シトロエン、新型C3を発表
全車にグラスルーフの「ゼニス フロントウインドウ」を装備

2010年5月6日発売
209万円~239万円



 プジョー・シトロエン・ジャポンは5月6日、新型「シトロエンC3」を発売した。新型の特徴はフロントウインドウと一体化したグラスルーフ「ゼニス フロントウインドウ」を採用、広い視界の「VISIODRIVE(ビジオドライブ)」というコンセプトを打ち立てたこと。

 グレードは「C3」と「C3 Exclusive」の2つが用意され、1.6リッターのエンジンと4速ATの組み合わせや駆動方式、ドア数、ボディータイプに違いはない。いずれも右ハンドルのみ用意される。価格は「C3」が209万円、「C3 Exclusive」が239万円。

 「ゼニス フロントウインドウ」は国内導入されるC3の全車に採用し、フロントウインドウからドライバーの頭上にかけて一体化した前後1350mmにおよぶグラスルーフ。後方からせり出すスライディングサンバイザーを装備し、頭上の直射日光を遮ることも可能。また、ガラスの上部250mmの範囲にはスーパーティンテッド加工が施されており、サンバイザーを使用しなくても直射日光を和らげることもできる。

 「ゼニス フロントウインドウ」による視界は上下方向が最大108度。スライディングサンバイザーは任意の場所で留めることができ、上下方向の視界は28度まで狭めることができる。

ルーフまでガラスとなった「ゼニス フロントウインドウ」
スライディングサンバイザーは任意の場所で止め、外光を遮ることができるExclusiveには、ルームミラーへのステーにLEDのアンビエンス・ライトが埋め込まれる

 メカニズムでは、エンジンは1.6リッター 直列4気筒 DOHC 16バルブのEP6C型。アルミ合金ブロック、チェーン駆動式のカムプーリー、連続可変バルブタイミング機構などを採用し、最大出力は88kW(120ps)/6000rpm、最大トルクは160Nm(16.3kgm)/4250rpm。排出ガス規制はEURO5に対応する。

 組み合わせるトランスミッションは4速のトルコン式ATで、前輪を駆動する。ホイールは16インチのアルミホイールで、タイヤは前後とも195/55 R16。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット式、リアがトーションビーム式で、シトロエンらしい乗り心地を実現できたとしている。

 ボディーサイズは3955×1730×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2465mm。ボディータイプは「C3」と「C3 Exclusive」のどちらも5ドアハッチバックとなる。車両重量は1190kg(C3)。なお、「ゼニス フロントウインドウ」の大きなフロントウインドウそのものの重量は22kg。

 エクステリアではノーズ先端に、シトロエンの新しいブランドロゴを初採用。歯車をモチーフとした「ダブルシェブロン」に違いはないが、よりソフトな形状となっている。緩やかなアーチを描くルーフラインは従来型のC3よりも「C4」に近く、クロームドアハンドルや、テールゲートエンド、エキゾーストパイプなどにクローム処理されたパーツを多用し、高級感を演出している。

 インテリアの基本的なデザインは「C3」と「C3 Exclusive」は共通だが、カラー、シート地、細かな装備に違いをもたせ、「C3 Exclusive」ではチタンシルバーのダッシュボードやピアノブラック仕上げのセンターコンソール、革巻ステアリングホイール、フロントアームレストなどを備える。シート地は「C3」がベロア、「C3 Exclusive」はアルカンタラとファブリックのコンビネーションを標準とし、オプションでレザーシートも選択できる。

 ラゲッジスペースはBセグメントのライバル車よりも大容量の300リットルを確保。6:4分割式のリアシートの背もたれを前に倒せば、さらに容量が拡大する。スペアタイヤは装備せず、ラゲッジスペースのフロア下は補修工具の収納スペースとなっている。

「C3」のインテリア
「C3 Exclusive」のインテリア
「C3 Exclusive」にオプションのレザーシート
メーターパネルとコクピットまわり
C3のラゲッジスペース
「C3 Exclusive」に装備のバックソナー6エアバック

 そのほかの装備では、「C3 Exclusive」にオートエアコン、オートライト、オートワイパー、バックソナーを装備している。

 安全面では衝突安全テストのEuro NCAPでは総合評価で4つ星を獲得、エアバッグは国内導入の全車にフロント、フロントサイド、カーテンの6エアバッグを装備。ABS、EBD(電子制御制動力配分システム)、ブレーキアシストは全車。「C3 Exclusive」はさらにESP(エレクトロニックスタビリティープログラム)を装備する。

(正田拓也)
2010年 5月 6日