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NEXCO東日本、インドの道路PPP事業の参入を本格検討

海保の巡視艇などに乗船できる「アクアライン探検隊」募集も告知

NEXCO東日本の定例会見。中央が廣瀨博代表取締役社長
2013年6月28日開催

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月27日、6月度の定例記者会見を開催した。定例記者会見では、5月の営業概要のほか、インド企業との覚え書きの締結について、障がい者に対するサービス向上についての発表が行われた。

 5月の通行台数は、1日平均279万3000台となり対前年同月比5.5%増、料金収入は568億3300万円となり4.0%増となった。SA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)の売上高は135億6200万円となり1.5%増となり、内訳としては飲食関連が98億3000万円(0.7増)、ガソリンなど給油関連が37億4000円(3.7増)であった。

 いずれも増収となっており、その原因としてはゴールデンウイーク中に好天が続き、交通量が増加したことにある。給油関連に関しては、交通量の増加も影響しているが、各油種についてリッターあたり1円の単価上昇があり、その影響もあるとのこと。

 NEXCO東日本は6月27日にインド最大の道路PPP(Public Private Partnership)運営会社IL&FS Transportation Networks Limited(以下、ITNL)と、協同調査実施に関するMOU(覚書)を締結。今後このMOUにもとづきインド道路PPP事業の採算性や算入リスクについて調査していく。

 この海外事業についてNEXCO東日本 廣瀨社長は、「インドは直近では成長率が落ちているものの、成長市場である」とし、インドの道路事業に参入するには何らかの現地パートナーが必要であるとのこと。ITNLはすでに23件・約1万2000車線キロの道路PPPを手がけており、また親会社もインドのインフラ開発ファイナンス会社であることからMOU締結にいたった。

 インドは将来的には1万6000kmの高速道路設置を計画しているものの、現状は1000km程度の工事が行われているとのこと。これからの成長市場となるため、NEXCO東日本がどのような形で参入できるかも含めて検討していくことになる。

 障がい者へのサービス向上の取り組みは、継続的に行われているものが定例会見で紹介された。現在車いすの貸与サービスは主にインフォメーションのあるSA・PAで行われており、全コンシェルジェの約8割となる96名は手話の有資格者。サービス介助士やホスピタイリティ資格の有資格者もコンシェルジェにはおり、全33個所のインフォメーション設置エリアでは、タブレット端末「iPad」を用いたサービスコミュニケーションも実施されているとのことだ。

 トイレの高機能化も進めており、温水洗浄便座はすべてのSA・PAに設置されているほか、段差の解消は82%、オストメイト対応トイレの用意は85%のトイレで整備が進んでいる。段差の解消や、オストメイト対応トイレの完備は、2015年度完了予定になる。

 また、恒例となる「アクアライン探検隊」隊員募集についてもアナウンス。第7回となる今年は、8月8日に東京湾アクアラインと海ほたるPAの見学を実施。海上保安庁の巡視艇「たかさき」もしくは海上自衛隊の特務艇「はしだて」に乗船することもできる。募集定員も昨年の300名から350名へと50名増加した。これは、昨年の抽選応募が27倍という高い競争率になったため。応募は海ほたるネット(http://www.umihotaru.com/tanken2013.php)からとなり、応募締切は7月7日。

(編集部:谷川 潔)