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ホンダ、新型「ヴェゼル」ハイブリッドはクラストップの27.0km/Lを実現

ガソリンモデルも空力性能の追求と軽量化で20.6km/LのJC08モード燃費

“新時代のスペシャルティーカー”を目指した新型「ヴェゼル」
2013年12月20日発売

187万円〜268万円

 本田技研工業は、コンパクトクロスオーバーSUVの新型「ヴェゼル(VEZEL)」を12月20日に発売する。価格は187万円〜268万円。

モデル エンジン 変速機 駆動方式 価格
G 直列4気筒DOHC 1.5リッター CVT 2WD(FF) 1,870,000円
4WD 2,080,000円
X 2WD(FF) 2,010,000円
S 7速CVT 2,120,000円
ハイブリッド 直列4気筒DOHC 1.5リッター+スポーツハイブリッドi-DCD 7速DCT 2WD(FF) 2,190,000円
4WD 2,400,000円
ハイブリッド X 2WD(FF) 2,350,000円
4WD 2,560,000円
ハイブリッド Z 2WD(FF) 2,500,000円
ハイブリッド X Lパッケージ 4WD 2,680,000円
第43回東京モーターショー2013でワールドプレミアとなった「ヴェゼル(VEZEL)」が正式発売

多面的な価値を高次元でクロスオーバー

 11月に行われた第43回東京モーターショー2013の会場でワールドプレミアされたヴェゼル。車名は「カットした宝石の小さな面」を意味する「Bezel(ベゼル)」にクルマを表す「Vehicle」のVを組み合わせた造語で、「多面的な魅力と価値を持つクルマ」という想いが込められている。開発にあたってターゲットイメージになったのは、同社の「アコード インスパイア」「プレリュード」といったスペシャルティーカー。単なる移動の道具としてだけでなく、豊かで上質な暮らしのパートナーとしてユーザーから支持を得たスペシャルティーカーのポジションを目指して開発が進められ、SUVが持つ「力強さと安心感」、クーペの「あでやかさとパーソナル感」、ミニバンの「快適性と使いやすさ」など、通常では並び立つことのない相反価値を高いレベルでクロスオーバー。“新時代のスペシャルティーカー”として仕立てあげている。

 パワートレーンはフィットの15X/RSでも採用するL15Bエンジン+CVTと、L15Bエンジンにフィット ハイブリッドと同じ1モーターハイブリッドの「i-DCD(intelligent Dual-Clutch Drive)」を組み合わせた2系統。駆動方式は2WD(FF)に加えて電子制御4WDの「リアルタイムAWD」をラインアップする。エコカー減税はハイブリッドモデルが免税(100%減税)、ガソリンモデルが75%減税となる。

ハイブリッドモデルの「ハイブリッド X」
ガソリンモデルの「X」
ガソリンモデルの「G」

 外観はホンダのデザインコンセプト「エキサイティング Hデザイン!!!」をベースに、クーペのエモーションとSUVのタフさを融合。力強いロアボディーで安定感を演出しつつ、前後を絞り込んだエアロキャビン、ドアパネルからルーフまで跳ね上がるサイドラインなどでシャープさを表現している。ボディーカラーは専用色の「ルーセブラック」「モルフォブルー」「ミスティグリーン」という3色を用意する全8種類。フロントノーズをハイブリッドモデルではクロームメッキ調、ガソリンモデルはウイングデザインのメッキ加飾とするほか、ボディーロアガーニッシュをハイブリッド Zでカラードタイプ、ほかのハイブリッドモデルとSでガンメタリック塗装、X/Gでブラックとするなど、要所のディテールでデザインを変えて個性を演出している。

