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首都高、災害時における緊急対応を想定した訓練を実施
「大震災時、首都高は緊急輸送路としての役割も担い、一刻も早く道路啓開をすることが最大の義務」と菅原社長
(2014/9/12 00:00)
首都高速道路は9月5日、羽田補修基地(東京都大田区)で災害時における緊急対応を想定した訓練を実施、一部を報道陣に公開した。この訓練は首都直下地震を想定したもので2012年、2013年に続き今年で3回目となる。
当日は午前中に災害対策本部設置訓練のほか高架下の総点検、高架上のパトロール点検を非公開で実施し、午後からは実際の車両を使い、より現実的な状況を想定した訓練が行われた。
今回の訓練での想定状況は「M7.3の都心南部直下地震が発生、首都高速道路管内の最大震度6強、一部震度7を記録」したことにより、「首都高速道路上の複数個所にて高架橋の支承(橋脚を支える台座)が脱落し、伸縮継ぎ手部に約30cmの段差が発生」「一般車両が横転し、2車線とも通行不能」というもの。
そこで、まず「車両移動」および「転倒車両引き起こし」により通行可能な車線を確保。パトロールカーが「路面段差乗り越え」により先行、「路面段差解消」により緊急車両の通行を可能にするとともに取り残された車両を救出する、と実際の流れを想定した4つの訓練が連続して行われた。
参加人員は首都高および首都高の関連会社などの約60名。参加車両はパトロールカー(ランドクルーザー200)3台、レッカー車1台、土嚢や鉄板を運搬するトラック1台の計5台。
訓練に先立ち首都高速道路 代表取締役社長 菅原秀夫氏は、首都高が開通総延長300kmあまり、1日の通過台数が約100万台となる動脈であることに触れ、「ひとたび大震災が起これば首都高は緊急輸送路としての役割も担うことになる。そのため一刻も早く道路啓開をすることが最大の義務になる。実際の災害を思い浮かべて迅速かつ適切に作業して欲しい」と訓辞を述べた。
訓練終了後に菅原氏は囲み取材に応じ、実際に災害が起きた場合の課題として「放置車両の対応が問題になる。道交法では(運転者が居ない車両でも)50mまでの移動が可能だが、(管轄の)警察署長に意見を聞く必要があるなど制約がある。(法改正の動きもあるが)実際に大きな災害が起きた場合、現状では対応が難しい」と、首都高単独での対応には限界があることを明かした。