド・マネジメント ディビジョン プロダクト・マーケティング マネージャーの岡田裕治氏がプレゼンテーションを実施した。

「740e iPerformance」(左)と「M760Li xDrive」(右)のアンベール
会場には9月20日に受注を開始した世界100台の特別限定車「750Li Centenary Edition(センテナリー・エディション)」も展示。日本には3台が割り当てられ、希望者多数の場合は抽選で購入者を決定する。価格は2146万円

モーターのみで42km走行可能な740e iPerformance

モデルパワートレーン変速機価格
740e iPerformance直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ+電気モーター8速AT11,690,000円
740e iPerformance M Sport12,400,000円

 同社はBMWのサブブランド「BMW i」に搭載する電気駆動技術「eDrive」を採用した新世代ハイブリッドモデルを「iPerformance」と呼んでおり、今回発表された740e iPerformanceとともに「330e iPerformance」「225xe アクティブ ツアラー iPerformance」「X5 xDrive40e」の計4モデルをラインアップ。

 その740e iPerformanceでは、総電力量9.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するとともに、直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンに8速ATと一体化された電気モーターを組み合わせる。

 出力はエンジン単体で最高出力190kW(258PS)/5000rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1550-4400rpm。モーターは最高出力83kW(113PS)/3170rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/3170rpmとなり、システム全体で240kW(326PS)、500Nm(51.0kgm)を発生する。また、モーターのみで42km(JC08モード)まで走行できるほか、モーター走行時でも140km/hまで出すことを可能にした。欧州仕様の0-100km/h加速は5.4秒としている。

740e iPerformanceのボディサイズは5110×1900×1480mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3070mm。車両重量は2110kg(オプション装着の展示車の場合)で、乗車定員は5名。ボディカラーはグレイシャー・シルバー。エクステリアではLEDヘッドライトや18インチホイールなどを装着するとともに、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)などをパッケージにした「ドライビング・アシスト・プラス」を標準装備して安全性を高めている
最高出力190kW(258PS)/5000rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1550-4400rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジン。これにモーターを組み合わせ、システム全体で240kW(326PS)、500Nm(51.0kgm)を発生する。ハイブリッド燃料消費率(JC08モード)は15.6km/L

 走行モードは、電気モーターとエンジンが連動するデフォルトの走行モードで約80km/hまではゼロエミッション走行が可能な「AUTO eDrive」、140km/hまで電気モーターのみで走行できる(キックダウンによりエンジンが始動)「MAX eDrive」、バッテリーの充電量を減らさないように効率的な走行するとともに、ガソリンエンジンで発電も行なう「Battery Control」の3パターン。このほかエンジンレスポンス、ステアリング、トランスミッション、サスペンションのダンピング特性を好みに応じて「COMFORT」「SPORT」「ECO PRO」「Adaptive」の各モードに設定可能な「ドライビング・パフォーマンス・コントロール・ボタン」も備えている。

エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・インテリアを採用する740e iPerformanceのインテリア。インテリアカラーはキャンベラ・ベージュ。運転席と助手席にはマッサージ機能が備わる。リチウムイオンバッテリーを後席下に、ガソリンタンクをラゲッジルームの床下にレイアウトしたことにより、ラゲッジルーム容量は420Lを確保。さらにラゲッジフロアの後端部を折りたたみ式とし、背の高い荷物を収納する際にラゲッジフロアを低くすることで利便性を高めているという
7シリーズを「ラグジュアリーセダンの新たなベンチマークとして確立したい」と意気込みを語る岡田氏

 740e iPerformanceについて、岡田氏は現行740i(直列6気筒ガソリン)と先代モデルのActiveHybrid7(直列6気筒ガソリン+電気モーター)で0-100km/h加速タイムを比較し、現行740iが5.5秒、先代ActiveHybrid7が5.7秒なのに対し740e iPerformanceでは5.4秒を実現していると紹介。さらに「バッテリー容量は先代ActiveHybrid7と比べ約7倍もの大容量となった。これにより、電気モーターのみで140km/hまで、距離にして42kmのゼロ・エミッション走行が可能となった。当社で過去に行なった実証実験によると、日本の都市部のお客様は1日に25km~30km走行するのが一般的だった。つまり平均的な都市部のお客様であれば、毎日充電することによって1滴のガソリンも使わずにクルマを使い続けることが可能になる」と、740e iPerformanceが高い動力性能と環境性能を備えていることをアピールした。

