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NEXCO中日本、中央道 笹子トンネル(上り線)の天井板崩落事故現場を公開

長さ138mにわたり、天井板・隔壁を合わせて345枚の板が落下

2013年2月3日公開

 NEXCO中日本(中日本高速道路)は2月3日、中央自動車道 笹子トンネル 上り線の天井崩落事故の現場を報道関係者に公開した。

 笹子トンネル上り線では、2012年12月2日に天井板が崩落する事故が発生。下り線トンネルの天井板を撤去し、対面通行として開通し、現在は上り線トンネルの開通に向けたを進めている。上り線は8日に開通する予定。

 天井が崩落したのは、大月側から1508m、甲府側から3138mの位置で、長さ138mの区間。天井板、隔壁を合わせて345枚の板が落下し、9人が死亡した。

 公開された現場は、すでに落下した瓦礫などは取り除かれているものの、天井板の落下によりついたと思われる路面や壁面の傷、曲がった鋼材などがそのままになっていて、事故の被害を物語っている。現場には献花台が設けられており、多数の花束などが置かれている。

 笹子トンネル上り線は、すべての天井板の撤去が終わり、コンクリートの剥落対策や、設備の補修などが行われている。取材時も事故現場以外の区間では作業が続けられていた。

 笹子トンネルではこれまで、天井板の上の空間を使って換気していたが、これを大月側に設けるジェットファンによる換気に切り替える。このためのジェットファン設置なども今後行われる。

事故現場。甲府側の端から大月側を見たところ
崩落した区間内のキロポスト表示
事故現場の位置。長さ138mにわたって天井板が落下した
現場には献花台が設けられ、取材の冒頭に黙祷が捧げられた
路面には崩落によって付いたと思われる傷が多数見られた。開通までに路面は補修されるとのこと
壁面や壁面に取り付けられた設備も、崩落によって壊れたと思われる箇所がいくつかあった
天井のアンカーボルトが入っていた部分。補修すべき箇所の指示が多数書き込まれている
崩落した区間以外の場所では、開通に向けた作業が続けられている
崩落区間から大月側に向かって進んでいるところ
トンネルの外には工事関係の車両が多数停められていた
対面通行区間

(編集部:田中真一郎)