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NEXCO東日本、道路メンテナンスの高度化を図る「スマートメンテナンスハイウェイ」構想

UAV(無人飛行体)で橋梁確認、スマートフォンで点検記録を送信

EXCO東日本の定例会見。中央が廣瀨博代表取締役社長
2013年7月31日開催

スマートメンテナンスハイウェイのロゴ。安全を濃いグリーンで、快適を薄いグリーンで表し、8の字は無限大を意味する

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は7月31日、7月度の定例記者会見を開催した。定例記者会見では、6月の営業概要のほか、道路メンテナンスの高度化推進を図る「スマートメンテナンスハイウェイ」構想が明らかにされた。

 中央自動車道 笹子トンネル天井板崩落事故以降、高速道路のメンテナンスに関する注目が集まっており、NEXCO東日本、NEXCO中日本(中日本高速道路)、NEXCO西日本(西日本高速道路)は、「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(略称:長期保全等検討委員会)を設置。高速道路の資産を将来にわたって管理するための取り組みを行っている。

 今回NEXCO東日本が発表したスマートメンテナンスハイウェイは、ICTなど最新技術の導入によって、高速道路の日常メンテナンスの効率化、高度化を図ろうというもの。導入の背景には笹子トンネルの事故もあるが、4つの支社で個々に行っているメンテナンス情報の集約や、メンテナンス方法の平均的なレベルアップもある。

 このスマートメンテナンスハイウェイでは、UAV(無人飛行体)の導入や、点検記録のモバイル化などを行うほか、すべての点検記録をDB(データベース)に集約。点検・補修履歴を集約することで道路のアセットマネジメント(資産管理)がしやすくなり、維持更新計画の策定が容易になるほか、維持更新費用予測も正確になる。

 同社はスマートメンテナンスハイウェイのプロジェクトチームを9月までに立ち上げ、ロードマップを今年度中にまとめ、2020年度(平成32年度)を目標として、情報を集約する「インフラ管理センター(仮称)」を目指すとした。

スマートメンテナンスハイウェイの概要

 6月の営業概要は、運行台数が1日平均277万3000台となり対前年同月比5.0%増、料金収入は525億8800万円となり2.9%増となった。SA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)の売上高は110億6200万円となり7.1%増。内訳としては飲食関連が79億円(4.8増)、ガソリンなど給油関連が31億6000円(13.3増)であった。

 いずれの数字も増加しているが、その背景には東北の復興需要があると言う。SA・PAの売上高に関しては、昨年に比べて休日が1日多かったことがあるほか、ガソリン関連でリッターあたり単価が10円上がっているのがその要因になっている。

(編集部:谷川 潔)