ヴェゼルに合わせて開発された新色の「ミスティグリーン・パール」。このクルマの訴求色でエレガントさを表現している
モードテイストを表現する新色の「ルーセブラック・メタリック」
クールさを表現する新色の「モルフォブルー・パール」
「ホワイトオーキッド・パール」
「アラバスターシルバー・メタリック」
「ティンテッドシルバー・メタリック」
「クリスタルブラック・パール」
「プレミアムディープロッソ・パール」
S/ハイブリッド Zに標準装備されるスポーツタイプの17インチアルミホイール。タイヤサイズは215/55 R17 94V
ハイブリッド X Lパッケージで標準、ハイブリッド Xでオプション装備となる17インチアルミホイール。タイヤサイズは215/55 R17 94V
X/ハイブリッド Xに標準装備される16インチアルミホイール。タイヤサイズは215/60 R16 95H
G/ハイブリッドはフルホイールキャップを備える16インチのスチールホイールが標準。タイヤサイズは215/60 R16 95H
マルチリフレクターハロゲンヘッドライトを標準装備するG/ハイブリッド以外のグレードでは、写真のLEDヘッドライト(LEDポジションランプ付き)が設定される
全車LEDリアコンビネーションランプを標準装備。ハイブリッドモデルでは専用のLED導光ストライプを使用する
ルーフレールは一部のグレードにセットオプション設定
フロントドアのアウタードアハンドルはハイブリッドとガソリンモデル全車でクロームメッキ、ハイブリッドモデルのXやZではプラチナ調となる

ハイブリッドと空力追求で“SUVらしい力強さ”と“コンパクトカー並みの燃費”をクロスオーバー

ハイブリッド(FF)は「i-DCD」で27.0km/Lの低燃費を実現

 エンジンは直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴のL15B型で、ガソリンモデルでは96kW(131PS)/155Nm(15.8kgm)を発生させる。ハイブリッドモデルではエアコン用のコンプレッサーとウォーターポンプを、駆動用バッテリーを持つIPU(インテリジェント・パワー・ユニット)から電力供給される電動タイプに変更。エンジン出力のロスを低減して最高出力を97kW(132PS)とわずかながら高めつつ、モーターを内蔵するi-DCDとの組み合わせによってベースモデルのハイブリッド 2WD(FF)で27.0km/LのJC08モード燃費を実現。同クラスのライバルを圧倒する高い環境性能を手に入れている。

 また、燃費向上に加えて上質な室内空間と爽快な走行性能をクロスオーバーさせるために空力特性も徹底的に追求しており、SUVながらアンダーフロアの広い面積にカバーを施して前後リフトバランスを最適化。この効果で、ガソリンモデルでもJC08モード燃費をG/Xの2WD(FF)で20.6km/Lまで高めている。

高出力・大容量のリチウムイオン電池とパワードライブユニットなどで構成するIPUを荷室床下に設置。2WD(FF)と4WDの両方にハイブリッドモデルをラインアップすることもヴェゼルの特徴だ
モデル JC08モード燃費
ハイブリッド(FF)/(4WD) 27.0km/L/23.2km/L
ハイブリッド X(FF)/(4WD) 26.0km/L/23.2km/L
ハイブリッド Z(FF) 24.2km/L
ハイブリッド Z Lパッケージ(4WD) 21.6km/L
モデル JC08モード燃費
G/X(FF) 20.6km/L
S(FF) 19.2km/L
G(4WD) 19.0km/L
CFD(数値流体力学)と風洞テストによる検証で空気抵抗を低減させて燃費向上に貢献。前後のリフトバランスも最適化して走行安定性も兼ね備える
ルーフエンドスポイラーの両サイドを下向きに延長して整流効果を高めた
フロントロアスポイラーは全車に装備
2WD(FF)は大型のフロアアンダーカバーを装備。燃費向上に加え、高速走行中のふらつきを抑制して安定感を高める
SUVながらフロア下の空気の流れを徹底追求している
フロントサスペンションに振幅感応型ダンパーとスタビライザーを全車標準装備。さらに2WD(FF)車はパフォーマンスロッド、4WD車はリアスタビライザーを装着する

