ニュース

トヨタ、発電効率55%を達成するハイブリッド発電システムを元町工場で実証運転

燃料電池とマイクロガスタービン、コージェネ採用で総合効率は65%

2017年4月26日 発表

発電効率55%を達成するハイブリッド発電システム(コージェネレーションの採用で総合効率は65%)

 トヨタ自動車は4月26日、同社元町工場(愛知県豊田市)敷地内に燃料電池(固体酸化物形燃料電池)とマイクロガスタービンを組み合わせて発電効率55%を達成するハイブリッド発電システム(加圧型複合発電システム)を設置して実証運転を開始した。

 今回導入したハイブリッド発電システムは、トヨタとトヨタ子会社のトヨタタービンアンドシステム、三菱日立パワーシステムズが共同開発したもの。

 導入されたハイブリッド発電システムは、天然ガスを改質して取り出した水素と一酸化炭素を使い、燃料電池とマイクロガスタービンのそれぞれで発電する2段階の発電機構を採用して定格出力は250kW。加えて、発電で生じる排熱をエネルギーとして活用するコージェネレーション(熱電併給)を採用して、発電された電力と排熱を元町工場内で使用する。

 2段階の発電により発電効率55%を達成するとともに、コージェネレーションの採用により、総合効率は65%と低炭素社会実現に向けた有効な技術と同社は位置付けている。

 今回の実証運転は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「円筒形SOFC-マイクロガスタービンハイブリッドシステムの市場投入に向けた技術実証」の一環として実施され、同社は今回のハイブリッド発電システムの導入と実証結果などを踏まえて、工場内での効率的水素活用技術の開発と導入を進めて、2015年に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つである、「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、工場CO2排出量低減の取り組みを進めていくとしている。

ハイブリッド発電システム
ハイブリッド発電システムの概要