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無人ヘリやロボットカー、特殊車両が見られる「ハイウェイテクノフェア2014」開幕
くまモンやハローキティの単管バリケードなども展示
(2014/11/21 00:19)
- 2014年11月20日~21日開催
- 入場無料
高速道路調査会は、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で高速道路関連の新技術や新工法などを紹介する展示会「ハイウェイテクノフェア2014」を11月20日~21日に開催している。このイベントではさまざまな展示が行われたが、そのなかから特殊車両などをピックアップして紹介する。
普段はあまり目にすることのない特殊車両が勢揃い
まず、会場内で注目を集めていたのは西日本高速道路メンテナンス九州の作業車「ロボコーン」。高速道路では車線規制を行うときに三角コーンを設置するが、これを自動的に設置・回収してくれる特殊車両で、15km/h前後で走行しつつ、車両後方に備えたアームで排出するコーンを掴み、等間隔で設置できる。回収時は設置時とは逆の手順となり、バック走行してコーンを回収していく。また上部のキャリアに標識を搭載し、作業員が標識を設置しやすいようにアシストする。
西日本高速道路エンジニアリング九州はこのほかに、トンネル覆工点検システム撮影車「eQドクターT」も展示。この車両はボディーの後方とルーフ上にあるスリットからトンネルの片側車線全面を赤外線撮影し、トンネル壁面の傷み具合をチェックできる車両。同様の車両は従来から存在しているが、展示されていた車両では、従来より20km/h速い100km/hで走行しても検査ができるため、交通の支障になるとなく検査できる。また、検査解像度も向上し、0.2mmまでのキズやひび割れを自動的に検出できる。
ダイナミックな装置が目を引いたのは、西日本高速道路エンジニアリング中国のブラストシステム。これは古くなって錆びたガードレールを自動的に研磨・塗装するシステム。トラックの荷台に研磨ユニットと塗装ユニットをそれぞれ搭載し、200mm~500mm/h前後で走行しながらガードレールのリニューアルが行える。すでに延長70kmほどで施工された実績があり、塗装の質にもよるが、再施工して10年前後は状態が保てるという。
特装車などの製造を行っているトノックスは、路面性状計測装置を搭載した「TX-Road System」を展示。ルーフの車両後方側から張り出したアームに設置したレーザーラインプロジェクターにより、路面のひび割れやわだち掘れが測定できる。
NEXCO東日本(東日本高速道路)は、気象状態を測定できるシステムを展示。ルーフ部分に搭載された風向風速計や路温計、視界の距離を測定する視程計のほか、フェンダー内部には振動加速度計も取り付けられている。この車両を走らせることで、降雪や濃霧などのときにピンポイントで正確に状況を把握できる。また、防風柵の効果測定にも利用できる、冬期に融雪剤を散布するときには散布車両とデータ連係させ、必要な場所にだけ適切に散布が行えるようにできる。
高所作業車のメーカーであるワイケーは、トンネル内に設置したジェットファンをメンテナンスできる荷台昇降式運搬車「YX50TGL(仮名)」を展示。昇降式の荷台を伸ばしてジェットファンを左右からメンテナンスできる特殊車両。巨大な荷台が昇降する姿は圧巻だった。なお、車体を固定するジャッキを車体幅内に抑え、左右に出っ張らないようにしているのがポイントとのこと。
無人ヘリやロボットカーなどで高速道路の状態を検査
特殊車両以外で会場で目立っていたのは、UAV(無線操縦の無人ヘリ)や小型のロボットカーなどを使った路面や橋脚の状態を把握するシステム。どの企業もまだ開発段階ではあるものの、2~3年先にはこのような機器が高速道路で活躍しそうだ。
そのほか会場で気になった展示
そのほかでは、ダイヘンのブースで展示されていた電気自動車を無接触で充電できるシステムや、黄色いボトルの木工用ボンドでおなじみのコニシが展開する高速道路用の接着剤、工事現場などで見かけることが増えた“キャラクターを支柱に使う単管バリケード”を作っている仙台銘板など、会場では多彩なジャンルの道路関連製品が展示されている。