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NEXCO東日本、2月度定例会見で大雪による通行止め時間や今後の対策を紹介

3月末に「ドラマチックエリア市原」「ドラマチックエリア姨捨」がオープン

2月14日の大雪で、上信越道 富岡~松井田妙義間で106時間40分もの通行止めが発生したとのこと。累計降雪量は佐久IC(インターチェンジ)で113cmを記録している
2014年2月26日開催

左から、NEXCO東日本 管理事業本部長 長尾哲氏、NEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏、NEXCO東日本 事業開発本部長 鹿島幹男氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は2月26日、2月度の定例記者会見を開催し、2014年1月の営業概要を発表。さらに、同日にニュースリリースとして発表した「NEXCO東日本 どんぶり王座決定戦!決勝大会」の開催概要、3月末にグランドオープンする「ドラマチックエリア市原」「ドラマチックエリア姨捨」のアウトラインなどを紹介し、トピックとして2月中旬に発生した関東地方と周辺地域における大雪被害について解説した。

 1月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均261万5000台(対前年比8.8%増)、料金収入が495億3600万円(7.5%増)となった。通行台数の増加要因は、比較する2013年1月は降雪量が多く、通行台数が減少していたため、この反動として通行台数、料金収入とも大きく増加。また、圏央道の開通や東北地方の復興事業などの影響から、交通量自体も全体的に増加傾向にあるとのこと。

 SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は109億1200万円(対前年比5.7%増)。分野別では飲食・商品販売が約77億4000万円となって対前年比4.6%増、ガソリンスタンド部門は約31億7000万円で同8.7%増となった。1月の東日本エリアは全般的に天候が良好に推移し、降雪量も平均を下まわったことが飲食・商品販売によい影響を与えたと分析。ガソリンスタンド部門については、各油種とも8円以上単価上昇していることが要因。また、軽油の販売量は増えているとのことだ。

NEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏

 定例会見の冒頭で、NEXCO東日本 代表取締役社長の廣瀨博氏は、まず2月の8日、14日の2回にわたって発生した記録的な大雪により、同社が管理する高速道路が関東地方を中心に長期にわたって通行止めになったことについて謝罪。この大雪での対応と表面化した課題について早急に検討するよう社内に指示し、管理事業本部内に「首都圏大雪対策プロジェクト」を立ち上げたと発表。「検証を十分に行い、今後の改善点や工夫を速やかに実施に移し、少しでも通行止めを短くして、お客様に安全安心な高速道路をご利用いただけるように今後とも努力していきます」と語った。

 また、2月14日から17日に募集している「新たな高速道路料金(案)」に対するパブリックコメント(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140214_635321.html)についても言及。新たな料金案の概要と今後のロードマップについて説明した。

14日の“重い雪”が状況悪化に拍車をかけた

NEXCO東日本 管理事業本部長 長尾哲氏

 高速道路における大雪対策の具体的な説明は、NEXCO東日本 管理事業本部長の長尾哲氏が実施。首都圏での降雪量と通行止め時間を影響が大きかったものを中心にまとめた資料が紹介され、2月8日の1回目の大雪では千葉県と茨城県を中心に降雪。2月7日から夜半にかけては成田空港の最終便利用者に迷惑をかけないようにと除雪に努め、最終便利用者に影響を与えないことは成功したものの、降雪量の多さに東関東道、京葉道、常磐道、圏央道東側などの区間で長時間にわたって通行止めとなってしまった。

 2回目の2月14日では、話題となった「南岸低気圧」が東寄りに進み、比較的“重い雪”が埼玉県、群馬県、長野県などに降り積もった。これにより、関越道、上信越道、圏央道西側区間、東北道などで長期的な通行止めが発生した。14日の累計降雪量は日ごろあまり雪の降らない関越道 嵐山小川ICで97cmとなり、上信越道 佐久ICでは113cmを記録。それぞれ関越道 東松山~本庄児玉間で81時間40分、上信越道 富岡~松井田妙義間で106時間40分もの通行止めが発生している。

 NEXCO東日本では、「とにかく成田空港との接続は絶対に保ち、東北から東京へのルートになる東北道もなんとか死守しよう」と考え、新潟方面から東京につながる関越道や上信越道はいずれかを確保し、除雪が間に合わない場合は磐越道に迂回してもらうルートを想定していたという。このように、除雪に優先順位を設定して対応していた。

