ホンダ、3年+αで新型「NSX」を日本導入、SUPER GT 500クラスに参戦へ 2012年モータースポーツ体制発表会より |
本田技研工業 代表取締役社長 伊東孝紳氏 |
本田技研工業は2月3日、2012年のモータースポーツ活動発表会を都内で開催した。この発表会で、代表取締役社長の伊東孝紳氏は3年以内に新型「NSX」を北米に導入し、さらに3年+αで日本に導入、その後新型NSXベースのレース車両でSUPER GT 500クラスに参戦することを明らかにした。
その新型NSXのコンセプトモデルとなる「NSXコンセプト」は、今年の1月に行われたデトロイトモーターショーでワールドプレミアしたモデル。次世代V型6気筒 VTEC直噴エンジンをミッドシップレイアウトするとともに、高効率・高出力のハイブリッドシステム「Sport Hybrid SH-AWD(Super Handling All Wheel Drive)」を搭載したスポーツカー。
ボディーサイズは4,330×1,895×1,160mm(全長×全幅×全高)と、その全高の低さは健在。初代NSX(1990年9月発表時)と比べ、100mm短く、85mm広く、10mm低いスペックとなる。
そのNSXコンセプトについて、伊東社長は「意のままに操ることの楽しさと環境性能の両立を徹底的に追求するために、独自に開発したスーパースポーツモデル。このスーパースポーツモデルは、3年以内に北米で導入し、順次その後日本に導入する予定で、SUPER GTへの参戦も計画している」と述べるとともに、「モータースポーツはもちろん、世界中のお客様のご期待に応えるホンダらしいスーパースポーツに仕上げていきたい」と抱負を語った。
なお、日本への導入時期について伊東社長は、「3年+αをいただいて日本に持ってきたい」と明言している。
NSXコンセプトは、2月4日、5日にHondaウエルカムプラザ青山(東京都港区)で一般公開する。開館時間は10時~18時。
次世代V型6気筒 VTEC直噴エンジンを搭載したNSXコンセプト。ボディーサイズは4,330×1,895×1,160mm(全長×全幅×全高)で、初代NSXより10mm低い |
SUPER GT参戦車両のHSV-010も展示してあった |
■10月のWTCCにスポット参戦
また、2012年10月に鈴鹿サーキットで開催されるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権シリーズ)に、欧州で発売される新型「シビック(5ドア)」でスポット参戦し、2013年のフル参戦を目指す。搭載エンジンは本田技術研究所 四輪R&Dセンターが開発する直列4気筒1.6リッター直噴ターボで、車体開発と製造およびチームオペレーションはイタリアのJ.A.S.モータースポーツが行う。
WTCC参戦について、伊東社長は「本当はF1と言いたかったところだが、世界で戦っているところに改めてチャレンジし、勝っていくことでもう一度喜びを味わいたいということと、欧州で発売したシビックは自信のある商品なだけに、それを広く知ってもらいたいため」と、その参戦理由を説明した。
SUPER GTでは、M-TECと共同開発したレーシングハイブリッドシステム搭載のCR-Zを、「チーム 無限」からGT300クラスに投入する。ホンダは主にレーシングハイブリッドシステムを中心としたパワープラント領域を担当し、第4戦のスポーツランドSUGOからの参戦を予定する。同車両の開発ドライバーは武藤英紀選手が務める。
佐藤琢磨選手は引き続きインディカー・シリーズに参戦するが、今年からレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍する |
一方、北米を中心に展開するインディカー・シリーズについて、伊東社長は「これまでホンダのワンメイクエンジンが続いたわけだが、今季より我々も待っていたが複数メーカーによる参戦・競争となる。ホンダは再びこの競争を制してマニュファクチャラーズタイトル獲得を目指す」と宣言。なお、今年のインディカー・シリーズには引き続き佐藤琢磨選手が出場するが、チームは昨年のKVレーシング・テクノロジー(KVRT)からレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍しての参戦となる。
そのほか、ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)にHPD(Honda Performance Development)が開発した「ARX-03a」「ARX-03b」シャシーと3.4リッター V型8気筒エンジン「LM-V8」、2.8リッター V型6気筒ツインターボエンジン「HR 28TT V6」などを供給。
さらに、今年から新たにスタートするWEC(FIA世界耐久選手権)に参戦する「ストラッカ レーシング」「ジェイアールエム レーシング」に、「ARX-03a」シャシーと「LM-V8」エンジンを供給する。
■SUPER GT 500クラス参戦体制
チーム名 | ナンバー | ドライバー |
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ | 8 | ラルフ・ファーマン |
小林崇志 | ||
ケーヒン リアル レーシング | 17 | 金石年弘 |
塚越広大 | ||
ウイダー ホンダ レーシング | 18 | 小暮卓史 |
カルロ・ヴァン・ダム | ||
エプソン・ナカジマ・レーシング | 32 | 道上龍 |
中山友貴 | ||
チームクニミツ | 100 | 伊沢拓也 |
山本尚貴 |
■SUPER GT 300クラス参戦体制
チーム名 | ナンバー | ドライバー |
チーム 無限 | 16 | 武藤英紀 |
未定 |
■フォーミュラ・ニッポン参戦体制
チーム名 | ナンバー | ドライバー |
エイチピー リアル レーシング | 10 | 金石年弘 |
チーム 無限 | 16 | 山本尚貴 |
ナカジマ レーシング | 31 | 中嶋大祐 |
32 | 小暮卓史 | |
ドコモ チーム ダンディライアン レーシング | 40 | 伊沢拓也 |
41 | 塚越広大 |
(編集部:小林 隆)
2012年 2月 3日