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ホンダ、新型「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」発表会
過去に縛られない“オデッセイDNA”で超低床プラットフォームと両側スライドドアを獲得
(2013/11/1 00:00)
本田技研工業は10月31日、フルモデルチェンジして11月1日から発売する新型「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」の発表会を東京・青山にある同社本社ビルで実施した。
新型「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」の詳細については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131031_621054.html)を参照していただきたい。
オデッセイはホンダのLクラスミニバンとして1994年に初代モデルを発売。同時期にデビューしたCR-Vやステップワゴンなどとともに、同社が進めていたクリエイティブ・ムーバー(生活創造車)シリーズの1台として位置付けられ、当時のミニバンの多くが商用車派生で実用性を重視した車両だったのに対し、オデッセイは乗用車のアコードをベースに開発され、ベース車譲りの走行性能に加え、内外装のテイストも乗用車感覚をイメージさせるものだったことで一躍ヒット車種となり、これまでにシリーズ累計の国内販売台数が105万台を超えるホンダの主力モデルとなっている。
新しい価値の創造にチャレンジし続けることがオデッセイのDNA
発表会で冒頭に挨拶した本田技研工業 代表取締役社長執行役員の伊東孝紳氏は、発売から20年で重ねてきたオデッセイの歴史について解説。初代モデルは乗用車の安定した走行性能と高いユーティリティを同時に実現し、多人数乗用車の革命として国内市場にミニバンブームを巻き起こし、それ以来、快適な移動空間の理想を求め続けてミニバンの既成概念に固執することなく常に新しい可能性のチャレンジしてきたと語り、新しい価値の創造にチャレンジし続けることがオデッセイのDNAであると表現している。
また、5代目となる新型オデッセイを「定評ある“乗用価値”に磨きをかけながら、歴代モデルを超える“ユーティリティ価値”を徹底追求しました。走り、居住性、使い勝手、燃費、安全性、デザインと全てを格段に進化させ、これまでミニバンを経験してきた人の期待を大きく超える移動空間を実現しています」と解説し、オデッセイの車名のモチーフとなったギリシャの叙事詩「Odyssea(オデュッセイア)」を引き合いに出し、「長い冒険旅行」という意味を持つこのクルマが、家族や仲間と楽しく快適な旅行が楽しめるモデルになっていると紹介した。
車両の詳細については開発責任者を努めた本田技術研究所 四輪R&Dセンターの中川真人氏が担当。新型オデッセイの開発テーマが「新価値ミニバン」であり、ミニバンの2大価値である「ユーティリティ価値」と「乗用価値」を高次元でベストバランスにすることを目指して開発。ユーティリティ価値については広々とした空間を中心に、乗降性、シートアレンジなどと定め、オデッセイで評価が高い走行性能と両立させていくためには革新的なパッケージが必要になり、このために開発されたのが「超低床プラットフォーム」であると説明する。この新しいプラットフォームにより、広さと同時に使い勝手や上質感も手に入れ、低重心を維持するサスペンションや新型ダンパーによって高い走行性能も実現しているとアピールしている。
ハイブリッドモデルの登場は「少しお時間を下さい」
発表会の終盤では参加した記者との質疑応答も実施。このなかで従来までオデッセイのアイデンティティとなってきたリア側のヒンジドアを新たにスライドドアに変更した理由について質問され、伊東社長は「結果的にヒンジドアがアイデンティティになってきた事実は否定できないが、これまでオデッセイを販売するなかで“ヒンジドアだと駐車場で困る”という意見を多く耳にしていて、このクルマは小さな子どもを乗せて利用するシーンも多く、もっとお客様にすばらしい乗用価値があると感じてもらうためにスライドドアを採用することを決めています。一般的にはスライドドアにすると重量が重くなったりコストが高くなりますが、それらを克服して、どうしたらオデッセイが本来持つ走りの俊敏さを維持できるかに技術陣はチャレンジしています。結果的には目標の走りを持つクルマになったと自負しています」と回答している。また、ハイブリッドシステムの採用がないことについては、「この超低床設計でハイブリッドが成立するか、一生懸命に考えているところです。少しお時間を下さい」とコメントした。