 また、価格については「740e iPerformanceが1169万円、740e iPerformance M Sportが1240万円と戦略的な価格設定とした。何が戦略的かというと、先ほど紹介した現行740i(1225万円)と比べてさらにお買い得になっていて、7シリーズのエントリーグレードとして740e iPerformanceを設定した。この価格設定は他のiPerformanceモデルやクリーンディーゼルモデルでも同じで、私どもとしては環境性能に優れたモデルをより多くのお客様に乗っていただきたい、その結果としてCO2削減に貢献したいと考えている。単に環境性能が高いモデルを世に出したというだけで満足するのではなく、量販の価格帯で台数を売って初めて環境性能に対応するモデルを出した意味がある。2015年の販売開始から非常に多くのお客様にご好評をいただいている第6世代の7シリーズだが、100年の節目にBMWを象徴する2台のモデルを追加することにより、お客様により幅広い選択肢を提供し、ラグジュアリーセダンの新たなベンチマークとして確立したいと考えている」と述べた。

740e iPerformanceのプレゼン資料

610PS/800Nmを発生する新開発V12エンジン搭載のM760Li xDrive

モデルエンジン変速機価格
M760Li xDriveV型12気筒DOHC 6.6リッターターボ8速スポーツAT24,200,000円
M760Li xDrive V12 Excellence8速AT

 一方、7シリーズのトップエンドモデルとなるM760Li xDriveは、最高出力448kW(610PS)/5500-6500rpm、最大トルク800Nm(81.6kgm)/1550-5000rpmを発生する新開発のV型12気筒6.6リッターターボエンジンを搭載。これにインテリジェント4輪駆動システム「xDrive」を組み合わせ、0-100km/h加速3.7秒(欧州仕様)という高性能スポーツカー並みのパフォーマンスを実現した。

 リアアクスルにより大きな駆動力を配分する専用設定の「xDrive」は、ステアリングの切れ角やホイールの回転速度といった車両データをもとにオーバーステアやアンダーステアなどを察知すると、システムが電子制御式多板クラッチを装備したトランスファー・ギヤボックスを介して瞬時に前後アクスルへの駆動トルクを可変配分し、高いロードホールディングを実現。8速スポーツATもV12エンジンの特性に合わせて専用チューニングが施され、よりスポーティなシフト特性を実現したという。

 エクステリアではMエアロ・ダイナミクス・パッケージを装着するとともに、セリウム・グレーのマット塗装が施された専用20インチホイール、ダーク・ブルーのMスポーツ・ブレーキ、Mスポーツ・エグゾースト・システムなどを備えて高性能さをアピール。

ロングホイールベース仕様のM760Li xDrive。ボディサイズは5238×1902×1479mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3210mm。車両重量は2140kg。ステアリング位置は左右から選択できる。20インチホイールを標準装備し、タイヤサイズはフロント245/40 R20、リア275/35 R20。「ドライビング・アシスト・プラス」も標準装備
新開発のV型12気筒6.6リッターターボエンジンは最高出力448kW(610PS)/5500-6500rpm、最大トルク800Nm(81.6kgm)/1550-5000rpmを発生。JC08モード燃費は9.8km/L
インテリアではスカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ、ヒート・コンフォート・パッケージ、リヤ・マッサージ・シートをセットにした「リヤ・コンフォート・パッケージ・プラス」を標準装備。運転席と助手席にもマッサージ機能が備わる。また、「リヤ・シートエンターテイメント・エクスペリエンス」も標準装備することで運転席と助手席のシートバックに10.0インチのカラーディスプレイを装着。加えて後席に備わるタブレットで快適性を高める機能やエンターテインメント機能の設定を行なうこともできる

 そのほかにもキドニー・グリル、フロント・エア・インテーク・トリム、ドア・ミラー・キャップ、サイドのMバッヂ、サイド・トリム・フィニッシャー、ドア・ハンドル・ストリップ、CピラーのV12バッヂ、トランク・リッド・フィニッシャー、リアのモデル・バッジ(M760LiおよびxDrive)、エキゾースト・テールパイプに専用のセリウム・グレーの塗装を施すことでダイナミックな個性を演出している。

 また、究極のエレガンスを強調するモデルとして「Excellence」もラインアップしており、同モデルには20インチホイール、フロントバンパーに追加されるクローム・インサート、左右のエキゾースト・テールパイプを取り囲むクローム・インサートにより構成される「デザイン・ピュア・エクセレンス・エクステリア」を装着。加えてリアとCピラーにはクロームのV12とxDriveのバッヂが付くのが特徴の1つになっている。

搭載エンジンについて
0-100km/h加速は3.7秒(欧州仕様)
価格について