アウディ、「Q5デビューフェア」開催 最大規模の店舗「Audi豊洲」を訪問 |
アウディ ジャパンは6月6日~7日、ミッドサイズSUV「Q5」の発売に伴い「New Audi Q5デビューフェア」を開催した。Q5は、6月2日に発売されたA5/A4プラットフォームベースのSUV。
デビューフェアは全国102店舗のアウディ正規ディーラーで開催されたが、その中でも最新かつ最大の店舗であるAudi豊洲を訪れてみた。
■個人ユーザーがメインの大型店
Audi豊洲は東京都江東区豊洲に2008年11月にオープンしたばかりの店舗。地下鉄有楽町線と新交通ゆりかもめの豊洲駅から徒歩約10分の立地で、周囲は大型マンションが林立する住宅街だ。同店の商圏には企業や官公庁の多い銀座なども含まれているが、主な顧客は周辺住民と葛飾区、墨田区、江東区、江戸川区など住宅地の多い城東地区の住人、つまり企業よりも個人だ。旗艦店であると同時に地域密着型店舗であるとも言える。Audi豊洲の川嶋一男店長によれば「車を持っていない、初めて車を買うお客様も多い」とのことだ。
Audi豊洲は、アウディの全世界統一店舗運営コンセプトである「ターミナルコンセプト」を日本で初めて取り入れた店舗で、建物の外観や内装、従業員の服装、サービスなどすべてがコンセプトに乗っ取っている。
またAudi豊洲は、全国に9カ所しかない「R8ディーラー」の1つでもある。R8は言わずとしれたアウディのフラッグシップスポーツカーで、高性能スポーツカーゆえ販売、メンテナンスを行える拠点は限られている。
大型店らしく、1階に最大12台を展示できるフロアを、2階には認定中古車の展示フロアを、地下には10の整備ベイを持つ。アウディジャパンのラインアップは現在、A3からR8まで全21モデル。その半分以上を展示するスペースがあるということになる。
手前からQ7、Q5、A4アバント |
■プレミアムブランド、でもフレンドリー
12台を展示できるフロアだが、デビューフェアでは展示車両を絞り、Q5をクローズアップした構成に変えた。通りに面したフロアの一等地にQ5を置き、その左右にA4アバントとQ7を並べた。この2台はQ5との比較対象であり、「Q5では小さすぎる」あるいは「大きすぎる」といったニーズに応える関連製品でもある。
試乗車も、アウディのすべてのモデルを常備するわけにはいかないので入れ替えがあるが、フェアではQ5の試乗車が確保されている。国産ディーラーのフェアによくある来場者プレゼントのような“客寄せ”はないが、Q5に興味がある顧客の要望に応えられる体制がきちんと整えられている。
いかにもプレミアムブランドのアウディらしいショールームゆえ、足を踏み入れるのがはばかられるという人もいると思われるが、川嶋店長の運営方針は「フレンドリーで気軽に入れる」ことだ。
その理由は「アウディはプレミアムブランドですが、敷居が高く気軽に入れない店舗では、アウディの車を見ていただくチャンスを失ってしまう」から。取材日は天候がよかったこともあって、ベビーカーを押した付近の住民と思われる人々が、散歩や買い物の途中といった風情でふらっと立ち寄る様子をひっきりなしに見ることができた。
また、ショールームに入った人にも「しつこくコミュニケーションをとろうとするというスタンスは持ちたくない」と言う。ただし、車は見ただけでは分からないところも多い製品なので「セールススタッフはきちんと商品の知識を身に着け、十分な説明をできるように備えている」。そのため、アウディジャパンによるセールストレーニングなどの機会には頻繁にスタッフを派遣している。
6月3日に掲載した記事「アウディ ドライビング エクスペリエンスでQ5を試乗」は、GKNドライブラインのテストコースでの報道関係者向けQ5試乗会をリポートしたものだが、この試乗会の後も2週間、テストコースを借り続け、全国のセールススタッフ向けの同様な研修を行ったのだそうだ。Audi豊洲のスタッフも参加したと言う。
安心して気軽に入れる店を作る一方で、プレミアムブランドらしいホスピタリティやサービスは当然、提供している(これらのターミナルコンセプトもとづくサービスは関連記事を参照してほしい)。また、駅から歩くには少し遠く、前述のように車を持っていない来店者も多いというAudi豊洲特有の事情を踏まえ、送迎を充実させるなどの独自のサービスも行っている。
(編集部:田中真一郎)
2009年 6月 10日