 このほかに走行面では、先に登場したアコード ハイブリッドやオデッセイなどで採用された振幅感応型ダンパーをフロントサスペンションに備え、さらにリバウンドスプリングも設定。路面の小さな凹凸などをしなやかに吸収しつつ、タイトコーナーなどで発生するストロークが大きい入力には高い減衰力を発生させて車両姿勢を安定させる。大きな荷重変化はリバウンドスプリングで伸び方向の動きを抑制し、車高の高さを感じさせない旋回性を実現する。また、フロント側のロールセンター高をリアに対して低く設定して前下りのロール姿勢としたことで、コーナーリング時のフロントタイヤの応答性とリアタイヤの安定感を両立。ボディーを自然にロールさせることで乗員に安心感を与えるセッティングとなっている。

SUVらしい見晴らしのよさとセダンライクな乗り心地や安定感を両立
振幅感応型ダンパーや液封コンプライアンスブッシュで走行性能を引き上げ、フロント:ストラット/リア:H型トーションビームのサスペンション形式で車内のスペース効率を高めている
4WD車で雪道のテストコースを走りこみ、アクセル操作によって方向を変えるアグレッシブな旋回性能を手に入れた

 4WDシステムには電子制御式のリアルタイムAWDにヴェゼル専用セッティングを施して採用。SUVとしての悪路走破性だけでなく、コーナーリング時にはアクセルオフの状態で前輪だけを駆動させるFF状態としてアンダーステアを抑制。アクセルが踏み込まれると積極的にリアタイヤにも駆動力を配分し、ソフトなアクセル操作ではニュートラルステア状態を保つようにするほか、大きなペダル踏み込みからドライバーのアグレッシブな走りに対する要求をくみ取り、安全性は確保しながらもリアタイヤの駆動力配分を高め、VSAの作動を抑制して弱オーバーステア状態を誘発。アクセル操作によって向きを変えるようなセッティングとしている。

上級セダン並みという「制振・防音パッケージ」を使用してキャビンの快適性を高めている
走り出す前にセンターコンソールの「BRAKE HOLD」スイッチを押すことで、停車後にブレーキから足を放しても停車状態を維持し、アクセル操作で解除される「オートブレーキホールド機能」を全車に採用。渋滞などでのストップ・アンド・ゴーの疲労を軽減してくれる装備となっている

クーペの“パーソナル感”とミニバンの“使い勝手”をクロスオーバー

小さな動作と軽い力で操作できる「スマートタッチインテリア」を採用

 インテリアの開発コンセプトは「Expansible Cockpit」。広い空間を意味する「Expanse」とタイトなスポーティさをイメージさせる「Cockpit」の2つの言葉を組み合わせて独自の世界観を表現。フロントシートではクーペのパーソナル感を最も重視し、ドライバー側に向けたセンターパネルや2段構造の「ハイデッキセンターコンソール」で運転席のコックピット感覚を演出。タッチ操作の電子制御パーキングブレーキやフルオートエアコン、フローティングネオンリングを備える大径自発光式メーター、プッシュ式のパワースイッチ&エンジンスタート/ストップスイッチなどの装備で先進性をアピールする。また、インパネの助手席側には横一文字にデザインした「ワイドフローエアコン」を設置し、3分割構造でドアのある左側を強く、助手席乗員の正面になる中央を弱く、センターパネルに近い右側を中程度という風量設定を与え、車内をしっかり温度調整しながら吹き出した風が乗員に直接当たりにくいよう配慮している。

 リアシートはフィットの「ULTR SEAT(ウルトラシート)」と同じく座面のチップアップが可能となっており、低床フロアと高めな室内高との組み合わせで多彩な使い勝手を実現。一方で座面長を上級セダン同等としながらも十分なレッグスペースを確保し、リアドアのウインドーラインと合わせたシートバックも大人の肩口までしっかりと支える高さを持っている。シートバックのリクライニングは前後に2個所のロック位置を用意する。

