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開通まで2週間を切った圏央道 相模原愛川IC~高尾山IC間の一部を歩いてみた

2014年度開通予定の相模原ICから本線上へ向かう

 6月28日15時に開通する圏央道(首都圏中央連絡自動車道) 相模原愛川IC(インターチェンジ)~高尾山IC間。距離は約14.8kmかもしれないが、東名高速道路から中央自動車等、そしてその先の関越自動車道が高速道路で結ばれるインパクトは大きい。この区間を管轄するNEXCO中日本(中日本高速道路)の試算によると、厚木から秩父や伊香保温泉までの時間は、この開通によって約60分短縮され、秩父は約66分、伊香保温泉は約95分になる。片道だと1時間、日帰り往復だと2時間短縮できるのは大きく、宿泊前提で出かけていたところが、無理なく日帰りできるようになるのはありがたい。

圏央道の新規開通区間(クリックすると横幅1920ドットの画像が開きます)

 その新規開通区間の一般向けバスツアーが6月8日に開催され、その一部を取材することができたのでここにお届けする。この一般向けバスツアーは国土技術研究センター(土木学会)が企画し、圏央道新規開通区間の一部を歩けるほか、近隣の建築物を専門家の解説付きで見られるというもの。歩ける区間は、2014年度中に開通予定の相模原IC~高尾山ICまで。但し、報道陣については相模原ICから最初のトンネルである城山トンネルまでとなっており、本記事も城山トンネルまでの写真を掲載する。

相模原IC

 圏央道見学のスタート地点となった相模原ICは、6月28日の開通には間に合わず、2014年度の開通を予定している。接続する道路は、道志みちで知られる国道413号の南を平行に走る津久井広域道路。この津久井広域道路も現在建設中で、新小倉橋など一部区間が開通しているのみだ。

相模原IC完成予想図(クリックすると横幅1920ドットの画像が開きます)

 見学に訪れた際は、津久井広域道路から相模原IC料金所の間にある串川を越える橋を建設中だった。串川の水面との高度差が40m以上あるため、接続道路については張り出し架設工法を採用。最初に橋脚を作り、その後左右バランスを取りながらセグメントブロックを張り出して行くことで、“やじろべえ”のように橋を架けるとのこと。さらに料金所通過後の圏央道への合流も串川を越える地形となっており、料金所の両側にA~Hまで8本のランプ橋が架かる構造となっている。

工事概要と進捗状況
料金所方面から圏央道方面を望む。工事の完成が遠いのが分かる
将来、料金所が設置される場所。バスの奥に見える高台が本来の地面で、地面を掘って料金所のスペースを作り出した
料金所のゲートボックスができる場所。高速道路上を歩かなくてもよいように各ゲートへの地下道が用意されている。その地下道の工事を行っていた
こちらが津久井広域道路へ接続するためのランプ橋工事現場。左下に見えるのが串川
橋脚を中心にやじろべえのように腕を伸ばしていく
逆台形のセグメントブロックを接続し、その後PCケーブルで必要な圧力をかけていく

相模原IC~城山橋~城山トンネル

 報道陣が歩けたのは、相模原IC~城山橋~城山トンネルまで。バスツアーの参加者と一緒に歩いた。圏央道のKP(キロポスト)表示は、神奈川県にある茅ヶ崎JCTが起点となっており、いわゆる上り、下りも、茅ヶ崎JCTに向かう(内回り)方向が上り、逆方向(外回り)が下りとなる。今回のウォーキングでは、内回りを相模原から高尾山に向かったので、クルマの走行方向とは逆方向に歩く形となっていた。

NEXCO中日本のスタッフの後ろから高速道路本線に入っていく
東名方向を見たところ。左が上り車線、立っている場所が下り車線。スタッフが立っている場所で、上り車線に入っていく
上り車線に移動したところ。東名方向を見ると看板が正しく見える。これから、この上り車線を逆方向(中央道方向)へと歩いて行く
路肩の風景。将来的に遮音壁が設けられるためこの風景は見られなくなる。右奥の大きな橋が新小倉橋、その手前が小倉橋
ツアー参加者は思い思いにクルマの通らない高速道路を楽しんでいた。天気は、小雨が降ったり止んだりといったところ
遮音壁には点検口がある。人気のスポット
一番人気に見えたのが、このキロポスト表示。30.0は、茅ヶ崎JCTからの距離を示す
折角なのでアップで
ついでに裏側も。開通後は、普通は撮影できないカット。キロポストマニア垂涎のカットだ
相模原ICの出口。6月28日の開通後も、ここは供用開始とならない
城山橋から新小倉橋を見る。運転中は見ることの難しい景色
新小倉橋から手前に伸びる道路が津久井広域道路。工事中なのが分かる
城山橋の風景。ドライバーのつもりになって撮影した。奥が東名方向
橋の途中で何かのぞき込んでいる人がいたので近づいてみた
相模川を見ることができた
城山橋
城山トンネル。これは、中央道方向から東名高速方向を見たもので、ドライバーにとってもこう見える
消化器はすでに設置されていた
城山トンネルの照明は、プロビーム照明など方向性を持つLED照明が使われている
城山トンネル出入り口近辺では、2種類の舗装を同時に見ることができた。中央より右が目の粗い高機能I型アスファルト、左がやや目の細かい高機能II型アスファルト。I型は排水性が高いが耐久性に劣る。II型は排水性を犠牲にして耐久性を上げたもの。トンネル内は直接雨が降らないため、II型が使われている
つなぎ目ギャラリー。橋やICの接続部など、温度による道路の伸び縮みを吸収するための接続部が用意されている。これらは当日見かけた接続部の写真

(編集部:谷川 潔)