 しかし、とくに2回目は全体で降雪量が多く、通常のトラックを利用した除雪が困難となったほか、通行止めにせず一般車両も雪の上を通行する状態が続いたことで、水分を含んだ重い雪がクルマの重量で踏み固められたことも除雪に時間がかかる要因になった。通常は1時間に2~3cm程度の降雪量までは対応できる体制を整えているが、2回目の大雪では場所によって1時間に10cmを超えるような降雪となり、まったく対応できなくなってしまったとのこと。事前の予報を受け、新潟支社から堆積した雪を並走するトラックの荷台に投入するロータリー除雪車10台を関東に移動させて利用したが、雪の重さのために数台が故障する事態になったという。これらにより除雪が思うように進まず、通行止めが長時間続いてしまったと説明している。

 今回の大雪での反省点と対応については、とにかく東日本の国際的な玄関口である成田空港はなんとしても止めなくてすむよう応援体制を強化して乗り切ることができたが、除雪装備はもう少し数を増やして体制を強化しなければ話にならないと感じている。しかし、それほど使用頻度が高い装備ではないので投入コストなどについて検討を続けたいとしている。また、体制強化に合わせてユーザーにも冬季の高速道路利用ではスタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーンの携行を呼びかけ、不要不急な外出を避けてもらえるようアピールしていくほか、交通情報を配信する「ドラとら(http://www.drivetraffic.jp/)」のWebページ内に冬季限定サービスの「雪道ライブカメラ」を設置。各地の気象状況や路面予測検索、降雪量が多い道路のライブカメラ配信などを用意し、ドライブ前に活用してもらいたいとしている。

2月14日の大雪で、100時間を越える通行止めが上信越道 富岡~松井田妙義間(106時間40分)、圏央道 あきる野~狭山日高間(105時間30分)などで発生。2月8日の降雪でも圏央道 松尾横芝~木更津東間(72時間40分)、圏央道 あきる野~青梅間(52時間45分)といった通行止めを引き起こしている
高速道路上やSA/PAで数多くの滞留(道路上やSA/PA内での立ち往生)が発生し、2月14日にはNEXCO東日本管内のSA/PAで最大750人が滞留することになり、全体で約2100食分の炊き出しが提供された。道路上の車両には、18台に対して各10Lの燃料を提供。この燃料は炊き出しと同じ扱いで無償提供されている
NEXCO東日本 事業開発本部長 鹿島幹男氏

 このほか、3月10日に初開催する「NEXCO東日本 どんぶり王座決定戦!決勝大会」では、同社が管理する地域を9つのエリアに分けてブロック大会を実施。勝ち抜いた15店舗のオリジナルプレミアムどんぶり「どら丼(道楽丼)」が、審査委員長に“中華の鉄人”こと陳建一氏、審査委員にタレントのギャル曽根さんや川瀬良子さんなどを迎えて行われる決勝大会により「どら丼キング」として選出される。決勝大会に進出する15種類の「どら丼」の販売店舗や価格などは、決勝大会の開催を伝える同社のニュースリリース(http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h26/0226c/)内で紹介されているので参照してほしい。

 また、3月26日10時にグランドオープンする「ドラマチックエリア市原」、3月29日11時にグランドオープンする「ドラマチックエリア姨捨」は、利用者がその土地ならではの“旅のドラマ”を感じられるよう演出を施したSA/PAとして、NEXCO東日本管内に2009年から10店舗が展開されているドラマチックエリアの新店舗。市原は「食べて、飲んで、房総を思いっきり楽しむマーケットプレイス~BOSO FUN CLUB~」をコンセプトに、房総ならではの海の幸、山の幸を使った料理などをフードコート「TERRACE FOOD COURT」で提供するほか、ショッピングコーナーの「BOSO LOCO MARKET」、ベーカリーの「MIYABI」、テイクアウトコーナーの「YATAI DELI」などを新オープンさせる。

 長野県初のドラマチックエリアとなる姨捨は、「文化宿るおもてなし~月の里 おばすて~」をテーマに信州の郷土料理や地元の味噌蔵とコラボレーションしたフードメニューなどを展開。フードコート内でそば打ちの実演が行われ、長野の豊かな山の幸と日本文化が堪能できる空間となる。

(編集部:佐久間 秀)