「Expansible Cockpit」のコンセプトで開発された内装。底床フロアからシフトレバーなどを手が届きやすい高さに配置する「ハイデッキセンターコンソール」やドライバーオリエンテッドなセンターパネルがクーペテイストのフロントシート空間を演出
電子制御パーキングブレーキは全車標準装備。ハイブリッドモデルには軽い力で操作できる専用デザインのシフトレバーを設置する。シフトレバーと電子制御パーキングブレーキのあいだにある「SPORT」と書かれたスイッチは、ハイブリッドモデル専用のSPORTモード切り替えスイッチ。SPORTモード選択時にはアクセル操作に対するモーターのアシスト量が増加し、DCTもエンジン回転数の高い領域を使用する変速特性に変更。ハイブリッドモデル全車に装着されるパドルシフトはマニュアル変速モードに固定され、自動変速モードに復帰しない設定となる
大径自発光式メーターは中央のスピードメーター外周にフローティングネオンリングを設定。ハイブリッドモデルは専用デザインになり、SPORTモードを選択しているときは照明色がレッドに切り替わる。メーター右側には、ハイブリッドモデル(写真)でハイブリッドシステムのエネルギーフローなどを表示する「マルチインフォメーション・ディスプレイ」、ガソリンモデルで瞬間燃費や推定航続可能距離などを表示する「インフォメーションディスプレイ」を設定する
ハイブリッドモデルのアクセルペダルには「RFP」と書かれたパネルを装着。このRFPは「リアクティブフォースペダル」の略で、エコドライブ支援などを目的とした新アイテム。ドライバーが燃費に有利なアクセル開度よりもさらに踏み込もうとした場合に踏力を重くしてエコドライブを誘導。実燃費を高める作用を持つ。また、滑りやすい路面でもアクセルの踏み込み過ぎを踏力制御によって支援し、シティブレーキアクティブシステム(CTBA)の装着車では、低速域衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能が作動しているときに、「コンコン」とノックするようなペダル反力を発生させて注意喚起する
ガソリンモデルのSには専用のステンレス製スポーツペダルを装着
インパネ正面やハイデッキセンターコンソール側面、ドアアームレストなどにステッチライン入りのソフトパッドを配置。ドアライニング上側にはクッション入りの柔らかい表皮を使い、居心地のよい室内空間を演出している
リアシートの座面を長く設定しながらも十分なレッグスペースを確保。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトの効果でフロントシート下に広いスペースがあり、足を伸ばしてくつろげる
高いアイポイントに加え、Aピラーの幅と角度を最適化して広い視野角を手に入れている
ハイブリッド Zの一部外装色に設定される「ジャズブラウン」内装。シート表皮中央にはゴールドのストライプが入っている
S/ハイブリッド X Lパッケージなどに設定する「パッションブラック」内装。シートのサイド部分やシート背面などに本革とプライムスムースを使用するコンビシートとなる
G/ハイブリッドなどに標準装備となる「ブラック」内装。シート表皮はファブリック
低床設計で直線的な形状も使いやすい大開口テールゲート
リアシートのシートバックは全車6:4分割可倒式
シートアレンジの通常モード
シートを片側チップアップすると広い室内空間が生まれ、荷物の積載以外にも多彩な使いかたに対応する
フルラゲッジモードではマウンテンバイクを2台縦置きで収納可能
格納したリアシートの上から助手席シートバックを後方に倒し、長さのある荷物を車内に収めるロングモード
2段構造のハイデッキセンターコンソールは下側にコンソールポケットを設定。オプションの「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」を装着した場合、USB端子×2、HDMI端子などがこの位置に設置され、接続したスマートフォンなどを収納しやすいよう工夫されている
ハイデッキセンターコンソールに設定される「マルチユーティリティドリンクホルダー」は底面が左右に開く2段式。低い紙コップなどが取りやすく、高さのあるペットボトルが倒れたりじゃまになる心配もない。両サイドにはプッシュ式のフラップを設定する
静電式タッチパネルのフルオートエアコンを全車に標準装備。ハイブリッド Zは左右独立温度コントロール式となる
標準設定は全車オーディオレス仕様で、「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」を全車にオプション設定
ハイブリッド Zは全ドアワンタッチ式パワーウインドーを専用装備する
4灯式のLEDフロントマップランプ
4灯式のLEDルームランプ

【お詫びと訂正】記事初出時、価格表内のハイブリッドシステムが「IMA」となっておりました。正しくは「スポーツハイブリッドi-DCD」となります。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)