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ポルシェ、“ポルシェの情熱とDNAが脈打つ”SUVスポーツカー「マカン」発表会

直列4気筒2.0リッターターボエンジン搭載のベースモデル「マカン」をジャパンプレミア

2014年11月13日開催

616万円~997万円

マカンとポルシェAGのセールス&マーケティング担当役員のベルンハルト・マイヤー氏(右)、ポルシェジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏(左)

 ポルシェ ジャパンは11月13日、報道陣に向けて新型コンパクトSUV「マカン」を公開した。マカンのラインアップはマカン ターボ、マカン S、マカンの3グレード。すでに予約を開始しているが、11月15日~16日の週末に販売店でデビューフェアを開催し、展示車や試乗車を配置。最初のユーザーへの納車が開始されることもあって、今回の実車公開となった。なお、ベースモデルとなる直列4気筒2.0リッターターボエンジン搭載車は日本初公開。

 マカンはポルシェの5番目のモデルレンジにあたり、2013年のロサンゼルスオートショーで初公開。日本では同年の東京モーターショーで公開された。しかし、ロサンゼルスの世界初公開からわずか15分後に日本でも公開となったことから、ほぼ日本でワールドプレミアしたモデルといってもよく、ポルシェの日本導入への高い期待が伺える。

発表会に出席したポルシェAG セールス&マーケティング担当役員のベルンハルト・マイヤー氏
ポルシェジャパン 代表取締役社長 七五三木敏幸氏
ポルシェジャパン 執行役員営業部長兼マーケティング部長 牧野一夫氏

 マカンは3グレード展開で、直列4気筒2.0リッターターボの「マカン」(616万円)、V型6気筒3.0リッターツインターボの「マカン S」(719万円)、V型6気筒3.6リッターツインターボの「マカン ターボ」(997万円)となる。

 今回の報道公開やデビューフェアに合わせて、ドイツからポルシェの首脳陣も来日しており、ポルシェAGのセールス&マーケティング担当役員のベルンハルト・マイヤー氏は日本市場を重要視していると明言した。ベルンハルト・マイヤー氏は、マカンの属するコンパクトSUV市場は「世界で130万台規模まで成長し、これは2007年の2倍近い。2024年には180万台を超えると予測、今後10年間は年率3.5%の成長が期待できる」とし、マカンも予想を上回る数値で推移していると説明した。

ベースモデルとなるマカンは上位グレードのマカン ターボより150kgも軽量。ポルシェのラインアップ中、最安モデルとなる
マカン Sはマカンから約100万円高となるが、装備差もあり、その差はもっと縮まるお買い得モデルという
マカン ターボはターボモデルながら1000万円を切っており、戦略的価格とした

 日本法人であるポルシェ ジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏は、マカンの投入について「日本におけるポルシェの新しい顧客層を開拓し、さらなる伸長を続ける大きなステップ」と説明した。数字の上でもそれは現れており、10月末現在で約1500台のオーダーがあることを明らかにした上で、2014年のポルシェの新車登録台数は10月末で3797台(昨年同期比101.5%)、これにマカンの年内納車分を加えると「通年ではじめて5000台が視野に入ってくる」と好調をアピール。さらに「来年度はマカンの販売台数が寄与し、大幅な成長が見込める」と2015年の好調も予測した。

 マカンの販売とマーケティングについては、ポルシェ ジャパンの執行役員営業部長兼マーケティング部長の牧野一夫氏が説明を行った。牧野氏はマカンを一言でいうなら「ポルシェの情熱とDNAが脈打つSUVのスポーツカー」と表現した。さらに牧野氏は、マカンがSUVのスポーツカーであることを強調し、フロントのエアインテークをはじめルーフライン、左右のサイドブレード、リアビュー、インテリアなどがスポーツカー特有のデザインとなっているとした。

