まるも亜希子の「寄り道日和」

新型「プレリュード」見てきました

まだナイショの部分は多いものの、エクステリアとインテリアを間近で見せてもらうことができた新型プレリュード。キラキラしたホワイトカラーが新鮮です

 ついに、日本人F1ドライバー・角田裕毅選手が「Oracle Red Bull Racing」から日本GPに参戦することが決まり、今から楽しみで仕方がないF1ウィーク! フェルスタッペン選手をはじめ、あのスターたちが日本に来ているのだと思うだけでもワクワクしちゃいますが、お台場で開催されるイベントでそんなF1ドライバーたちがドライブする予定(2025年3月末現在の情報)だという、ホンダの次世代スポーツハイブリッドクーペ、新型「プレリュード」をお先に間近で見られる機会に恵まれました。

 これまでに3回、このプレリュードを間近で見ているのですが、最初はまだカモフラージュ柄で内装もありあわせのもの。2回目は東京オートサロンのブースに展示されていたブラックのボディカラーで、中は見ることができませんでした。それが今回は、一変してパールホワイト! なんだか見違えるようにキラキラと輝いているようでした。正式なボディカラー名やバリエーションはまだナイショとのことでしたが、これまでTYPE R系などはパキッとした白が多かった印象なので、このキラキラとした白は新鮮ですね。

インテリアにもホワイト! 座面や背もたれで肌に触れる部分の多くはネイビーが使われているので、「汚れそう……」という心配も少し抑えられるのではないでしょうか

 そしてドアを開けると、インテリアも白! これはホンダ初だそうですよ。ネイビーとのハイコントラストコーディネートにしているのが特徴で、ドアを開けた瞬間に惹きつけられるインテリアを目指したのだそう。確かにすごくインパクトがありました。しかも、よくよく見ると「おっ」と思う仕込みもあって、まずドアインナーのところ。何度も見ると気が付くくらいの淡い色合いで、「Prelude」と刺繍がしてあるんです。あと、プレリュードだけではないのですが、ホンダが古くから取り入れてきた千鳥格子の模様を新たな解釈でシート表皮に取り入れており、インパクトだけでなく愛着の持てるインテリアであってほしいというデザイナーさんの願いが込められています。

 シートに座ってみると、すっぽりと包まれるような心地よさの中に、身体の要所をしっかりと支えてくれる安心感がありました。すると、「ぜひ助手席と乗り比べてください」と言うではないですか。「なにか違うのかな?」と不思議に思いつつ助手席に座ってみると……。あれあれ? ドア側の座面のサポート形状が運転席側より低めでソフトになっているような気が。これは、運転する人はしっかり支え、助手席の人はよりリラックスしてもらえるようにと、シートを変えているのだとか。いいですね、愛ですよね。ちなみに後席はタイトなように見えますが、身長180cmの男性がすっぽりと座ったところを目撃しましたので、見た目より使えるスペースのよう。

 また、トランクタイプではなくハッチバックタイプとなっており、ガバッと開いて奥行きの広いラゲッジルームがあるところもポイント高いです。なんたって、後席を倒さなくても2人分のスーツケースが積めるし、後席を倒せばゴルフバッグ2個だけじゃなくサーフボードも2枚入る広さ。さすがに今回はやりませんでしたが、たぶん私、車中泊できるくらいのスペースがあると思います。

広大なラゲッジルームのフロアボードは、このように真ん中から2つ折りにして仕切りのように使えます。走行中に荷物がゴロゴロと転がらないようにできていいですよね

 で、短い時間の中でしたが「おおっ」と感心したポイントがあと2つ。1つは、そのラゲッジルームでフロアボードが折りたためて前後に仕切って使えるようになっているところ。ミニバンづくり、軽自動車づくりにも長けているホンダらしいじゃないですか? 開発チームの方に聞けば、「クーペだけど日常から非日常まで便利に使えるクルマにしたいと思ったんです」とのこと。これなら子供がいるファミリーでもなんとかイケそう。

 そしてもう1つは、クーペが好きでこれまで5台ほど乗り継いできた私ですが、ドアが大きいところだけいつも「なんとかならないかなぁ」と思っていたんです。狭い駐車場とかで気を使うし、乗り降りの時に必ずドアにスネをぶつけて痛い思いをするし。その気持ちを見透かされたように、新型プレリュードではなんと。ちょうど足の通り道になる部分のドアインナーがえぐられているんです。さすがにドアは大きいですけど、これならそんなに大きく開かなくても乗り降りしやすいですね。「スカートを履いた方でもスマートに乗り降りできるようにしたかった」とは担当者の言葉です。

写真だとちょっとわかりにくいですが、ドアの内側でちょうど足の出し入れをする部分がえぐれており、乗り降りしやすい工夫がありました

「研究所は、人の気持ちを研究するところだ」というホンダらしい思いやりが散りばめられた新型プレリュード。一般道で乗れる日がますます楽しみになりました!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。