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NEXCO東日本、「第7回 アクアライン探検隊」開催
過去最大規模の350人を募集。アクアラインの裏側や海自特務艇を見学
(2013/8/9 12:28)
NEXCO東日本(東日本高速道路)と東京湾横断道路は8月8日、海ほたるPA(パーキングエリア)で「2013 サマーフェスティバルin海ほたる」を開催し、このなかで恒例行事となっている社会見学イベント「第7回 アクアライン探検隊」を実施した。
このイベントは、日ごろは通りすぎるだけのアクアラインを、緊急時には避難用としても利用される管理用通路を使って通常は利用者の目に触れることのない裏側にあたる部分を見学できるという内容。さらにアクアラインや海ほたると関連が深い海上保安庁や海上自衛隊の艦艇の見学という見どころを持ちながら誰でも無料で参加できることで高い人気となっており、今年度は募集定員を350人に増加。募集期間中に4702人から参加申し込みが寄せられた。
当日は参加者を25人ごとにチーム分けし、約2時間の構成で見学を実施。参加者は海ほたる内にある技術資料館「うみめがね」で集合して解説スタッフから注意事項などを説明されたあと、東京湾アクアライン管理事務所長から「アクアライン探検隊」宛に出された「指令書」を受け取って見学をスタートした。
管理用道路は海ほたるの臨時駐車場として設定されている木更津側スペースの奥に設置されており、壁を1枚隔てたすぐ脇にはアクアラインの下り車線が走っていることから、管理用道路の序盤は常に自動車の走行音が響く状況。しかし、なだらかな下り坂を歩いていくと道幅が狭くなって走行音もしだいに遠くなっていく。鋼鉄製の防護扉を身を屈ませて通過していくと、いかにも「探検隊として潜入している」という雰囲気が漂い始めた。
管理用道路で最初の見学ポイントになったのは、上を走るアクアライン本線車道で事故などが起きた場合に避難者が降りてくる待機所スペース。9.5km以上の海底トンネルを持つアクアラインだけに、内部で事故などのトラブルが起きた場合の対応は重要な課題。そこでアクアラインでは300mおきに非常口を設置。合計で33カ所の非常口から下側の管理用道路にアクセスできるよう設計されている。それぞれのポイントにはS字形状のスロープが設置されており、子供や高齢者、足の不自由な人などでも安全に素早く避難できるようになっている。今回の見学では想定とは逆に、下側から参加者が上っていって本線道路を自動車が走行する状況を確認していた。
2つめの見学ポイントは、海ほたる1階の川崎側に設置されている巨大モニュメントの「カッターフェイス」。海底トンネルの掘削時に使われたシールドマシンのドリルをイメージして造られており、直径は14.14m。こちらは海ほたるに来た人なら誰でも見学できるモニュメントだが、解説スタッフの鍵山氏によって装着されているカッタービットの素材などの説明を受け、カッターフェイスについてより深く知ることができた。
今年度から体験乗船は停泊中の船内見学だけに変更
このあと、やはり日ごろは関係者以外は入れない桟橋に停泊している海上自衛隊の特務艇「はしだて」、または海上保安庁の巡視艇「たかたき」の船内見学が行われた。昨年度までは海上保安庁の巡視艇「あわなみ」に乗船してアクアラインやトンネルの換気施設である「風の塔」を海から見学するプログラムも行われていたが、今回から停泊中の船内見学に統一されている。
この理由について質問したところ、海上からの見学は天候によって実施できない可能性があることが変更の理由と説明された。実際に昨年度では、午前中はなんとか出港できたものの、午後になって風が強まり乗船だけに変更されている。海上からの見学を楽しみに参加した人を落胆させる可能性があることから、今回はプログラムから外したそうだ。
●特務艇「はしだて」
はしだては「迎賓艇」とも呼ばれる海上自衛隊の艦艇でも特殊な存在。国内外の来賓を招いて行う式典などで使われるほか、災害発生時には被災者の収容や救護などにも利用される。
●巡視艇「たかたき」
巡視艇「あわなみ」の後任として今年2月に配備された巡視艇の「たかたき」。船底から海水を吸い上げて4基装備された放水銃から毎分1万6800L放水可能。
最後の見学ポイントである船内見学の終了後に、うみめがねで配られた「指令書」の答え合わせを実施。参加者全員に「アクア博士認定証」と記念品が贈られて見学イベントは終了となった。
このほか、「2013 サマーフェスティバルin海ほたる」では福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、新潟県、長野県といった7つの県による観光案内、各県のブースでの名産品販売、マスコットキャラクターによるPRタイムなどが実施された。