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GM、10速ATや“ラインロック機能”などをV8モデルで採用した新型「シボレー カマロ」発表会

「渋谷キャスト」で11月25日まで3モデルを車両展示

2018年11月22日 開催

新しい「シボレー カマロ SS」とゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 若松格氏

 ゼネラルモーターズ・ジャパンは、シボレーブランドのスポーツクーペ「カマロ」をフェイスリフトして11月22日に発売。これに合わせ、同日に東京 渋谷の「渋谷キャスト」で発表会を開催した。

 1967年に初代モデルが発売され、現行モデルは6代目となっているカマロは4人乗りのFR(後輪駆動)スポーツカー。直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する「カマロ LT RS」(529万2000円)と「カマロ コンバーチブル」(615万6000円)、V型8気筒OHV 6.2リッター直噴エンジンを搭載する「カマロ SS」(680万4000円)をラインアップ。このほか、フェイスリフト内容の詳細は、関連記事の「GM、スポーツクーペ『カマロ』をフェイスリフト。ラインロック&ローンチコントロール搭載」を参照していただきたい。

フェイスリフトした新型「シボレー カマロ」発表会(2分21秒)

カマロ SS

カマロ SSのボディサイズは4785×1900×1345mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2810mm。車両重量は1710kg
カマロ SSに搭載するV型8気筒OHV 6.2リッターの直噴自然吸気エンジン。最高出力333kW(453PS)/5700rpm、最大トルク617Nm(62.9kgfm)/4600rpmを発生
タイヤサイズはフロントがP245/40 ZR20、リアがP275/35 ZR20
カマロ SSのボンネット上には大型のエクストラクタースタイルフードを設定
フロントグリル中央に設定された「オープンボウタイ」は中央部分が開放型となっており、エンジンルーム内に流入するエアフローを毎分3m3増加させ、長時間のサーキット走行では冷却水やエンジンオイルの温度を1.2℃低減する効果を持つ
トランクリッドにスポイラーを装備。中央部分にルームミラーに映像を映す「リアカメラミラー」用のカメラをレイアウト
マフラーエンドは片側2本出しのデュアルタイプ
LED式のリアコンビネーションランプには立体的な造形が与えられ、外周部分をブラックアウトしてクールなイメージを演出する
カマロ SSのインテリア。ATが8速から10速に多段化しており、本革巻ステアリングにパドルシフトを備える

カマロ LT RS ローンチエディション(20台限定販売)

限定車のカマロ LT RS ローンチエディション(561万6000円)。ボディカラーはカマロのヘリテージを印象付ける鮮やかなオレンジの「クラッシュ」
ベースモデルと同デザインで、カラーリングがブラックとなる専用アルミホイールを特別装備。タイヤサイズは前後P245/40 R20
ボンネットからルーフ、トランクリッドまで連続する「フルレングスセンターデカール(ブラック)」を装着
LEDヘッドライト&LEDシグネチャーランプを全車標準装備
開口部はコンパクトながら、トランク内は奥行きが深くたっぷりとした容量を確保。フロア下にも収納スペースを用意する

カマロ コンバーチブル

カマロ コンバーチブルのボディサイズは4785×1900×1350mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2810mm。車両重量は1680kg
カマロ コンバーチブルに搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジン。最高出力202kW(275PS)/5500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/3000-4000rpmを発生
タイヤサイズは前後P245/40 R20。ブレーキは前後ベンチレーテッドディスク
リアコンビネーションランプは、ヘッドライトの点灯に合わせて外周部分が赤く発光
マフラーエンドは両側から1本ずつ出るタイプ
トランクリッドにシャークフィンアンテナとスポイラーを装備
ラゲッジスペースはオープンしたソフトトップの格納場所と共有。セパレーターを固定して荷物と干渉しないようにする
カマロ コンバーチブルのインテリア。内装色は「ジェットブラック/アドレナリンレッド」
大型2連メーターの中央に液晶表示のマルチインフォメーションディスプレイを設定。タコメーターのレッドゾーンは7000rpmからで、270km/hスケールメーターも備える
ステアリングスポークの両側に表示切り替えやハンズフリーフォンの操作スイッチなどをレイアウト
パーキングブレーキは全車電動式。センターコンソールにモード切り替え用のスイッチも用意する
中央下側に設置するエアコン吹き出し口のベゼルをエアコンの温度調整ダイヤルとして活用
8インチディスプレイを採用するインフォテイメントシステム「シボレー MyLink(マイリンク)」は「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応
ドアトリムのソフトパッドも赤と黒のコンビネーションとなる。トランクリッドのオープナーをドアパネルの下側に設定
キッキングプレートに大きく「CAMARO」の文字が入る
アクセルペダルはオルガン式

6代目カマロ購入者の30%が20代以下

発表会でカマロなどについて語る若松氏

 発表会ではゼネラルモーターズ・ジャパン 代表取締役社長 若松格氏が登壇。若松氏はカマロが同社のビジネスで「コアを担うモデル」になっていると紹介し、日本市場でのシボレーブランドや同社ビジネスの展開について解説。GM車が1915年に日本市場に導入されてからすでに103年が経過し、同社も1927年の創業から2017年で90周年を迎えていると紹介。「今後の100年に向けてさらに力強く邁進してまいりたいと思います」とコメントした。

 日本市場ではシボレーブランドの中でも「アメリカ車らしい」「力強いスポーツカー」をラインアップの中心として、カマロに加えて「コルベット」などを「アイコニックシボレー」として位置付けて商品展開。ターゲットを絞り込んだニッチなマーケット展開に舵を切ったことにより、販売台数は一時的に減少となったが、2017年からは台数の増加に転換。2018年は10月末時点で721台を販売し、前年度実績を更新するペースであることをアピールした。

