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三菱ふそう、航続距離100kmを実現する電気小型トラック「eCanter」世界初公開

2017年後半から米国、日本、欧州で導入開始

2016年9月21日(現地時間)発表

 三菱ふそうトラック・バスとダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ(DICV)が協業を行なうダイムラー・トラック・アジア(DTA)は9月21日(現地時間)、ドイツ ハノーバーで開催される商用車ショー「2016年度IAA国際モーターショー」(会期:9月22日~29日)で、電気小型トラック「eCanter」を世界初公開すると発表した。同モデルはポルトガル・トラマガル工場および川崎工場で製造され、2017年後半から米国、日本、欧州で導入を開始する予定。

 2010年のIAA国際モーターショーで第1世代の電気トラックがデビューし、今回で第3世代となる新型電気トラックのeCanterでは、出力185kW、最大トルク380Nmの電気モーターを搭載するとともに、13.8kWhのリチウムイオンバッテリーを3~5個にパッケージ化。5個搭載した場合、車両総重量(GVW)7.5tクラスで1日100kmの走行が可能で、充電にかかる時間は200Vの充電器で約7時間、急速充電で1時間弱程度としている。

 また、eCanterの輸送積載量は2~3tで、ディーゼル車と比べ走行1万kmあたり1000ユーロのランニングコスト削減、維持費30%を削減できることから、初期費用は2年で回収できるという試算も公表している。

 そのほかeCanterでは、車両のあらゆる部分の異常を検知するとともに、1日の走行距離や走行期間内の充電状態、また配送状況や燃費データなどの表示も可能にした。さらにデジタルコントロールパネルと配車担当者のコンピューターをつなぎ、配送担当者は作業内容をドライバーに送信、ドライバーは集荷・配達時間を配車担当者に返信するといったことも行なえるという。

 eCanterについて、ダイムラー・トラック・アジア総責任者兼MFTBC代表取締役社長・CEOのマーク・リストセーヤ氏は「私たちは、お客様と社会、さらには地球のために、持続可能かつ信頼性の高い輸送ソリューションの未来を考え、開発に取り組んでいます。電気トラックの『eCanter』に、私たちのこうした考えを体現しました。DTAはハイブリッドと電気トラック技術の分野で、ダイムラー・トラックの中核を担っています。実用供試の成功で、私たちは世界に向けて最新の技術革新を披露することができます」とコメントを発表している。