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日産、新型「エクストレイル」を12月発売、1年以内にハイブリッド車を導入

クリーンディーゼル仕様を廃止するも、ハイブリッド発売まで継続販売する計画

新型エクストレイル
2013年12月発売

 日産自動車は10月24日、新型「エクストレイル」を12月に発売すると発表した。正式な発売日、価格は公表されていないが、「現行エクストレイルからほぼ据え置き」とアナウンスされている。販売台数は国内では3万台超/年、グローバルで50万台/年を目指す。

 12月に登場する新型エクストレイルは、直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ガソリンエンジン搭載車のみのラインアップとなるが、1年以内にFFベースの1モーター2クラッチ式ハイブリッドモデル(2WD/4WDともに設定)を導入することを明言。現行エクストレイルのクリーンディーゼル車はハイブリッド車と入れ替えになり、カタログから外れることになるが、ハイブリッド車が出るまではクリーンディーゼル車を継続販売することを計画している。

モデル エンジン 変速機 駆動方式 シートレイアウト
20X 直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴 CVT 2WD(FF) 2列シート
3列シート
20X“エマージェンシーブレーキ パッケージ” 2列シート
3列シート
20S 4WD 2列シート
20X 2列シート
3列シート
20X“エマージェンシーブレーキ パッケージ” 2列シート
3列シート
20X エクストリーマーX 2列シート
3列シート
20X エクストリーマーX“エマージェンシーブレーキ パッケージ” 2列シート
3列シート

自動ブレーキなどを含む「“エマージェンシーブレーキ パッケージ”」を展開

 新型エクストレイルは、日産・ルノーアライアンスが新しく共同開発した「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」のプラットフォームを使った初のモデル。CMFは、メカニカルな4つのモジュールと、1つの電子アーキテクチャに分類して車両設計を行っていくという新しい設計手法で、これまでと比べ1モデルあたりの商品開発と工程開発に要する費用を平均で30〜40%、アライアンス全体で部品コストを20〜30%削減できると言う。

 現行エクストレイルは2列シート(5人乗り)のみの設定だったが、新型エクストレイルでは4WDの「20S」をのぞき、2WD(FF)/4WDともに新たにサードシートを設けた3列シート(7人乗り)も選択することが可能。グレードはベーシックな「20S」「20X」に加え、専用の大型フロントフォグランプや17インチアルミホイール(17×7J)、フロントオーバーライダー、マッドガードなどでタフなイメージを強調した「エクストリーマーX」を新型エクストレイルでもラインアップするとともに、先進の安全技術を装備した「“エマージェンシーブレーキ パッケージ”」を展開。

 この“エマージェンシーブレーキ パッケージ”装着車ではルームミラー裏にフロントカメラを備え、前方車両、歩行者と衝突の危険性を察知した際、ディスプレイ表示と音で危険を知らせ、それでも衝突の回避行動をドライバーが取らない場合に緊急ブレーキを作動させる「エマージェンシーブレーキ」機能を備える。エマージェンシーブレーキは、約10〜80km/hで走行中に前方車両と衝突の危険性がある場合に作動し、自動的に衝突回避や衝突被害の軽減を図る。歩行者に対しては、約10〜60km/hで走行中に作動するとしている。フロントカメラはエマージェンシーブレーキ機能に加え、意図せず車線から逸脱しそうな際にディスプレイ表示とブザーで警告を行う「LDW(車線逸脱警報)」機能、進入禁止の標識を検知して進入禁止路に入ろうとすると表示とブザーで警告する「進入禁止標識検知」機能でも使われる。

 “エマージェンシーブレーキ パッケージ”装着車はこれらに加え、リアカメラによって死角になりやすい後側方の車両を検知してサイドミラー周辺のインジケーターで危険を知らせる「BSW(後側方車両検知警報)」機能、フロントとリアにそれぞれ4つのソナーセンサーを備え、駐車する際などに進行方向に障害物がある場合、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いを行ったり、障害物との衝突の危険を察知した場合に自動的にエンジン出力とブレーキを制御したりする「踏み間違い衝突防止アシスト」機能も備わる。

 また、車庫入れや縦列駐車を自動で行う「インテリジェントパーキングアシスト」をオプションで設定。インテリジェントパーキングアシストの操作手順は、同じくオプションの「アラウンドビューモニター(MOD[移動物検知]、パーキングソナー付)」で確認できる。

防水仕様は新型でも健在

 エクステリアでは、フロントグリルからエンジンフードにつながる「Vモーションシェイプ」とともに、ブーメラン型のLEDヘッドランプシグネチャーとリアランプシグネチャーといった特長点を備える。ボディーカラーは「チタニウムカーキ」「ブリリアントホワイトパール」「ダイヤモンドブラック」の3色の特別塗装色を含む全7色を設定し、細かい擦り傷であれば時間の経過で元通りに復元できるという「スクラッチシールド」を全色に採用した。

