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ホンダ、新型「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」
超低床プラットフォームと両側スライドドアで“次世代マルチシーター・サルーン”に進化
(2013/10/31 11:00)
本田技研工業は、上級ミニバンの「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」をフルモデルチェンジして11月1日に発売する。価格はオデッセイが249万円~350万5000円、オデッセイ アブソルートが295万円~373万円。
●オデッセイ
モデル | 乗車定員 | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
B | 8人 | 直列4気筒DOHC 2.4リッター | CVT | 2WD(FF) | 2,490,000円 |
4WD | 2,740,000円 | ||||
G | 7人 | 2WD(FF) | 2,819,000円 | ||
8人 | 2,690,000円 | ||||
4WD | 2,940,000円 | ||||
G EX | 7人 | 2WD(FF) | 3,360,000円 | ||
8人 | 4WD | 3,505,000円 |
●オデッセイ アブソルート
モデル | 乗車定員 | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
アブソルート | 7人 | 直列4気筒DOHC 2.4リッター直噴 | CVT(7速モード付) | 2WD(FF) | 3,154,000円 |
8人 | 2,950,000円 | ||||
4WD | 3,275,000円 | ||||
アブソルート EX | 7人 | 2WD(FF) | 3,585,000円 | ||
8人 | 4WD | 3,730,000円 |
5代目となる新型オデッセイ/オデッセイ アブソルートでは、パワートレーンまで含めてプラットフォームを大幅刷新。3代目オデッセイに採用してミニバンに新しい概念を持ち込んだ低床プラットフォームをさらに進化させた「超低床プラットフォーム」をコアテクノロジーとして採用したほか、初代モデルからオデッセイのアイデンティティとなっていた4枚のヒンジドアを、新たにフロントヒンジドア、リアスライドドアを組み合わせたスタイルに変更。これまでに磨き上げてきた定評ある「乗用価値」を押し進めつつ、これまでにない「ユーティリティー価値」の獲得を追い求めて開発を実施。新型モデルを“次世代マルチシーター・サルーン”と表現している。
超低床プラットフォームでは、フロア下に配置する燃料タンクや排気システムの薄型化、基本となるフロアの骨格構造などを追求し、セカンドシートのステップ位置で高さを先代モデルから60mm下げた約300mmというさらなる低床化を達成。これによって最高で室内高を105mm拡大し、上級ミニバンらしいゆとりのある車内空間を手に入れている。
また、外観面での大きな変化でもある全高の向上は、先代モデルの1545mm(FF)/1565mm(4WD)から150mmアップした1695mm(FF、アブソルートは140mmアップの1685mm)/1715mm(4WD)となっている。これについて開発陣は、「新しく採用した超低床プラットフォームにより重心が下がり、ルーフを高めてもオデッセイらしい走行性能を実現できるようになったため」と説明。ミニバンでも開発思想の軸足が走行性能に置かれている点はホンダらしいといえる部分だ。
ボディーカラーは全7色が用意され、「プレミアムヴィーナスブラック・パール」がアブソルート専用になるほかは全車共通設定となる。
パワートレーンでは、エンジンに新開発の直列4気筒DOHC 2.4リッターの「K24W」を採用。排気量は同じだが、アブソルートでは直噴化によって出力を向上。オデッセイ搭載のK24Wは最高出力が129kW(175PS)/6200rpm、最大トルクが225Nm(23.0kgm)/4000rpm。アブソルートの2WD(FF)は最高出力が140kW(190PS)/6400rpm、最大トルクは237Nm(24.2kgm)/4000rpm、同4WDは最高出力が136kW(185PS)/6400rpm、最大トルクは235Nm(24.0kgm)/4000rpmとなる。トランスミッションも従来型比で変速比幅を19%広げた新開発CVTを全車に搭載。アブソルートでは7速マニュアルモード付きとなる。
足まわりも超低床プラットフォームの開発に合わせて設計を見直し。サスペンションのアームやロッド類などの剛性を強化し、前後サスペンションにザックス製の振幅感応型ダンパーを採用して操縦安定性と快適な乗り心地を高いレベルで両立させた。このほかにも液封コンプライアンスブッシュの採用、リア側のダンパーマウントを入力分離式に変更、バネ下重量の低減などにより、セダン感覚の走行性能を実現している。
安全装備や運転支援機能の充実は新しいオデッセイの大きな見どころ。アブソルート全車とオデッセイ G EXにオプション設定する「スマートパーキングアシストシステム」では、マルチビューカメラシステムのカメラ画像を利用し、映像内に映る駐車枠を自動検出。音声ガイダンスに従ってセレクトレバーとブレーキ操作を行うと、システムがステアリングを自動操作してスムーズに駐車してくれる。バック駐車、縦列駐車の両方に対応し、切り返しが必要になる狭い場所でも利用可能となっているなど、家族で使うファミリーカーで嬉しい機能となっている。また、EXグレードに標準装備される「後退出庫サポート」は、リアバンパー内側に備えるレーダーを使い、駐車スペースからバックで車両を出すときに死角になりやすい後方側面をチェック。接近してくる車両などがある場合には警告音とナビ画面に警告表示を出して注意喚起してくれる。
このほか、6月に発売されたアコード ハイブリッドから投入された「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」もさらに進化。従来からある前方車両との衝突回避・ダメージ軽減に加え、ミリ波レーダーの検知幅を広げて対向車線を走る車両にも対応。自車との衝突が予測された場合、回避方向に対するステアリングアシストを高めて危機回避を支援してくれる。ステアリングアシストはVSAとも協調し、コーナーリング中のアンダーステア/オーバーステア時に適正な方向のステアリング操作をアシスト、逆方向は操作を重くする制御を実施する。
超低床プラットフォームでスペースを大幅拡大した車内では、サードシートの乗員を2人から3人に増やして8人乗りを設定。さらにセカンドシートには、3人用のベンチタイプに加えてセパレートタイプの「プレミアムクレードルシート」を用意する。車両の全長は先代から約30mm拡大、ホイールベースは70mm拡大されたことで、車内スペースはフロントシートとサードシートの間隔であるタンデムディスタンスが155mm拡大し、長時間の乗車でも疲労が少ないくつろぎの空間となっている。