独フォルクスワーゲンは1日（現地時間）、次世代プラットフォーム「MQB」を発表した。

　MQBはドイツ語の「Modularen Querbaukasten」（モジュラー トランスバース マトリックス」の略。

　横置きエンジン車用プラットフォームで、ポロからシャラン、パサート、CCといった幅広い車種をカバーし、ホイールベースやトレッドが異なる車種でも、理論的には同じラインで生産できるとしている。

　搭載されるエンジンはEA211エンジンシリーズの「モジュラー ガソリン エンジン システム（MOB）」とEA288エンジンシリーズの「モジュラー ディーゼル エンジン システム（MDB）」。MOBは40kW/60PS～110kW/150PS、MDBは66kW/90PS～140kW/190PSのバリエーションを揃えるが、すべてのエンジンを同じ位置に搭載でき、エンジンやギアボックスのバリエーションを約90％削減できるとしている。

　さらに天然ガスエンジン、ハイブリッド、電気自動車のパワートレーンも同じ位置に搭載できるとしている。

　このほか車両重量が削減され、現在は上級車にのみ搭載されている自動ブレーキなどの安全装備やインフォテインメントシステムなどの機能を備える。

　MQBはフォルクスワーゲンだけでなくアウディ、シュコダ、セアトでも導入され、アウディA3後継車と次期ゴルフがMQB採用車のトップバッターとなる。

　このほか同グループでは、アウディが主導で開発する「モジュラー ロンギチューディナル システム（MLB）」、ポルシェ主導による「モジュラー スタンダード システム（MSB）」、フォルクスワーゲンup！などのコンパクトモデル用の「ニュー スモール ファミリー」が同時に開発されていると言う。

MQBはホイールベースやオーバーハングなどが異なっても、エンジンは同じ位置に搭載される		従来型内燃機関だけでなく、電動パワートレーンや天然ガスエンジンにも対応する

MQBに搭載されるガソリンエンジン「EA211」シリーズ（MOB）もモジュラー構造となる	EA211には気筒休止システムも用意される