ニュース

トヨタ スポーツ800オーナー協議会がオークション売上金を交通遺児育英会に寄付

50年以上愛され続けているトヨタ スポーツ800のデモ走行も披露

2017年2月23日 開催

寄付金贈呈式に参加したトヨタ スポーツ800オーナーズ協議会のメンバーと交通遺児育英会 石橋専務理事

 東京・お台場のアミューズメント施設「メガウェブ」で2月23日、トヨタ スポーツ800オーナーズ協議会による寄付金贈呈式が実施された。

「トヨタ スポーツ800」は、1965年に発売が開始された800ccの水平対向2気筒エンジンを搭載する2人乗りのスポーツカー。生産台数はわずか3057台で、発売からすでに50年以上が経過しており、現時点で国内に生存する使用可能な車両は約900台程と希少価値の高いクラシックカー。

トヨタ スポーツ800オーナーズ協議会の活動方針とこれまでの活動内容を解説する 代表の杉山泰成氏

 トヨタ スポーツ800オーナーズ協議会は、生存車の状況調査と生存リストを作成。オーナー間のコミュニケーションとオーナーへのイベント情報の提供、交換困難な部品の対応(限定部品の補給再開、設計図面の入手など)を継続課題として活動している。

 2016年11月に富士スピードウェイで開催された「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016」のイベント前日に行なわれた参加者懇親会の二次会で、トヨタ スポーツ800に関連するオークションを実施。団体の活動方針と自動車文化の発展やレガシーの保存という趣旨から、この売上金が「交通遺児育英会」に寄付されることになった。贈呈式ではトヨタ スポーツ800オーナーズ協議会の代表である杉山泰成氏から、交通遺児育英会に石橋専務理事に寄付金の目録が手渡された。

トヨタ スポーツ800オーナーズ協議会代表の杉山氏から交通遺児育英会 石橋専務理事に寄付金の目録が手渡された
交通遺児育英会 石橋専務理事から、交通遺児育英会の活動内容の説明と寄付金に対するお礼の言葉が述べられた
オークションで最高値で落札されたという、トヨタ スポーツ800のイラストとオーナメントがデザインされたオイルライター

 寄付金のもとになったオークションでは、トヨタ スポーツ800の使用済みの中古パーツや記念アイテムを中心に出品。趣旨として、クルマ社会でクルマの楽しさを味わっている者として、クルマの負の部分に遭遇した人に対して支援・貢献することは当然であるとの考えから交通遺児育英会に寄付されることになった。一方で、古いクルマを大切にするオーナーは「Reuse」「Rebuilt」「Recycle」を日ごろから心がけており、環境に対する関心も高いという。クラシックカーは走行する機会がそれほど多くないことから、排出ガスなどの環境負荷は極少で、とくに排気量が小さいトヨタ スポーツ800は排出するガスも少ないとアピールしている。

 また、部品がほとんど供給されなくなった状況下ながら、外した部品や余った部品、キープしておいた部品などをオーナー間のオークションでシェアすることで、生存車のレストアを推進することが可能になり、使われていない部品でクルマの息を吹き返すことが可能なことも語られた。なお、オークションの売り上げは11万3304円で、全額を交通遺児育英会に寄付することで参加者の了解が得られている。

 このほか、贈呈式の実施後にはトヨタ スポーツ800オーナーズ協議会のメンバーにより、トヨタ スポーツ800のデモ走行も披露された。メガウェブに設営された全長1.3kmの試乗コース「ライドワン」が舞台となり、会場に足を運んだ見学者も参加可能な同乗走行の時間も設けられ、貴重な体験の機会が提供された。

来場者も参加可能なトヨタ スポーツ800同乗走行の時間が設けられ、メガウェブに設営されている全長1.3kmの試乗コース「ライドワン」を走行
トヨタ スポーツ800によるデモ走行シーン(1分42秒)
どの車両もきれいにレストアされ、今でも現役と言える力強い走りと心地よい排気音をデモ走行で披露した
個性的で愛らしい表情のフロントマスク。フロントバンパーは金属とラバーで構成されたスタイリッシュなデザイン
リアウィンドウは左右がラウンドしていて後方視界が良好。トランクはタルガトップのルーフを外して搭載可能な広さを確保している
アンテナは格納式。トランクのヒンジにもメッキ加飾が施されている
リアバンパーもフロント同様のデザインで、リアビューをすっきりと引き締めている
ピカピカに磨かれたフロントノースのオーナメント
クロームメッキのフェンダーミラーも存在感のあるアイテム
ボンネットには放熱用のエアダクトが設けられている
フロントフェンダー上部に配置された流線型のランプ
ルーフから伸びたアームで固定された小ぶりのルームミラー
個性的なデザインのドアノブ
ホイールは12インチでタイヤサイズは155/60 R12。今どきのエコタイヤにも装着可能なサイズがあり、タイヤでは困らないとのこと
軽量ボディに800ccのエンジンを搭載して軽快な走りを実現
給油口は運転席の後方に設置。こちらもメッキ処理されている
後方のピラーに換気用のダクトを設定する
ヘッドレストのない純正シート。タイトに見えるが、座り心地もよくてホールド性は十分
アナログの機械式メーターがノスタルジックな雰囲気。速度計は180km/hまで刻まれている
盛り上がったフロアのセンターから生えるマニュアルのシフトノブ
気軽にオープン走行を楽しめる脱着可能なタルガトップを採用
ドアの低い位置に開閉用のノブを配置している

【お詫びと訂正】記事初出時、記事内の英語表記のスペルが一部間違っておりました。お詫びして訂正させていただきます。