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三菱ふそう、燃費性能5~15%改善する新型「スーパーグレート」を2017年第2四半期(4~6月)に投入

新開発7.7リッター/10.7リッターエンジンやAMTなど新技術を発表

2017年2月28日 発表

新型「スーパーグレート」

 三菱ふそうトラック・バスは2月28日、2017年第2四半期(4~6月)の発売を予定する新型「スーパーグレート」に採用する新技術を発表した。同モデルは、新開発の7.7リッターと10.7リッターエンジンやAMT(12段機械式自動トランスミッション)を採用するなど、燃費性能を5%~15%改善するとしている。

新型「スーパーグレート」のティザー画像

 同日開催された説明会において、同社 大型トラックプロジェクトリーダーのトーマス・デッカー氏、同 開発本部長のアイドガン・チャクマズ氏が新型スーパーグレートについて説明。新型スーパーグレートは、7.7リッター、10.7リッターと2種類のエンジンを新開発し、トランスミッションは全モデルAMT「ShiftPilot」を搭載。さらに衝突被害軽減ブレーキ「ABA4」「AMB plus」などの採用により、「安全性」「経済性」「快適性/操作性」においてベンチマークになるモデルになると強調した。

三菱ふそうトラック・バス株式会社 大型トラックプロジェクトリーダーのトーマス・デッカー氏
三菱ふそうトラック・バス株式会社 開発本部長のアイドガン・チャクマズ氏

 新開発の7.7リッター「6S10」エンジンは出力別に2タイプを用意。定格出力260kW(354PS)と280kW(380PS)で、最高トルクはいずれも1400Nmを発生する。また、10.7リッターの「6R20」エンジンは出力別に計4タイプを用意する。定格出力265kW(360PS)と最高トルク2000Nm、定格出力290kW(394PS)と最高トルク2000Nm、定格出力315kW(428PS)と最大トルク2100Nm、定格出力338kW(460PS)と最大トルク2200Nmの計4タイプ。

新開発の7.7リッター「6S10」型エンジン
「6S10」型エンジンに採用された2ステージターボチャージャー
新開発の10.7リッター「6R20」型エンジン
「6S10」型エンジンに採用されたアシンメトリックターボチャージャー

 説明会の中で、新開発のエンジンは従来モデルより排気量をダウンサイズしたことで、10.7リッターエンジンで170kg、7.7リッターエンジンで540kgの軽量化ができるとし、開発本部長のチャクマズ氏は「積載量を重視されるユーザーに合わせてエンジンの種類を最適化させた」とコメント。さらに、トランスミッションは全モデルに新開発AMT「ShiftPilot」を採用したことにより、チャクマズ氏は「(パワートレーン全体として)モデルにより燃費性能を5%~15%改善する」との考えを示した。

前進12段/後退2段となる新開発のAMT「ShiftPilot」
用途に合わせて3タイプを設定。自動運転に向けてシフトの制御ができないMTモデルを廃止して全モデルでAMTを採用した

 安全性能では2019年に義務化される衝突被害軽減ブレーキ第2段階規制に適合する「ABA4」「AMB plus」を採用するとともに、ドライバーモニターカメラが顔の動きを捉え、運転注意力を監視する「アクティブ・アテンション・アシスト」、ドライバーの死角となる箇所をレーダーによりモニタリングし注意を促す「アクティブ・サイドガード・アシスト(国内初)」などを採用する。

赤外線カメラシステムでドライバーの顔の動きを捉えて運転注意力を監視する「アクティブ・アテンション・アシスト」
2019年に義務化される衝突被害軽減ブレーキ第2段階規制に適合するABA4を採用
左死角に隠れた危険を警告する安全装置「アクティブ・サイドガード・アシスト」を国内初採用
ドライバーの負担を軽減させ快適性を高める安全装備を充実させた

 そのほか、オートクルーズを使用中にGPSと3D地図情報によって道路勾配を予測して省燃費走行を図るシステム「パワートレイン3D予測制御」を採用。登降坂の多い高速道路で効果を発揮するといい、エコロール(慣性走行)を取り入れた走行で無駄な燃料消費を回避して燃費を向上させるという。

オートクルーズを使用中にGPSと3D地図情報によって道路勾配を予測して省燃費走行を図るシステム「パワートレイン3D予測制御」
主に高速道路の道路勾配を利用して積極的にエコロール(慣性走行)を取り入れた走行で燃費を向上させる

 同社 大型トラックプロジェクトリーダーのデッカー氏は「小型の新エンジンやAMTを搭載して経済性を高めるとともに、センサーやカメラなどを採用した今後の自動運転の基礎となるモデル。2017年に投入するのは最も経済性が高く、非常に安全なトラックになる」との考えを述べ、新型スーパーグレートは、経済性、安全性、快適性においてベンチマークになると自信を示した。

新型「スーパーグレート」の開発にあたって日本市場のユーザーの声を集めて開発したという