 その勢いの牽引役となっているカマロは「流麗なクーペスタイル」「パワフルなV8エンジン」によってアメリカンスポーツを象徴するモデルとして認識され、日本市場では20年以上の歴史で累計2万台以上を販売しているという。

 また、若松氏は自身が初めて手に入れたクルマが3代目カマロだったと語り、「個人的な話ですが、ウチのかみさんと初めてデートした時にもカマロに乗っていました。それだけに、非常に思い入れのあるクルマです」というエピソードを語った。

 6代目となる現行モデルのカマロは「Evolution is never without purpose=理由なき進化はない」をコンセプトに開発され、カマロとしてのDNAを着実に継承しつつ、「無駄のない引き締まったスタイリング」「カマロ史上最も力強いV8エンジン」「軽量かつ高剛性のボディ」などで着実な進化を遂げていると解説した。また、カマロ史上最も高効率な2.0リッター直列4気筒ターボエンジンの搭載も非常に大きな進化点であると語った。

 2017年11月に6代目カマロを発売してからの購入者データでは、同社の予想に反して7割以上の購入者が新規ユーザーという嬉しい誤算になったことを明らかにし、さらに「若者のクルマ離れ」が叫ばれる昨今において、30%のオーナーを20代以下の人が占めていることは、同社が進めているアメリカ車の文化振興という面で大きな意義があるとした。また、V8エンジンのイメージが強いカマロだが、時代の要請に応えて新設定した2.0リッター直列4気筒ターボエンジンは、販売比率で6割の購入者から選択されていることも明らかにした。

シボレーモデルの2016年~2018年の販売台数
6代目カマロは新規顧客や若いユーザーの取り込みに大きく貢献している
さまざまなソーシャルメディアを活用して、どんな人がどのような形でカマロに興味を持っているのか情報収集
カマロのオーナーは心から自分のクルマを愛し、カマロに乗ることでライフスタイルや人間関係に広がりや変化が生じていると分析
5月に富士スピードウェイでシボレーブランドのファンイベントを初開催。2019年の開催を熱望する参加者の声も寄せられており、若松氏は「ぜひ応えなきゃいけない!」とコメントした
カマロに試乗した人から寄せられた感想の一部も紹介された

 今回行なわれたフェイスリフトでは車両前後のデザインを変更。さらに1960年代のレースシーンで親しまれていた「Sunoco Blue」をイメージのベースにして、メタリックカラー化を行なって現代的なテイストに仕上げた新色「リバーサイドブルーメタリック」をイメージカラーとして追加。これにより、これまでにカマロが持っていた「アメリカンマッスル」「ポップ」というイメージに、「クールでかっこいい」キャラクターを加えているという。

 一新されたフロントマスクでは、バンパー両サイドに新設した開口部から走行風を取り入れ、フロントタイヤ側に通過させていくことで空気抵抗を低減する「エアカーテン」を採用。カマロ SSではボンネット中央に大型エクストラクタースタイルフードを設定して、エンジンルーム内の冷却とエアロダイナミクス向上を両立させている。

 パワートレーンでは、V型8気筒エンジンに組み合わせるトランスミッションを8速ATから新開発となる10速ATに変更。ギヤレンジの拡大によって高速巡航時のエンジン回転数を抑制して走りの洗練度を向上。また、クロスレシオ化も図って最適なエンジン回転数が維持できるようにし、あらゆる回転域でパワーとトルクを最適化している。

 これに加えてカマロ SSでは「カスタムローンチコントロール」「ラインロック」を標準装備化。若松氏は「(ラインロックによるバーンアウトは)日常では使っていただきたくない装備ではありますが」と前置きしつつ、アメリカンマッスルカーであるカマロの魅力を表現する機能であると語った。また、内装での進化として、カマロ SSにカメラ映像を鏡面に表示する「リアカメラミラー」を採用している。

 このほかに若松氏は、フェイスリフトした新しいカマロを同日から11月25日まで渋谷キャストで一般公開し、2019年1月12日~14日に全ディーラーに試乗車を配備した「全国統一デビューフェア」を実施することも紹介している。

ボディカラーに新色「リバーサイドブルーメタリック」を追加。フロントバンパー両サイドに走行風を使ってフロントタイヤの空気抵抗を低減する「エアカーテン」を新設
巡航走行時のエンジン回転抑制、クロスレシオ化で最適なエンジン回転数を活用する10速ATを新採用
カマロ SSは「カスタムローンチコントロール」「ラインロック」を標準装備
207万画素の「フルHD相当」でカメラ映像を表示する「リアカメラミラー」
新しいカマロのラインアップと車両価格
初代カマロで人気を集めた「Hugger Orange」のヘリテージを、「クラッシュ」という名称のボディカラーで表現した新しいカマロの導入記念限定車「カマロ ローンチエディション」も合わせて発売
20台限定の「LT RS ローンチエディション」は561万6000円、30台限定の「SS ローンチエディション」は712万8000円で販売される
渋谷キャストのガーデンフロア「SPACE(スペース)」で行なわれているカマロの展示風景。アメリカンキャンピングトレーラーの「エアストリーム」を使った特設ベーカリーも用意されている
特設ベーカリーでは、「カマロチリホットドッグ」「カマロトリコロールクロワッサン」といった特別メニューも販売
特別メニューの紹介
ホットコーヒーにはカマロバッヂ入りのスリーブが使われている
特設ベーカリーの脇にはソファーなどが用意され、特別メニューを楽しみながら展示車が眺められるようになっている