Hondaコレクションホール所蔵車両が走行テスト
マクラーレン MP4/4やMP4/5、ウィリアムズFW11などが走行

2012年7月11日実施



すべての車両は、宮城光氏の手によって走行テストを行った

 ツインリンクもてぎ内にある「Hondaコレクションホール」には、世界的なレースでホンダが戦ってきたさまざまなレーシングマシンが展示されている。その多くが走行可能なものとなっており、走行可能な状態を維持するため、年に数回走行テストを実施している。

 今年もその走行テストがツインリンクもてぎで行われた。ドライバー兼ライダーは宮城光氏。当日走行した中から、その一部を以下に写真と映像で紹介する。



ウィリアムズホンダ FW11(1986年)
 ウィリアムズ ホンダ FW11は1986年のF1に参戦したモデル。搭載されるエンジンは1.5リッターのV6ツインターボで、ナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケの両名によりドライブされた。16戦9勝を挙げコンストラクターズタイトルを獲得したが、ドライバーズタイトルは逃した。


ウィリアムズ FW11



マクラーレンホンダMP4/4(1988年)
 ホンダとしてマクラーレンに最初にエンジン供給をしたモデルがMP4/4。搭載されるエンジンは1.5リッターのV6ツインターボ。前年までロータスホンダをドライブしていたアイルトン・セナがマクラーレンに移籍。すでにマクラーレンで2度のチャンピオンを獲得していた、アラン・プロストとコンビを組むことになる。マクラーレンのシャシーとホンダのエンジン、そしてプロストとセナという名ドライバーの組み合わせは全16戦中15勝というまさに無敵の戦闘力を誇った。セナが自身初となるドライバーズタイトルを獲得した。


マクラーレン MP4/4


マクラーレンホンダMP4/5(1989年)
 1988年でターボエンジンの時代が終わり、1989年からは自然吸気時代となる。ホンダが開発した自然吸気エンジンは、3.5リッターのV10。この年もドライバーはセナとプロスト。日本グランプリでの接触によるプロストのリタイア、セナの失格のエピソードに代表されるように、両ドライバーの確執はあまりにも有名。だがライバルが同じチームにいたことでマシンの開発も加速されたと言われている。MP4/5は全16戦中10勝を上げコンストラクターズタイトルを獲得。ドライバーズタイトルは、プロストが手に入れた。


マクラーレン MP4/5


ホンダ S800
 S800はS500、S600に次いで登場したライトウエイトスポーツ。この個体は、1968年8月4日の鈴鹿12時間レースに出場したもの。スタンダードでは791ccのエンジンは872.8ccにアップ、最高出力も100PSオーバーを実現。スペシャルメイドのハードトップが装着されている。12時間レースではGT-1クラスで優勝し、総合順位は2台のトヨタ7についで3位を獲得している。


RC166(1966年)
 マイク・ヘイルウッドが年間2勝(RC165との合算で10勝)を挙げたマシン。250ccの排気量ながら並列6気筒DOHC 4バルブの4サイクルエンジンを搭載。最高出力は60PS以上/18000rpm、最大トルクは2.36kgm/17000rpm。2サイクルエンジンに対抗するため、高回転化が図られている。


RC166


(諸星陽一)
2012年 7月 20日