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東北道 羽生PA(上り)に「鬼平江戸処」が12月19日10時にオープン
人気小説「鬼平犯科帳」の世界を表現したPA
(2013/12/18 00:00)
NEXCO東日本(東日本高速道路)は12月19日10時、東北自動車道 上り線の羽生PA(パーキングエリア)を「鬼平江戸処」としてリニューアルオープンする。それに先立つ17日、報道関係者向けに鬼平江戸処の内覧会を開催した。なお、羽生PA(下り)は2009年11月18日に「Pasar羽生」としてリニューアルしており、上下線が異なるテーマで作られたPAとなった。
羽生PA(上り)にオープンする鬼平江戸処は、故池波正太郎氏の人気小説「鬼平犯科帳」の世界を表現したPA。鬼平犯科帳の著作権を管理する「オフィス池波」と提携して実現した企画で、同作品が描き出す江戸の世界観を表現しているという。江戸時代に日光街道の要衝であり、江戸の入り口となる「栗橋関所」が設けられていた埼玉県久喜市栗橋北が羽生PAから近いことから、羽生PAを現代の関所に見立てたところから発案されたという。鬼平江戸処は2010年6月にオープンしたNEXCO東日本の関越自動車道 寄居PA(上り)「寄居 星の王子様PA」に続き、2つめの「テーマ型エリア」となる。
鬼平こと長谷川平蔵信以(のぶため)が生まれた1745年から、江戸の町人文化が開花したという文化文政時代(1804年~1829年)ごろをイメージした施設を配置。外観や内装には当時の面影を再現するためのエイジング加工が施され、壁や漆喰、雨樋などいたるところに経年劣化したような処理をして雰囲気を出している。
施設正面は江戸の繁栄の象徴とされる日本橋大通りをイメージ。ここに立ち並ぶ「大店」は、すべて劇中で盗賊に押し入られたものを再現している。右手には栗橋関所をイメージした建物とトイレが設置されている。高齢者・障がい者用駐車場は、トイレにアクセスしやすい場所に設置。
施設に入ると、鬼平が闊歩したという本所深川界隈の下町の様子を再現したフードコートがある。天井は空をイメージした照明で、15分ごとに昼夜が入れ変わるほか、江戸の日常感を演出するため、売り子の声や祭りの太鼓、虫の音など季節に応じた音声演出も行う。
フードコートの左手には小説の中で鬼平や同心、密偵たちが集う場所として登場した「五鉄」を再現。五鉄は1760年に開業し、現在も営業を続けている軍鶏鍋専門店「玉ひで」がモデルではないかとされている。玉ひでは創業当時「玉鐵」という屋号で、この名をベースに「五鉄」という名前を考案したのではないかという説が有力だそうだ。鬼平江戸処ではこの「玉ひで」が「五鉄」として実際に出店し、五鉄用にアレンジした軍鶏鍋や、劇中にも登場する「一本饂飩」などオリジナルメニューを提供する。
一本饂飩は鬼平犯科帳の劇中にも登場し、長さ50cm、幅2.5cm、厚さ1cmといううどんが一本、お椀に入ったダイナミックなメニューで、実際に江戸時代にも存在した料理だそうだ。この太さのため3時間ほど煮込む必要があるが、原料は小麦のみとしながら煮込んでいる間に形が崩れないよう独自の工夫がしてあるという。
このほか、そば屋「本所さなだや」、うなぎ屋「忠八」、中華そば屋「弁多津」(べんたつ)、鉄火丼などを提供する江戸めし屋「万七」など、小説の中で登場した店名を冠した店が軒を連ねている。
また、創業1805年の甘味屋「舩橋屋」も高速道路店として初出店。くず餅やあんみつ、おしるこなどを提供する。
フードコートを通り抜けると左手には江戸一番の賑わい処という「両国広小路」をイメージした土産物売り場。ここは歌川国郷が描いた浮世絵「東都名所両国繁栄川開之図」の世界観を元ににぎやかな市の様子を再現している。
なお、鬼平江戸処建設中に利用されていた仮設売店は2014年3月までに撤去される予定で、跡地は本所深川の町並みを再現した中庭として休憩などに利用できるエリアとなる。
正式オープンとなる12月19日は、10時のオープンに先駆けて9時30分からオープニングセレモニーを開催。ここでは一般社団法人 江戸消防記念会第六区頭中、鴻巣地区鳶職組合らによる「木遣り・梯子乗り」などが披露されるほか、先着100名に記念品もプレゼントされる。