ニュース

ホンダ、フェルナンド・アロンソ選手がF1 モナコGPを欠場して「インディ500」参戦

佐藤琢磨選手も在籍する「アンドレッティ・オートスポーツ」から出場

2017年4月12日 発表

5月28日に開催される「インディ500」の参戦が決定したフェルナンド・アロンソ選手

 本田技研工業は4月12日、マクラーレン・ホンダからFIA フォーミュラ・ワン世界選手権に参戦しているフェルナンド・アロンソ選手が、5月28日に開催されるインディカー・シリーズのシーズン第6戦「インディアナポリス500マイルレース」に参戦すると発表した。

 レースオペレーションは、佐藤琢磨選手が2017年から在籍している「アンドレッティ・オートスポーツ」が担当し、エントリー名は「マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ」となる。なお、アンドレッティ・オートスポーツではレギュラーシーズンを戦っているホンダエンジン搭載マシンに、アロンソ選手のドライブするマシンを加えてインディ500に臨む。同じ5月28日に開催されるF1 第6戦 モナコGPはアロンソ選手が欠場となり、代わりを務めるドライバーは追って発表される。

 以下、アロンソ選手、チーム関係者などのコメント

フェルナンド・アロンソ選手のコメント

「マクラーレン、ホンダ、それにアンドレッティ・オートスポーツとともにインディ500に出場できることをとてもうれしく思います。インディ500はル・マン24時間とF1モナコGPに並び、世界中のモータースポーツの中で、もっとも有名なレースです。今年モナコでドライブできないことはもちろん残念ですが、今シーズンF1で欠場するのはモナコだけですし、インディ500が終わったらすぐにチームに合流し、6月のカナダGPに備えます」。

「これまでインディカーをドライブしたことはなく、スーパースピードウェイでもレースをしたことはありませんが、すぐに順応できる自信があります。インディカーレースはTVやインターネットでよく見ていますが、350km/hを超えるハイスピードでの接近戦になるので、ドライビングに高い正確性が求められることは間違いありません。かなり短い期間でマシンに慣れる必要がありますが、スペインGP終了後すぐに渡米し、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティのマシンでできるだけ多くの周回を重ねて、マシンを自分のものにしていきたいです。とても優秀なアンドレッティ・オートスポーツのクルーと一緒に仕事ができることをとてもうれしく思っていますし、彼らが持つ知識と経験から多くのことを吸収しようと思います」。

「モナコでは2勝をあげていますし、世界三大レースのすべてを制することは私の夢の1です。その偉業を成し遂げたのはグラハム・ヒルただ1人で、とても大変なことはわかっていますが、挑戦しがいのあるチャレンジです。ル・マンにはいつチャレンジできるかわかりませんが、まだ35歳ですし、時間はたっぷりありますから、いつか挑戦したいと思っています」。

McLaren Technology Group Executive Director ザック・ブラウン氏のコメント

「私は若い頃からのF1ファンですが、アメリカ国民の1人としてインディ500は特別で素晴らしいレースだと常に思っていました。ですから、自分がマクラーレンの代表になった初年度に、その舞台にマクラーレン・ホンダのマシンを送り込むことが出来て、とても感慨深いです。マイケルは昔からの友達で、非常に尊敬している人物です。また、アンドレッティ・オートスポーツは優れた組織力を持つレーシングチームの1つで、勝ち方を熟知しています。事実、昨年のインディ500では初参戦のアレクサンダー・ロッシ選手が優勝していますし、アロンソ選手がそのようなチームでインディカーのデビュー戦を迎えることを非常にうれしく思っています。同時に、今回のプロジェクトはホンダの後押しとサポートがなければ実現しなかったのは言うまでもありません」。

「マクラーレン・ホンダ・アンドレッティのマシンは、マクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンによりデザインされ、かつてインディ500で勝利を収めているパパイヤオレンジのカラーリングと、現在のマクラーレン・ホンダのスポンサーロゴをまとって、今年のインディ500に出走します」。

「アロンソ選手がインディ500で勝てるかどうか、安易な予想はしませんが、その可能性はあると思います。彼がドライブするチームは、昨年ホンダエンジンを載せて優勝しており、そして彼は世界最高のドライバーであると考えれば、説得力のある組み合わせでしょう」。

「とは言え、アロンソ選手はスーパースピードウェイに慣れるために相当な努力が必要です。しかし、それはあらゆるモータースポーツに共通する要素ですし、間違いなく彼はその才能をもっているうえに、勇敢で度胸もあります。また、F1とインディカーの違いは昔ほどでは無く、F1の車重はインディカーとほぼ同じですし、いまやF1マシンはインディカーよりもパワーがでるようになりました」。

「私はインディアナポリスに行ってブリックヤードへのマクラーレンの帰還を見守ろうと思います。同じ日にモナコGPを戦っているエリックとは、いつも通りに連絡を取り合います」。

Andretti Autosport CEO マイケル・アンドレッティ氏のコメント

「101回目のインディ500でマクラーレン・ホンダとパートナーを組み、フェルナンドをアンドレッティ・オートスポーツの一員に迎えられ、とても光栄です。こんな素晴らしい機会を与えてくれたザク・ブラウン、ホンダとマクラーレンに感謝します。この新しいパートナーシップのため周到に計画を組んできましたし、素晴らしい5月を迎えるための準備は整っています。インディ500で勝利するという、フェルナンドのキャリアの中で最も大きな目標の1つを叶えられる舞台を用意することが、とても待ち遠しいです」。

「フェルナンドがスーパースピードウェイを走った経験がないことは心配していません。インディ500は練習に費やせる時間が十分にあり、ルーキーがデビューするのに相応しい舞台だと思いますし、我々が証明したようにルーキーが勝利した実績もあります。フェルナンドは優れた才能の持ち主ですし、彼がマクラーレン、ホンダ、そしてアンドレッティ・オートスポーツのために、素晴らしい走りをしてくれることは間違いありません。フェルナンドの参戦により、アンドレッティ・オートスポーツからは6台での参戦となり、その6台がそれぞれ協力してセットアップを詰めていきます。そうすることで、アンドレッティ・オートスポーツとして更に競争力を上げ、際立つ存在になれると思っています」。

本田技研工業 執行役員 ブランド・コミュニケーション本部長 森山克英氏のコメント

「アロンソ選手のかねてからの夢であるインディ500に、マクラーレン・ホンダとして、アンドレッティチームと共に参戦する体制が整ったことを嬉しく思います。ホンダがエンジンサプライヤーとして、今回の歴史的なプロジェクトの一翼を担うことができることを大変光栄に感じていますし、マクラーレン・ホンダのチャレンジに賛同し、プロジェクトへの協力を快く申し出てくれたアンドレッティ氏に感謝を申し上げます。現役世界最高ドライバーのアロンソ選手が、世界最高峰レースの一つであるインディ500において素晴らしい活躍をしてくれると信じていますし、ホンダとしても彼とチームに対して最大限のバックアップをしていきたいと思っています。伝統の舞台に立つアロンソ選手の姿を、今からとても楽しみにしています」。