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アストンマーティン、“史上もっともパワフル”な「ラピード S」日本導入
ラピードから81PS/20Nm向上したV型12気筒6リッターエンジン搭載
(2013/4/27 00:00)
アストン・マーティン・ラゴンダ・リミテッドは4月26日、4ドアスポーツカー「ラピード」の後継モデル「ラピード S」の発表会を都内で開催した。ラピード Sの価格は2305万8457円。
ラピードは2006年のデトロイトモーターショーでコンセプトモデルがデビューし、2009年に行われたフランクフルトモーターショーで正式に発表。ラグジュアリーな4ドアスポーツカーとして、「世界でもっともエレガントな4ドアスポーツカー」「4人の大人が優雅にゆったりと座れるコクピット」といった特長を持っており、日本には2010年に導入された。
今回発表されたラピード Sは、新開発のV型12気筒5935cc「AM11」エンジンをラピードよりも約20mm低い位置に搭載して低重心化を図った。同じ気筒数・排気量ながら、ラピードの最高出力が350kW(477PS)/6000rpm、最大トルクが600Nm/5000rpmなのに対し、ラピード Sは410kW(558PS)/6750rpm、620Nm/5500rpmを発生する。トランスミッションは6速AT(タッチトロニックII)を組み合わせ、後輪を駆動する。これにより、0-100km/h加速は4.9秒、最高速は296km/hを誇る。
発表会に出席したアストン・マーティン・ラゴンダ・リミテッド アジアパシフィック アジア地域オペレーションマネージャーの寺嶋正一氏は、「新開発のエンジンは、単にパワーを上げようというものではなく、より快適にストレスなくハイパワーを引き出せるようなエンジン特性になっている」と解説。
ブレーキに関してはラピードと同様で、ディスクにアルミとスチールを複合したデュアルキャストブレーキシステムを採用。スチール材のみを使用したディスクよりも約15kg軽いと言う。サスペンションは、路面の状況の変化によってダンパーのセッティングを自動的に変化させる「アダプティブダンピングシステム」を装備した。
ボディーサイズは5019×1929×1360mm(全長×全幅×全高)とラピードと変わらないものの、エクステリアデザインも変更を受けた。寺嶋氏は「ラピード Sのフロントまわりには、広い開口部が与えられた。ラピードはセパレートのフロントグリルだったが、ラピード Sにはより迫力のあるデザインが与えられた。また、リアまわりでは跳ね上げた形状のリアスポイラーが与えられたことで迫力が増し、フロントとのバランスが取れたデザインに仕上がっている」と特長を述べる。
また、インテリアではリアシートを折りたたむことで、ラゲッジスペースの容量を317Lから886Lに拡大させることができるほか、バング&オルフセン製オーディオシステムや、ISOFIXチャイルドシートの取付金具などを標準装備し、家族4人で出かけても十分に荷物を積めること、ラピード Sが快適性を備えたスポーツカーであることをアピールした。
なお、アストンマーティンは今年創立100周年を迎える。その一環として、燃料にガソリンと水素を併用するラピードSのレーシングカーを開発し、同車両でニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場することが決定している。このことについて寺嶋氏は、「今回のニュルブルクリンク24時間耐久レースのドライバーは、アストンマーティンCEOのウルリッヒ・ベッツ氏、私どものニュルブルクリンク・テストセンターの所長に加え、桂伸一さんがドライブすることになっている。日本人がアストンマーティン100周年にニュルブルクリンクでラピードSをドライブしますので、ぜひ応援していただきたい」と語った。