 3グレードについてはいずれも戦略的価格とし、ベースグレードで616万円のマカンは「ポルシェの40のラインアップの中で一番お求めやすい」、719万円のマカン Sは「“S”の称号の付く全ポルシェモデルの中でもっともお求めやすい」、997万円のマカン ターボは「圧倒的パワー、レザーパッケージやボーズサウンドシステムを備えた最高峰モデルでも1000万円を切る価格」と述べ、価格面の優位性をアピールした。

 競合車種についてはアウディ「Q5」、BMW「X3」、メルセデス・ベンツ「GLKクラス」などを挙げつつ、デザイン、セグメントNo.1のパフォーマンス、カスタマイズ性でクラストップであることを紹介するとともに、「セグメントでNo.1だけでなく唯一のスポーツカー」と、マカンの優位性を強調した。

マカンの競合モデルたち。ポルシェジャパンではこれらの車種の顧客がマカンを選ぶ可能性があると期待を込めている
マカンと競合車種の価格帯

 さらに比較検討が予想される車種も挙げ、「競合となるモデルが幅広く存在し、このモデルの数と同じだけのお客様が今後ポルシェを選ぶかもしれない」「今後のポルシェビジネスを支える、新規のポルシェファンを生み出す大変重要なモデル」と期待を込めた。加えてすでに1500台の受注があったことにも触れ、「まだ正規販売店に車両がない、その中での数字であること。マカンの魅力の高さ、市場の期待の高さが1500台という数字に表れている」と自信を見せた。

 先行展示などは開始しているが、今後のマーケティング活動については11月15日~16日に全国43拠点のポルシェ正規販売店でデビューフェアを開催。テレビCMも11月に一部で放映する。販売店側でも、サーキットで販売スタッフにマカンを体感させるなどの研修を行い、マカンの特徴を顧客に伝える準備を万全にしているという。

マカンの特徴
マカンのターゲット層
マカンの受注状況。東京モーターショーの46台受注は2013年の中に含まれる
マーケティング活動のキーメッセージ
プロモーション活動予定
導入に向けて販売店側も準備を進めてきた

マカン、マカン S、マカン ターボを展示

 会場に展示されたマカンのラインアップはすべて右ハンドル仕様で、日本向けのカーナビゲーションを搭載した国内モデル。一部オプションも装備した状態で展示された。

マカン。ボディーサイズは4680×1925×1625mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2805mm
マカンはリアのマフラーが2本出しとなる
マカンが搭載する直列4気筒2.0リッターターボは最高出力174kW(237PS)/5000-6800rpm、最大トルク350Nm/1500-4500rpmを発生。マカン Sなどと比べるとエンジンルームに余裕がある。0-100km/h加速は6.9秒、最高速は223km/hと公表されている
展示車はマカン Sのホイールを装着していた
マカンのインテリア
スベアタイヤは装着されない
リアワイパーの根本にリアゲートのオープナースイッチがある
マカン S
マカン Sのマフラーは丸型4本出しを採用
V型6気筒3.0リッターツインターボエンジンを搭載するマカン S。最高出力は250kW(340PS)/5500-6500rpm、最大トルク460Nm/1450-5000rpmを発生し、0-100km/h加速は5.4秒、最高速は254km/hとなる
標準ホイールは18インチだが、撮影車はオプションの20インチホイールを装着
マカン Sのインテリア
マカン ターボ
左右に大型エアインテークが配置されるのがターボの特徴
マフラーは角型の4本出し
左右のエアインテークが大型化されたこともあり、スモールランプなどの形状がマカン、マカン Sと異なる
マカン ターボのV型6気筒3.6リッターツインターボエンジン。最高出力294kW(400PS) /6000rpm、最大トルク550Nm/1350-4500rpmを発生する。0-100km/h加速は4.8秒、最高速は266km/h
オプションの21インチホイールを装着
マカン ターボのインテリア
ボンネットフードは左右のフェンダーまで回りこむ形状
トランクルーム

(正田拓也)