 4WD/2列シート車のボディーサイズは4640×1820×1715mm(全長×全幅×全高)と、現行エクストレイルから5mm長く、30mm広く、15mm高くなった。ホイールベースも75mm伸びて2705mmとなっている。一方、室内サイズは室内長/室内高ともに現行エクストレイルと同等以上にしつつ、室内幅を85mm拡大。また、セカンドシートのニールームを90mm広げたほか、大きく開く後席ドア(現行車+10°の約80°)の採用などにより、ゆとりある空間を実現するとともに乗降性を高めている。

 また、防水加工のフロア、防水シート、防水ラゲッジルームは新型エクストレイルでも継承するとともに、新たにラゲッジスペースの間仕切りを簡単に行える「防水フレキシブルラゲッジ」を2WD車に採用した。フロントシートでは中折れ(スパイナル)形状の背もたれパッドを使い、長時間移動時の疲労を軽減する「スパイナルサポート機能付きシート」や、徐々に温める個所を変化させてより快適に、素早くシートを温める「前席クイックコンフォートヒーター付シート」を採用。セカンドシートは2列シート車が6:4分割式、3列シート車が4:2:4分割式となるほか、ラゲッジルーム容量は現行エクストレイルが最大479Lなのに対し、新型エクストレイルの2列シート車は最大550L(3列シート車は最大445L)を確保する。

パッケージング


新型エクストレイル(4WD/2列車) 現行エクストレイル
ボディーサイズ(全長×全幅×全高) 4640×1820×1715mm 4635×1790×1700mm
ホイールベース 2705mm 2630mm
実オーバーハング(フロント/リア) 930/1005mm 955/1055mm
最低地上高 205mm 215mm
最小回転半径 5.6 5.5
室内サイズ(室内長×室内幅×室内高) 2005×1535×1270mm 2000×1450×1265mm
ヘッドクリアランス(フロントシート) 1015mm 995mm
ヘッドクリアランス(セカンドシート左右) 975mm 1000mm
ヘッドクリアランス(セカンドシート中央) 1015mm 1030mm
セカンドシートニールーム 660mm 570mm
Bピラー〜Cピラー間寸法 832mm 758mm
セカンドシート〜Bピラー間寸法 313mm 246mm
ボディCピラー〜セカンドドアトリム寸法 1017mm 741mm

車体の振動などを抑えて乗り心地を向上させる世界初の「アクティブライドコントロール」を採用

 パワートレーンについては、現行エクストレイルがガソリンの直列4気筒DOHC 2.0リッター「MR20DE」と直列4気筒DOHC 2.5リッター「QR25DE」、ディーゼルの直列4気筒DOHC 2.0リッター「M9R」を展開していたのに対し、12月の発売時点では直噴の直列4気筒DOHC 2.0リッター「MR20DD」エンジンとCVTのみの設定。MR20DDはレギュラーガソリン仕様で、最高出力は108kW(147PS)/6000rpm、最大トルクは207Nm(21.1kgm)/4400rpm。アイドリングストップ機構などの採用により、社内測定値ながら燃費は2列シート/2WDが16.4km/L、2列シート/4WDが16.0km/L、3列シート/2WDが16.4km/L、3列シート/4WDが15.6km/Lと発表している。

 4WD車は現行エクストレイルで採用する、前後トルク配分を100:0〜約50:50に切り替える「ALL MODE 4×4-i」を継承しつつ、新開発のトランスファーなどの採用により軽量化とフリクション低減を実現。ALL MODE 4×4-iは常時前輪で走行する「2WDモード」、雪道などで前後輪の駆動を自動配分する「AUTOモード」、雪道などの急坂やスタック時の発進時に前後トルク配分を固定し、走破性を高める「LOCKモード」をスイッチで選択できる。

 また、シャシー制御においては、世界初となる「アクティブライドコントロール」「アクティブエンジンブレーキ」を採用するとともに、「シーマ」「フーガ」でも採用する「コーナリングスタビリティアシスト」を、エクストレイルとして初めて装備。

 アクティブライドコントロールは、車体に入力される振動をセンサーが感知し、車体の振動を抑えて乗り心地を向上させるというもの。細かなデコボコ道ではエンジントルクを補正することで前後輪の荷重バランスを安定化させ、さらにうねりが大きなデコボコ道ではエンジントルクの補正とともにブレーキ制御も介入して安定化を図る。

 アクティブエンジンブレーキは、コーナー走行時にオーバースピードだったときなど、ブレーキペダルへ踏み替えるといったドライバーの操作負荷を減らすために開発されたシステムで、CVTのギヤ比を制御し、エンジンブレーキを付加することでブレーキ時の減速度をアシストしてくれる。

 コーナリングスタビリティアシストは、コーナー走行時にドライバーのハンドル操作とアクセル/ブレーキ操作に基づき、4輪それぞれのブレーキを制御することで車体の動きを滑らかにしたり、応答性を高めたりすることで安心感のあるコーナリングを実現するというもの。新型エクストレイルでは、さらにコーナーの出口でも走行ラインのトレース性能をサポートし、クルマが外に膨らまずに加速できるという。

新型エクストレイル燃費(社内測定値)

シートレイアウト 駆動方式 燃費(社内計測値)
2列シート 2WD(FF) 16.4km/L
4WD 16.0km/L
3列シート 2WD(FF) 16.4km/L
4WD 15.6km/L

(編集部:小林 隆)